マーケティングオートメーションとは?戦略構築、ツールの選び方、業者選別のポイントで法人営業を効率化させるには?

◾️ 【営業リーダー必見!】マーケティングオートメーションとは?

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マーケティングオートメーション、MAですね、を導入した企業の80%以上が、導入後12ヶ月以内に売上増加を実感しています。(元データ:https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/marketing-technology-market/market-trends)

MAを導入している企業は、そうでない企業に比べて平均の売上高も高く、またマーケティングのコストも削減できるという調査結果もあります。

一方で、導入したものの十分に活用できていない企業も多いのが現状です。
私のところに「MAをやっていますが上手くいかないんです」と相談をしに来る企業の中では、MAを「ソフトウェアによる営業管理だ」と"勘違い"しているケースも多いのです。

目次
  1. ◾️ 【営業リーダー必見!】マーケティングオートメーションとは?
  2. ◾️ マーケティングオートメーションで成果を出すには
  3. ◾️ マーケティングオートメーションによって解決できる営業課題
  4. ◾️ なぜ、マーケティングオートメーションが効果的なのか?
  5. ◾️ マーケティングオートメーションの事前準備〜目的と戦略構築
  6. ◾️ マーケティングオートメーションのツールの選定方法
  7. ◾️ マーケティングオートメーションツール導入時に何をやるのか?
  8. ◾️ 【事例と図解】マーケティングオートメーションのスコアリングと優先順位の付け方
  9. ◾️ まとめ

◾️ マーケティングオートメーションで成果を出すには

この誤解をなくすために、マーケティングオートメーションとは何を目指すのか、また、どんなことをするのかを定義していきます。

MAを「マーケティング活動を自動化し、効率化するための仕組み」と定義することも多いのですが、それだけではありません。MAは単なる効率化やシステム導入ではなく「見込み客、リードの獲得、育成、商談への誘導、既存顧客のフォローまでを、テクノロジーで自動化して効率化し、効果的なマーケティングを取り入れ営業の成約に繋げること」なのです。

したがって「効果的なマーケティングで、営業活動の生産性を上げること」が目的なのです。

◾️ マーケティングオートメーションによって解決できる営業課題

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次のような、営業での課題感がある場合、マーケティングオートメーションは効果的です。

見込み客(=リード、引き合い)の数が多い業種・企業

見込み客(=リード、引き合い)の数が多く、対応しきれない企業においては、マーケティングオートメーションの仕組み上で、顧客情報を自動で管理し、優先度の高い見込み客にマ優先順位をつけて対応することができます。 

顧客との関係性を深めたい企業

顧客の興味や関心に合わせて最適な情報を提供することで、顧客との信頼関係を築くことができます。 

営業担当者の負担を下げたい企業

営業担当者は、マーケティングオートメーションによって質の高いリードに集中することができます。

BtoBビジネス、法人営業のIT企業を事例に説明します。

A社は、SaaSを開発販売しているA社では、資料請求をしてきた見込み顧客を、メールマガジンなどで自動的にフォローし、体験版の試用の申し込みやトライアルへ誘導することによって受注を目指します。

製造業の事例では、展示会ブースで名刺交換した見込み顧客に、自動メールでアフターフォローを実施して、マーケティングオートメーションでつけたスコアの高い順からインサイドセールスをかける、といった具合です。

同様に、BtoCのビジネスでも有効です。

物販のECサイトの事例では、商品を閲覧したが購入しなかった顧客にリマインドメールを自動的に送信して、購買を促すことができます。

また、Eラーニングなどの教育サービスのような無形商材を販売する会社であれば、無料セミナーに参加した人に、コース登録を促す自動フォローメールを送り、開封した人や資料をダウンロードした人にインサイドセールスをかける、といった具合です。

◾️ なぜ、マーケティングオートメーションが効果的なのか?

なぜ、マーケティングオートメーションで効果的な営業活動ができるのでしょうか?

従来のマーケティング手法では、営業担当が見込み客をリストアップし、1件ずつフォローしていました。しかし、これは時間と労力がかかるうえに、対応のムラが出やすいという問題があります。いわゆる属人的になってしまうのです。

マーケティングオートメーションを使うことで、見込み客の興味や行動に応じて、最適なタイミングで適切な情報を提供できるため、顧客の興味を高めながら自然に購買へとつなげることができます。

一方で、マーケティングオートメーションを使わずに新規顧客を獲得しようとすると、飛び込み営業やテレアポなどの非効率な手法に頼ることになります。飛び込み営業とかテレアポを無作為で行うということは「海岸に行って魚を手づかみで捕まえようとするようなもの」です。偶然うまくいくこともありますが、労力がかかるうえに成果は不安定です。

マーケティングオートメーションを活用するのは「効率よく網を張って、狙った魚を確実に獲る」方法なのです。

見込み顧客の状態をデータで客観的に見ることで、戦略的なマーケティングができるため、見込み客を特定し、育成する仕組みが整って、営業が「温まったリード」のみをアプローチできるのです。

マーケティングオートメーションを上手く使うことで、営業の成約率を上げることができるのです。

◾️ マーケティングオートメーションの事前準備〜目的と戦略構築

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マーケティングオートメーション実装時には、SaaSのプログラムを導入する前に、目的と戦略を固めることが重要です。以下のように段階的に導入することで、営業の成果に繋げていくことができます。

1)目的を明確にする

マーケティングオートメーションで何を目指すのか?新規顧客を獲得することをメインにするのか、見込み顧客により詳しい製品情報を提供したいのか、既存顧客を維持したいのか、などを明確にします。

2)戦略を決める

目的を達成するための戦略、特にどの顧客層を狙うのかを明確にします。
顧客がどのようなステップで購買に至るかを整理していくことが効果的です。カスタマージャーニーを設計して顧客行動の見える化をすることが有効です。

カスタマージャーニーに関しては、以下の記事で詳しく説明をしていますので参考にしてください。
カスタマージャーニーの作り方を事例で解説〜作成ステップ、仮説の立て方、作成のポイント

3)コンテンツを準備する

メール、ホワイトペーパー、ブログなど、見込み顧客を獲得するために必要なコンテンツを用意します。自社だけが提供できる"キラーコンテンツ"を用意したいところです。
コンテンツマーケティングに関しては、以下の記事で詳しく説明をしていますので参考にしてください。
コンテンツマーケティングとは?なぜ、BtoBマーケティングに有効なのか?その理由とメリット・デメリット

◾️ マーケティングオートメーションのツールの選定方法

MAツールの選定、すなわちどの会社に依頼をするのか、が成否を大きく分けるポイントになります。逆にいうと、目的と戦略を固めてから、適切なMAツールを選定することが重要なのです。

HubSpot、Marketo、カイロス、サトリ、シャノンなど多くの優良企業がMAツールを提供しています。各ツールの提供企業には、得意・不得意なエリアがあるので、自社の目的に沿ったサービスを提供してくれるツールを選ぶことがポイントです。以下のような選択基準を設けて決めることをお勧めします。

  • 機能の充実度:メール配信、リードスコアリング、CRMとの連携など、自社の目的に合った機能が揃っているか
  • 使いやすさと導入のしやすさ:直感的なインターフェースで操作しやすいか、導入までのハードルが低いか
  • 拡張性と統合性:将来的にシステムを拡張できるか、既存のCRMや営業ツールと統合しやすいか
  • 価格とコストパフォーマンス:機能に対して適正な価格か、運用コストが見合っているか
  • サポート体制とセキュリティ:導入後のサポートが充実しているか、データ保護の仕組みがしっかりしているか

弊社の顧問先企業でも、それぞれの目的にあった異なるMAツール提供企業に依頼しています。どのツールがどのような特徴があり、どのような企業に向いているのか、についてご質問があればお答えしますので、以下のバナーをクリックし、弊社フォームからお問い合わせください。

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◾️ マーケティングオートメーションツール導入時に何をやるのか?

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ツールを選定したら、次に詳細な内容を固めていきます。このマーケティングオートメーションツール導入の具体的なステップを説明します。

1)顧客データの収集

見込み顧客の動きをデータで把握します。例えば、Aという人がどこ経由で自社サイトに来他のか、サイト上で何を見たのか、何をクリックしたか、という"サイト上での顧客の行動"を把握します。

2)スコアリング

その各顧客行動に点数をつけます。これをスコアリングと呼びます。自社にとってありがたい行動ほど多く点数をつけ、その点数を顧客ごとに累積します。溜まった点数が多いほど「うちの会社に興味があるな」と判断していくのです。

3)累積スコアごとに施策を打つ

興味度合いや内容ごとに分類し、どの顧客に何をすればいいか、を決めるための優先順位をつけます。これらの情報をもとに、顧客の興味に応じてパーソナライズドメールで資料を送ったりイベントの案内をしていきます。

◾️ 【事例と図解】マーケティングオートメーションのスコアリングと優先順位の付け方

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スコアリング、累積の方法、優先順位の付け方のステップを、建設部品や素材の製造業、BtoBビジネス、法人営業の事例で説明します。

1)データ収集とスコアリング

サイトを訪問してきたリードに点数をつけます。これをスコアリングと呼びます。
セグメンテーションのカテゴリーごとに、スコアリングをしていくのです。

属性のカテゴリーの場合、企業規模が大きい場合は10ポイント、中小企業なら5ポイントといった具合です。同じように自社にとって重要なセグメントごとにつけていきます。

この時に重要なセグメントは①インサイト〜顧客の本音と②顧客行動です。
インサイトは「顧客は今持っている課題感」や「自社にとって攻めやすいかどうか」、行動は自社がして欲しい行動をしてくれたかどうか、たとえば「資料請求」「セミナー参加」などです。

2)データの累計

次にリードごとに、つけた点数を累積していきます。例えば以下の表のA社の場合だと、企業規模が大きいので10P、職位が部長なので5P、今現在顕在化している課題があるので10Pだが攻略しづらそうなので5P、資料請求をしてくれたので10P、セミナーに3回参加したので15Pといった具合です。

3)優先順位の決定

そして、累積したスコアをもとに優先順位を決めます。

A社は55Pで、B社が40Pなのでこの場合では"A社の方を先に攻めればいい"という具合に営業の行動基準にしていきます。以降も累積していって、データベース化していきます。ポイントは、受注が終わっても続けることです。

ここで終わりではなく、成果を測定しながらPDCAを回すことが重要です。

最後に、マーケティングオートメーション導入の注意する点を挙げておきます。

  • 導入して終わりではない:継続的な運用と改善が必要
  • 顧客視点を忘れない:単なる自動化ではなく、パーソナライズされたコミュニケーションを意識する
  • 営業との連携が重要:マーケティング部門だけでなく、営業チームとの連携が必須。

◾️まとめ

MAは、営業業務の効率化だけでなく、パーソナライズされたコミュニケーションを取ることができるので、顧客との関係を作るのにも向いています。さらに、数字で効果測定もできるから、営業が属人的でなくなることもメリットです。

マーケティングオートメーションを正しく活用することで、効果的なリード育成が可能になり、営業の負担が軽減されますし、新規顧客獲得のコストを抑えながら、売上を向上させることができるのです。さらに、顧客と長期的な関係を築くことで、リピーターを増やすことができるということになります。

この記事については以下の動画でも説明していますので、参考にしてください。

執筆者

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役 理央 周(りおう めぐる)
石油会社、家電メーカー、大型車両メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、法人営業にマーケティングを注入する社員研修を提供。 2013年より2023年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で23冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典 

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