マーケティングの学び方〜マーケティングをマスターする5つのステップ

◾️ 【初心者必見!】マーケティングの身につけ方

「マーケティングは大事だと分かっているのですが、何から始めればいいのか分からないのです」
「マーケティングを学びたいので、一番いい本を教えてください」
という質問をよくいただきます。
 
フレークワークや書籍も大事ですが、マーケティングをものにするには「順を追って」学び身につけていくことをお勧めします。

この記事では、私の35年以上の実務経験から、マーケティングを効果的に学び、身につけるためのポイントをお話しします。

      目次
  1. ◾️ 【初心者必見!】マーケティングの身につけ方
  2. ◾️ マーケティングを身につけるステップ〜1)基礎固め
  3. ◾️ ステップ2)事例から学ぶ
  4. ◾️ ステップ3)実践する
  5. ◾️ ステップ4)アップデートする
  6. ◾️ ステップ5) 顧客視点を入れる
  7. ◾️ ステップ6) まとめ


身につけるということは、仕事で使える様になるという意味です。一朝一夕ではできないので、順を追って「こういうことするといい」というアイディアを出していきます。あなたの今の状況に応じてやってみてください。

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◾️ マーケティングを身につけるステップ〜1)基礎固め


マーケティングを身につける順番は、基礎固め、事例を知る、実際やってみる、アップデートする、顧客視点でものを見る、の5つです。マーケティングを身につけるためには、まず基礎を固めることから始めます。

 "一連の流れ"としてのマーケティング活動を理解しましょう。
マーケティングは、調査をやることでもホームページを作成することでもありません。収益を上げる計画を作り実践することなのです。
マーケティングの必要性と目指すところについては以下の記事を参考にしてください。
今、なぜマーケティングが必要なのか?

マーケティングの学び方 マーケティングの一連の流れ2.001.png

計画を作り実践をするために、戦略を立て、正しい戦略にするために情報収集をして分析をするのです。

次に、何のために、何をやることなのか?というマーケティングの定義を考えてみてください。「マーケティングとは何か?」という問いに答えられる様になるのが理想的です。

そして次には「S W O T分析」「マーケティングの4Pや3C」「STP分析」などマーケティングに必要なフレームワークを押さえておきたいところです。
4P、3C、S T P分析分析については以下の記事で説明していますので参考にしてください。

3C分析とは?分析の方法、集める情報、ポイントとステップ
マーケティングの4Pと4C分析
STP分析とは?目的、やり方、活用方法とAmazonの事例
 
基礎がためでは「しっかりと固める」ことがポイントです。
 
野球の練習の基礎は、素振りとキャッチボールですよね。
最初からカーブの打ち方とか、変化球の投げ方はやりません。
なぜなら、直球を打てない人は、変化球も打てないからです。

ただ、本を読んだり学校に行ったりして細かいところまで覚えたりする必要はありません。

情報を集めて分析する理由は何か?分析から得た気づきをどう戦略に反映するのか?戦略に沿った戦術はどう選ぶのか?といった一連の流れを把握することが大事です。基礎といっても範囲が広いので、やはり網羅された内容を学びたいところです。

私はマーケティングに従事したばかりの時に先輩に勧められたフォリップコトラーの「マーケティング・マネジメント」が、後々役に立ちました。
「ああ、SWOT分析ってこういう時に役立つな」と実務をやっている時に気づくことができたのです。教科書的な本なので少し読みづらいですがお勧めです。

理論なんて学んでも、仕事で使えないよね、と思うのは勿体無い話です。
逆に、手法だけ覚えても、あなたの仕事に当てはまらなかったら、それこそ無駄打ちになります。理論という抽象化されたことと、経験や実務という具体を行ったり来たりすることで、イレギュラーなことに対応できる力がつくのです。
 
また、一連の流れで学べる点が書籍のいいところです。ネットで1つずつ調べていると、手間もかかるし、バラついてしまって抜け漏れが出ます。

まずは、基礎を分かった上で応用していくのが、結局は近道です。基礎がしっかりしていればいるほど、あなたは正しい判断ができるようになるのです。

基礎は十分やってきた、という人は、次のステップに行ってください。

◾️ ステップ2)事例から学ぶ

基礎がためが終わったら、次は具体的な事例から学びましょう。
 
成功事例だけでなく、失敗事例からも学ぶことができます。

具体的な事例を学ぶには、企業のウェブサイトを実際に見てみるとか、
ケーススタディ、業界誌などがおすすめです。
 
特におすすめなのは、ハーバード・ビジネススクールのケーススタディです。
日本語のものも発行されているので、一度見て読んでみてください。

実際に企業が直面した課題を分析してあるので、自分なりの解決策を考えてみることで応用力がつきます。

会社員としてチームで働いているのであれば、チーム内のメンバー間でやるのも効果的です。

ケーススタディの活用事例:

あるカーエレクトロニクスメーカーの営業幹部研修で「ウーバーイーツ」のケースを使っての営業の研修をしたことがあります。営業部長12名を3つのチームに分けて「あなたのチームはウーバーイーツの日本担当です。日本進出のためのマーケティングプランを作ってください」というお題をグループでやるのです。半年かけて、基礎を学びながらプランのプレゼンを徐々に作っていく、という研修です。
 
他社の事例に例えつつ自社に落とし込みながら学ぶことで、実務での使い方も見えてくるのです

医療系機器の商社での営業研修で「高島屋」のケーススタディをやってもらいました。どちらも、自社とは違う業界のケースをやったのは「延長線上にない発想を生むため」です。

自社のビジネスとは違う業態のケーススタディーは、発想の転換にもってこいなのです。

リーダークラスの人材は、自社のことは分かり切っています。他業界の事例で学ぶと「実際に自分の業界にないけれど、当てはめられること」を発見できるのです。

◾️ ステップ3)実践する

マーケティングは机上の空論ではないので、実際に手を動かして学ぶことが大事です。なので、基礎と事例で、気づいたことを、実際の仕事でやってみるのが3つ目のステップです。
 
この時のコツは「小さくやってみる」ことです。

ECサイトでテスト的に商品画像を変えてみるとか、商談の時に気づいたことをやってみるといった具合です。

この時の大事なことは「結果に一喜一憂しないこと」そして「記録すること」、
3つ目は「仲間と共有する」ことです
 

◾️ ステップ4)アップデートする

小さい実践を積み重ねたら、次はアップデートいましょう。

学びをアップデートする癖をつけることが上達への近道です。

市場や顧客は、常に変化しています。この変化に敏感になる、というイメージを持ってください。
 
具体的にな、チーム内で業界誌を回し読みするとか、ネットニュースを意識を持って読むことから始めるといいでしょう。

DXやAIも含めた「新しいことを取り入れ」「新しい気づきを得て」「学びに付加価値をつける」ことを目指します。マーケターのブログやSNSをフォローしたりするのもおすすめです。中でも、マーケティング専門のニュースサイトやブログが有益です。常に新しい情報を入手することで、常に最新のマーケティングスキルを身につけることができます。
 
自分とは違う業界、違う職種のセミナーに出てみるのも発想の転換や新しい気づきになります。
 
目的を持って情報の入手やアップデートすることで効果を得られます。

◾️ ステップ5) 顧客視点を入れる


この1〜4のステップを繰り返しつつ、今も度、顧客視点に立って考えてみることをやってみましょう。
 
いうまでもなく、マーケティングは、顧客を理解し、顧客のニーズや課題を解決することが重要です。
 
ミーティングや商談とは別の機会に、顧客にインタビューをしたり、BtoCなであればアンケートを取ったり、店頭で顧客の自然な行動を観察したりすることも効果的です。
 
その時は「仮説を立てて」やることが必須です。

顧客観察の仮説構築の事例

私がラッキーストライクというタバコのブランドの担当者だった頃の事例で説明します。ターゲット層である20歳代前半の男性が、どのような価値観でどんなライフスタイルなのか?を知ることでより刺さる広告キャンペーンが打ちたかったのです。

この世代の男性は、当時食事をした後にクラブに踊りにいくだろう、と仮説を立て、実際に行って観察しました。そうすると、ライバルのマールボロを吸っている人たちは仲間同士で楽しく遊んでいるのに対し、ラッキーストライクスモーカーは1人の時間を楽しんでいるという姿を多く目にしたのです。こういう仮説からの観察による気づきを、広告キャンペーンのコンセプトに反映していくのです。

◾️ まとめ

マーケティングの身につけ方に王道はありません。「これだけやっておけばマーケティングが身につく」というような魔法の手法はないのです。
 
ぜひ、基礎を固めて、応用、実践、このステップやってみてください。

マーケティングは単なるツールではなく、ビジネスを根本から変える力を持っています。分析や戦略の立て方を、日々の業務に取り入れてみてください。失敗を恐れず、小さな成功を積み重ねることが大切です。

学びと気づきを習慣としてあなたの中に定着できると、マーケティングマインドが身についてきます。成功は時間をかけて築かれるのです。

執筆者

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役 理央 周(りおう めぐる)
石油会社、家電メーカー、大型車両メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、法人営業にマーケティングを注入する社員研修を提供。 2013年より2023年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で23冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典 

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