なぜ新設のマーケティング部は上手くいかないのか?〜営業にマーケティングを取り入れる3つのステップ
「マーケティングはBtoCの考え方だよね。
うちの会社はBtoBだから」とか、
「営業だからマーケティングは関係ない」
「広告もやっていないしね」
という会社が以前は多かったのですが、
ここのところ「法人営業にもマーケティングを取り入れよう」
必要性を感じて動く会社も増えています。
確かに、マーケティングはコーラなどのドリンクや、
自動車など"BtoC"、対消費者向けの考え方として、
発達してきたのも事実です。
では、営業にマーケティングは必要ないのでしょうか ?
法人営業とマーケティング
しかし、営業活動について考えてみると、
「誰に、何を、どのように、どれくらい、いつまでに」
買ってもらうかという 、
「売り込まずに売れる"一連の流れ"」を考えること、
すなわちマーケティング活動なのです。
経営の大家のドラッカーは、
「事業の目的は、顧客を生み出すこと」で、
「そのためにマーケティングとイノベーション」が、
必要だと言っています。
有名なマーケティングコンサルタントが、
USJや丸亀製麺を、マーケティングの力で、
事業再生したことも話題になりました。
ITの急激な進化や、コロナやウクライナ情勢など、
変化の時代の今、
世の中がマーケティングを今一度見直そう、
という空気になってきています。
このような中で、社長自らが、
「これからはマーケティングだ」と、
「営業部にマーケティングチームを新設したり、
「DXが必要だ、ITを導入しよう」と、
マーケティングオートメーションやSaaSを導入したり、
SNSを新たに始める会社も増えています。
また、「伸びている市場に何かやらなければ」と、
インサイドセールスやリモート営業を導入したりする会社も増えています。
新しいことにすぐに取り組む姿勢は重要です。
また、マーケティングを導入して、
成果を出している会社もあります。
一方で「やってみたけれどもうまくいかない」
「なかなか思ったような成果が出ないのです」と、
相談にいらっしゃる企業が多いのも事実です。
上手くいく会社とそうでない会社は、
何が違うのでしょうか?
ITやシステムの導入、新しい売り込みの導入、
組織を変えてみるなどの、
表面的なことや方法を変えてみただけで、
はうまくいかないのです。
これは、パソコンやスマホというハードを買っても、
ソフトやアプリがないと動きませんし、
その使い方がわからなければ、
やはりうまく使えないのと同じです。
営業は「人」が「人」に向けて行う仕事なのでなおさらです。
営業にマーケティングを注入する3つのステップ
先程の事例のように、
形だけ入れるのではうまくいかないのです。
会社の営業部門に、マーケティング的な顧客目線を注入するときに必要な事は、大きく分けて3段階で入れるのが良いでしょう。それは、
- WHY:なぜやるのかという理由・やる意義
- WHAT:何をやるのかという方針
- HOW:どうやってやるのかという具体的な施策
をこの順番で導入することです。
1. WHY 取り入れる意味
まずすべきは"なぜ営業にマーケティングを取り入れると効果が出るのか"という意味、やる意義をはっきりと定義します。
人は「これをやれ」と言われればまずはやりますが、
それでは"やるだけ"で終わってしまいます。
「マーケティングを取り入れると、自分の仕事がどうなるのか?」
「その結果、どんな成果が出るのか?」
が腹落ちしないと、続かないのです。
やる意義を明文化して、組織内に浸透させていくことで、社員全体が腹おちします。
そしてもう一つ重要なのが、
「マーケティングを営業に入れると、
うちの会社の営業はどうなるのか」という、
会社が目指すゴールとビジョンを提示することが重要です
2. WHAT 方向性を決める
そして、その理想の姿に向かってどんな方針で何をやるのか、
やりたい事の全体像といった大きな絵を描いていきます。
方向性や課題といった"戦略"をはっきりさせることです。
3. HOW 具体的な施策を決める
方針と戦略がはっきりしたら、
「誰が、何を、いつまでにやるか」
という行動計画を立てていきます。
その時に必要な事は、スーパー営業マンに頼るといった属人的な営業から抜け出せる仕組みを構築すること。
まずは"型"を作りそこから始め、
徐々に工夫を入れて改善していく、というステップがいいでしょう。
これが「誰がやっても最低限の成果を出せる」
「顧客の引き継ぎもスムースにできる」といった、
再現できる仕組みを作って実施するということが重要です。