マーケティング志向のホームページの作り方とWebマーケティング担当者の育て方
◾️【経営者・C X O必見!】ホームページの誤解
多くの経営者が「ホームページを作ったのに、集客や売り上げに直結しない」と悩んでいます。これは「ホームページを作れば売れる:と誤解しているからです。
この誤解の背景にある理由を正しく理解して手を打つことで、より効果的なデジタルマーケティング戦略を立てることができ、ひいては売れるホームページの作り方がわかるのです。
- 目次
◾️ ホームページを作れば売れると誤解する理由
以下に、ホームページを作れば売れると誤解してしまう背景の理由をあげていきます。
ターゲットオーディエンスの理解不足
ホームページを設計する際に、ターゲットオーディエンスのニーズや行動を深く理解していないと、効果的な集客は難しいのです。
目的と手段が入れ替わる〜デジタルプレゼンスの重要性の誤解
デジタル時代において、オンラインでの存在感は非常に重要です。しかし、単にホームページを持つだけでは、自動的に集客につながるわけではありません。多くのビジネスパーソンは、ホームページを持つこと自体が目的になってしまい、その後の集客戦略を疎かにすることがあります。
SEO(検索エンジン最適化)の誤解
SEOが重要だと理解はしているものの、それが単にホームページを持つことで達成されると誤解しているビジネスパーソンもいます。SEOは、ホームページを作ってからが勝負なのです。継続的にアップデートしていくことと、コンテンツの質、キーワード戦略、ユーザーエクスペリエンスの最適化など、多くの要素を含んでいるのです。
ソーシャルメディアなど入口メディアとの連携不足
ホームページだけでなく、ソーシャルメディアやブログなどとの連携も集客には不可欠です。多くのビジネスパーソンは、ホームページとソーシャルメディアの相乗効果を見落としています。
コンテンツの質と更新の重要性の見落とし
検索エンジンに高く評価される効果的なホームページは、定期的に更新され、常に情報を最新の状態にしてあります。ターゲットオーディエンスが価値を感じる、読みたくなるコンテンツを持っている必要があります。しかし、多くのホームページ担当者は、一度作成したらそれで終わりと考えがちです。
データ分析と改善の不足
ホームページのパフォーマンスを定期的に分析し、必要に応じて改善することが重要です。しかし、このプロセスを怠るホームページ担当者も少なくありません。
これらの理由から、ホームページが自動的に集客につながるという誤解が生じます。ビジネスパーソンは、ホームページを戦略的に活用し、継続的な改善と分析を行うことが重要なのです。
◾️ なぜ、ホームページ担当者は誤解してしまうのか?
「フィールド・オブ・ドリームズ」という映画を知っていますか?この映画の中で、主人公が「もし野球場を作れば、彼らは来る(If you build it, they will come)」という声を聞いて、畑を野球場に変えるというストーリーなのです。
野球場を作っただけで、多くの人は観に来るでしょうか?野球場で試合があり、チーム名や料金もわからないと、いきたいとは思わないですよね。ホームページはこの野球場と同じで、作っただけでは誰も来ないのです。
ホームページがあれば自動的に売れるという誤解は、「種を蒔いたら自動的に豊かな収穫が得られる」と考える農夫のようなものです。ホームページは種、豊かな収穫はビジネスの成功、つまり売上や顧客獲得です。
農夫が種を蒔くように、あなたはホームページを立ち上げます。必要な最初のステップですが、それだけでは十分ではありません。育てることが必須です。いわば、マーケティング的な施策でホームページを成長させるのです。
種を蒔いた後に、農夫が水やりや肥料を与えなければ、作物は育たないのと同じ様に、ホームページを立ち上げた後にSEO、コンテンツマーケティング、SNSの活用などの適切なマーケティング活動を行わなければ、ビジネスは成長しないのです。
環境要因も無視できません。ビジネスにおいて市場の変化への対応を指します。農夫が天候や害虫駆除に手を打たないと、作物はうまく育たないように、ビジネスでも市場のトレンドやライバルの動き、顧客のニーズの変化など、外部環境に適応することが重要です。
農場での収穫は「売上」です。農夫が収穫を期待するように、ビジネスオーナーもホームページからの問い合わせ増や売上増を期待します。収穫を得るためには、常に畑に手を入れるように、売上を得るためには継続的な努力と時間が必要なのです。
◾️ 経営者とホームページ担当者はどう取り組んでいけばいいのか?
ホームページを作成したのに、思ったほど集客ができない、問い合わせが来ない、という問題を解決する前に、すべきことがあります。
それは「どんな姿勢で取り組むのか?」という点です。情報が溢れている今、誤解が生まれる理由を理解した上で、ホームページの修正や改善に取り組むべきなのです。
以下に、戦略立案の前にどんな姿勢で取り組むのか、というポイントを挙げます。
情報の過剰簡略化を間に受けない
「S N Sだけで集客できます」「ホームページをこう直せば売れる」というような情報が、S N Sなどネット上にあふれています。デジタルマーケティングに関する情報は、このようにしばしば簡略化され、ホームページがあれば自動的に集客につながるという誤解が生じます。特に、マーケティングの基本的な知識がないホームページ担当者にとって、このような簡単な解釈は魅力的に映ってしまうのです。
成功事例を誤解しない
成功したビジネスの事例を見ると、その成功がホームページの存在によるものと誤解されがちです。しかし、その成功事例はその企業が持つ特有の理由によるものです。成功の背後には綿密な戦略、コンテンツの質、SEO、ソーシャルメディアの活用など、多くの要因が関わっているので、そのまま同じことを真似しても上手くいきません。事例は、あくまで参考に留めておくことが重要です。ビジネスでは特に、自分で試行錯誤した成功や失敗事例からしか学べないのです。
マーケティングの全体像の理解不足: マーケティングはホームページだけではなく、市場調査、ターゲットの特定、ブランディング、コンテンツ戦略、顧客エンゲージメントなど、多岐にわたる活動を含みます。これらの全体像を理解せずにホームページの重要性だけを強調すると、誤解が生じます。
依頼する専門家を間違えない
ホームページでの成果が出ていないと、どうしてもホームページ作成の企業や専門家に依頼をしがちです。しかし、手法やホームページを修正する前に「自社でのホームページの役割」「どんな戦略で何を目指すのか」「ゴールとK P Iの設定」など戦略的な方向性を定めてから、具体的に作成、修正をしていくのが効果的です。いきなり、制作会社に依頼する前に、戦略構築や仕組み構築の専門家に相談してみることも検討すべきなのです。
デジタルマーケティングの急速な進化
デジタルマーケティングは想像以上のスピードで進化しています。最新のトレンドや技術を追い続けるのは困難です。そのため、古い情報や半分しか理解していない情報に基づいた誤解が生じてしまうのです。
これらの理由により、ホームページが集客に直結するという誤解が生じることがあります。ビジネスパーソンは、ホームページを含むデジタルマーケティングの各側面を理解し、統合的なアプローチを取ることが重要です。
◾️ 成果が出るホームページにするためのステップ
ホームページがあれば売れるという誤解を打開し、効果的なホームページを構築するには、特にホームページのコンセプトを明確にすることが重要です。その上で具体的なステップを踏むことで、ビジネスの成功につなげることができます。
1. ホームページのコンセプトを明確にする
ホームページの役割や目的を明確にしないと、訪問者が混乱し、期待する成果を得られません。コンセプトを明確にする際には、以下のポイントを考慮します:
ターゲットオーディエンスの特定: 誰に向けたホームページなのかを明確にします(例:製品を探している顧客、サービスを比較している法人)。
目的の明確化: ホームページの目的は何かを決めます(例:問い合わせを増やす、商品を購入してもらう、資料請求を促す)。
独自の価値提案(UVP: Unique Value Proposition): 他の競合と何が違うのか、なぜ自分たちを選ぶべきなのかを明確に伝えます。
2. 明確なコンセプトを基に設計する
コンセプトを基にして、ホームページの設計を進めます。
シンプルで使いやすいデザイン:
ユーザーが必要な情報を迷わず見つけられるようにします。
直感的なナビゲーション:
ユーザーが目的のページに素早くたどり着けるように、ナビゲーションメニューを整理します。
コンテンツの分かりやすさ:
専門用語を避け、ターゲットに合わせた言葉で簡潔に伝えます。
3. ターゲットユーザーに合ったマーケティングを組み込む
ホームページだけでなく、訪問者を引きつけ、行動を促すマーケティング戦略を実行します。
SEOの実施:
キーワード調査を行い、ターゲットユーザーが検索しそうな言葉をホームページに取り入れます。
ソーシャルメディア連携:
ホームページへの訪問を促すために、FacebookやInstagramなどのSNSでアクティブに発信します。
Eメールマーケティング:
ニュースレターを活用して、訪問者に再訪してもらう仕組みを作ります。
4. データを活用して改善を続ける
ホームページは完成したら終わりではなく、継続的な改善が必要です。
アクセス解析ツールの活用:
Google Analyticsなどを使い、訪問者の動きや人気のページを把握します。
A/Bテスト:
複数のデザインやコンテンツを試し、どちらがより効果的かを確認します。
顧客のフィードバック: アンケートやレビューを通じて、ユーザーが感じた改善点を反映します。
5. 顧客エンゲージメントの強化〜継続的な価値提供で信頼を築く
最終的に、訪問者が「また来たい」と思えるホームページを作ることが大切です。
定期的なコンテンツ更新:
ブログ記事やニュースを定期的に追加し、ユーザーに新しい情報を提供します。
顧客の成功事例やレビュー:
実際の顧客が得た成果を紹介することで、信頼性を高めます。
サポートの強化:
問い合わせ対応をスムーズにし、ユーザー体験を向上させます。
6. ホームページをビジネスの中核に位置付ける
ホームページを単なる情報提供のツールではなく、ビジネスの成長を支える中核的なプラットフォームとして活用します。
オンラインとオフラインの連携:
実店舗やイベントとの連携を図り、ホームページが集客のハブになるようにします。
顧客データの一元化:
ホームページを通じて収集したデータを分析し、営業やマーケティング活動に活用します。
7. 最重要課題:人材の育成
ホームページ運営を成功させるには、デジタルマーケティングの知識を持った人材が不可欠です。以下の点を重視して人材育成を行いましょう。
スキルの習得:
SEOやコンテンツマーケティング、データ分析ツール(Google Analyticsなど)の運用スキル。
SNS広告の運用スキルや顧客コミュニケーションスキル。
継続的な学習:
デジタルマーケティングのトレンドは急速に変化します。社員が最新技術や手法を学べる環境を整えましょう。
組織文化の醸成:
ホームページ運営を単なる「作業」としてではなく、ビジネス成功のための重要な柱として位置づけます。
全社員が顧客視点を持ち、情報発信に積極的に関わる文化を作ることが重要です。
◾️ まとめ
ホームページは「作って終わり」ではなく、継続的な努力と戦略的な運用が必要です。特に、人材の育成によってスキルの向上と組織全体のマーケティング力を高めることが、成功へのカギとなります。この取り組みが、ホームページを単なる存在から、ビジネスの成長を支える重要な資産へと変えるのです。
執筆者
石油会社、家電メーカー、大型車両メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、法人営業にマーケティングを注入する社員研修を提供。 2013年より2023年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で23冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典
ホームページに集客したい、新規事業を立ち上げたい、マーケティング人材を育てたい、など、
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