「構造化」で 営業やマーケティングの課題を解決:成果を出せる思考の整理方法

◾️ 戦略を考えるときに有効な構造化

営業部全体の数字が落ちてきているけど、どこからどう手をつければいいのわからない
新規事業の立ち上げを任されたんだけど、どう進めていけばいいのかわからない

営業やマーケティングで出てくる、こういう大きめで抽象的ないろんな問題を抱えることはよくあります。 
モヤっとしていることや曖昧なことを整理整頓する時は、構造化をしてみるといいのです。
 
構造化というのは、大きな問題や情報を、小さくて扱いやすい部分に分けることです。手に負えないような大きな問題は、複雑なジグゾーパズルを解くようなものです。パズルの全体像を理解するために、まず小さなピースに分けて考えることと似ています。そのピースがどのように組み合わさるかがざっくりとわかると、全体の絵が見えてきます。
 
同じようにマーケティングやビジネスの問題も、構造化することで、問題そのものをまずは理解して、その後に効果的に対処する方法を見つけることができます。

◾️ ビジネスの構造化は思考の整理整頓

構造化をすることは、汚れた部屋の掃除に似ています。

部屋全体を見たとき、散らかりすぎていてどこから手をつければいいかわからないかもしれません。行き当たりばったりでやっていると、いつまで経っても終わらないですよね。整理整頓したい時は、整理と整頓を一緒にやってはダメなのです。まず先に整理する、それから整頓すると効率よく、正確にできるのです。
 
散らかっているものを、カテゴリーごとに分けることをするのですよね。部屋に無造作に置いてある多くのものの中から、まず服を片付け、次に本を棚に戻し、最後におもちゃを箱に入れるなどカテゴリごとに片付けを進めると、効率的に綺麗な部屋にすることができます。
 
このように、大きな問題も小さな部分に分けて取り組むことで、全体をうまく整理し、解決へと導くことができるのです。

構造化とは、思考を整理整頓する方法なのです。
 
逆に、問題を構造化せずにマーケティングに取り組むことは、レシピなしで複雑な料理を作るようなものです。
 
材料は全て揃っているものの、どの順番でどのように材料を組み合わせ、どれだけの時間調理すれば良いのか全くわかりません。
 
その結果、料理のプロセスは試行錯誤の連続となり、時間と材料を無駄にすることになるかもしれません。最終的には、何か食べられるものができるかもしれませんが、それが目指した料理の品質や味を満たしているとは限りません。
 
このように、マーケティングにおいても、戦略や目標が明確に定義されていない場合、チームは方向性を失い、効率的に目標に向かって進むことができません。市場のニーズや競合分析などの重要な情報を無視して製品やサービスを推進すると、顧客の期待に応えられず、市場での成功を逃すリスクが高まります。
 
また、レシピがない料理と同じ様に、途中で修正を加える必要が生じたときに、どの部分をどう調整すれば全体のバランスが取れるのか判断が難しくなります。
 
マーケティングでも、戦略が不明確であれば、市場の変化や予期せぬ挑戦に対して柔軟に対応することが難しくなります。

問題を構造化することは、成功への道を照らすレシピを作ることに似ています。明確なガイドラインがあれば、チームは一貫した方向性で進み、リソースを最大限に活用し、市場での成功を実現する可能性が高まります。

◾️ もし構造化せずに複雑な問題に取り組むとどうなるのか?

構造化せずに行き当たりばったりでマーケティングや営業をすると、いろんな問題が起こりがちです


リソースの無駄遣い: 

明確な計画がないため、ヒトモノカネ、時間、情報といった貴重な経営資源を無駄に消費することになります。


目標達成の遅れ: 

方向性が定まっていないため、目標に到達するのに必要以上に時間がかかったり、最悪の場合、目標を達成できないことがあります。


市場のチャンスを逃す: 

市場のニーズや競合の動向に対する洞察が不足しているため、ビジネスチャンスを見逃したり、市場の変化に対応できなくなります。

 
ビジネスの成長が妨げられる: 

リソースの無駄遣いと目標達成の遅れは、企業の成長機会を逃す結果につながります。
投資の回収が遅れたり、利益の増加が見込めないため、ビジネスの拡大が困難になります。


ブランドイメージの損傷:

市場のニーズに合った製品やサービスを提供できない、
市場の変化に迅速に対応できない企業は、顧客からの信頼を失いかねません。
これは、長期的にブランドイメージの損失につながり、新規顧客の獲得や既存顧客の維持が難しくなります。 


競争力が低下:

行き当たりばったりのアプローチは、競合他社に比べて効率的な戦略を立てられないことを意味します。これにより、市場での競争力が低下し、シェアを失う原因になります。特に、市場のニーズやトレンドを先読みして革新的な解決策を提供する競合に対して、後れを取ることになるでしょう。

◾️ マーケティング企画立案の時の構造化の事例

では、マーケティングにおいて思考の整理としての構造化の事例を4つあげていきます。

それぞれ、事例の背景にある課題感、どうやって構造化するかというプロセス、構造化の効果に分けて説明していますので、問題点、課題感に応じて参考にしてみてください。

1. 新製品の市場導入

事例の背景: 企業が新製品を市場に導入しようとしているが、ターゲット顧客や価格設定が曖昧な状態だった。

構造化のプロセス:
1.    ターゲットの特定: 市場セグメンテーションを行い、製品が最も役立つ顧客層を明確化。
2.    競合分析: 競合製品の特徴や価格、プロモーション方法を整理して比較。
3.    マーケティングミックスの最適化: 製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4Pを組み立てる。

効果: 製品と市場のマッチングが強化され、無駄な施策を省き、効率的な市場導入が可能になります。

2. 営業戦略の最適化

事例の背景:
営業成績が伸び悩んでいる企業が、効果的な営業戦略を構築しようとしている。

構造化のプロセス:
1.    パフォーマンス分析: 営業データを分解して、どのプロセスに課題があるのか特定。例:訪問数が少ない、成約率が低いなど。
2.    目標設定: 月次、四半期、年間での具体的な目標を設定。例:新規顧客の獲得件数や売上目標。
3.    アクションプラン: 営業チームごとに訪問計画、フォローアップの手順、役割分担を明確化。

効果:
データに基づいた改善と具体的な行動計画により、効率的に成果を向上させることが可能になります。

3. デジタル広告キャンペーンの最適化

事例の背景:
SNS広告や検索広告を運用しているが、コンバージョン率が低く、改善点が不明。

構造化のプロセス:
1.    データ分析: 広告のクリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、リーチ数などの数値を分解し可視化。
2.    顧客行動の把握: 広告の各ステップ(表示、クリック、購入)での課題を特定。
3.    ABテスト: 広告の画像、コピー、ターゲティング条件を1つずつ変更し効果を測定。

効果:
課題が明確になることで、無駄な広告費を削減し、より効果的なキャンペーンを展開できる。

4. 顧客ロイヤルティプログラムの設計

事例の背景:
リピーターを増やしたいが、どのような施策を採用すれば効果的かわからない。

構造化のプロセス:
1.    顧客セグメンテーション: 購入頻度や金額に基づき顧客を分類。例:ロイヤル顧客、一度購入者など。
2.    インセンティブの設計: 各セグメントに最適な特典を設計。例:VIP顧客には専用特典、新規顧客には割引クーポン。
3.    KPIの設定: プログラムの成果を測定するため、リピート率や顧客生涯価値(LTV)を追跡。

効果:
顧客のロイヤルティが向上し、安定的な売上基盤の構築が期待できる。

マーケティングや営業で成果を上げるためには、問題を構造化し、課題を明確にしてから最適な解決策を導き出すことが不可欠です。このアプローチにより、無駄を排除し、市場ニーズに的確に応える戦略が構築できます。構造化は、成功へのロードマップを描き、顧客との価値ある関係を築く鍵となります。

この記事の内容を動画で説明しています。こちらも参考にしてください。

マーケティングアイズ株式会社 理央 周

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