収益の改善や新規顧客獲得に効果的なビジネスモデルの再検討と再構築

◾️ ビジネスモデルを再検討する意味

売上や利益が数年間横ばい、または減少している
成長の限界を感じ、新たな市場や顧客層へのアプローチに苦戦している
コストが上昇しているのに、収益性が改善されていない

これらの悩みは、ビジネスモデルを構成する顧客、価値提案、チャネル、収益モデルなどの見直しや改善によって解決の糸口を見つけることができます。

特に、変化の激しい市場環境では、定期的なビジネスモデルの再検討が企業の成長と持続可能性を支える重要なステップです。

ビジネスモデル自体はよく聞く言葉ですが、いざ説明してと言われても意外と難しいものです。

ビジネスモデルとは、企業がどのようにして利益を上げ、事業を継続していくかを示すモデル、
すなわち「仕組み」です。

経営資源を全て使って仕組み化するので、私が、著作やこの動画でいつも言っているマーケティング=「売れる仕組み」に、人と金をプラスする「事業全体の仕組み」のことです。

この記事では、

  • ビジネスモデルの再検討でできること
  • ビジネスモデルとは〜定義
  • ビジネスモデルは何でできているのか?中身は?
  • 再構築に有効なビジネスモデルキャンバス

について説明します

◾️ ビジネスモデルの再検討でできることは?

ビジネスモデルを見直すことで、何を目指すのか?を、まずは明確にすることが重要です。そのためには、逆にビジネスモデルの再検討でできることを把握しましょう。

競合との差別化ができる:

業界にない新しい仕組みのビジネスモデルを構築できると、競合他社との違いが明確になり、持続可能な差別化ポイントになります

新しい事業機会を発見できる:

自社の事業アセットを見直し、組み直すことで、既存の事業モデルを改善したり、新しいビジネスモデルを創出したりすることができます

投資家への説得力ある説明ができる:

模倣ができず、市場でも稀なビジネスモデルを構築し、事業計画を具体的に説明できれば、投資を呼び込むことができます。


どんな仕組みを作るべきなのでしょうか?ビジネスモデルを構築する、または再検討する時に、まず考えるべきは以下の3点です。

事業の方向性: 

明確なビジョンと戦略があるかどうか、長期的な成長を目指すことができる方針なのか

経営資源の有効活用:

どこに資源を集中させるべきかを明確なのか、効率的な運営を実現できるのか

顧客ニーズへの対応:

顧客のニーズを理解できているか、適切な価値を提供できているか

この3点が明確な仕組みが、競争で優位に立てるビジネスモデルなのです。

◾️ もしビジネスモデルが機能不全だとどうなるのか?

逆にビジネスモデルがうまく機能していないままビジネスをやっていくと、どうなるのか?を考えてみましょう。

ビジネスモデルがあやふやなままで事業を進めていくことは、風任せで漂う船のようなものです。

明確な航路がない

明確な航路がないということは、外海に出航する時に航路や地図がわかっていないということは、風に流されて漂流する船のようなものです。

同じように、ビジネスモデルがはっきりしないと戦略や方向性も不明確になり、変化や競争に対応することが難しくなります。そして、組織としてどこを目指せばいいのか分からなくなっているということになってしまいます。

資源の効率的な活用ができない

風任せの船では燃料や食料の使い方が計画的でないため、長期間の航海に必要な物資が不足しがちです。

同じように、ビジネスモデルの焦点がぼやけていると、経営資源をどこに集中させるが不明確で、ヒトモノカネの投資対効果が低くなってしまいます。

◾️ なぜ、ビジネスモデルが重要なのか?

ここでもう少し詳しくビジネスモデルを定義していきます。

ビジネスモデルとは、

  • 企業がどのようにして顧客に価値を提供し
  • 収益を生み出しながら
  • 持続可能な事業を運営するかを示す仕組み

です。

事業のビジネスモデルがうまく回るということは、自社の組織、マーケティング、製品、資金がうまくかみ合い、収益も好転していく引き金になります。

そして、中長期的には以下のようなメリットが得られるのです。

1.    顧客との強固な関係構築

顧客ニーズへの的確な対応: いいビジネスモデルは、顧客のニーズを深く理解し、それに合った商品やサービスを提供します。これにより、顧客の満足度が高まり、リピーターが増えやすくなります。
差別化: 競合他社との差別化が図れるため、顧客の選択肢を増やし、自社製品やサービスを選んでもらいやすくなります。
ブランド力の向上: 顧客との長期的な関係構築により、ブランド力が向上し、顧客からの信頼を得ることができます

2. 事業の安定性向上

リスクの分散: 複数の収益源を持つなど、リスクを分散することで、景気変動や競合の動向などの外部環境の変化に強い事業体を作ることができます。
効率的な運営: 業務プロセスを最適化することで、コスト削減や生産性向上を実現し、収益性を高めることができます。
スケーラビリティ: 事業規模を拡大しやすい構造になっているため、成長機会を最大限に活かすことができます

3. 持続可能な成長

イノベーションの促進: 顧客のニーズの変化や市場環境の変化に対応するため、常に新しいアイデアを生み出し、事業を進化させることができます。
社会への貢献: 社会課題の解決に貢献するようなビジネスモデルは、社会からの支持を得やすく、長期的な成長につながります。
従業員のモチベーション向上: 意義のある事業に貢献しているという意識が従業員に生まれ、モチベーション向上につながります


その中身は、顧客、価値提案、収益源、リソース、活動などの要素が一体となって成り立っています。

この1つ1つを精査していくといいでしょう。

◾️ ビジネスモデルを構成する要素

ビジネスモデルは、以下の要素から構成されています。

  • 顧客: 誰に商品やサービスを提供するのか
  • 価値提案: 顧客に提供する価値(商品やサービス)
  • チャネル: 顧客に価値を提供する方法(販売経路など)
  • 顧客関係: 顧客との関係性(販売後サポートなど)
  • 収益源: 収益を得る方法(商品販売、サービス料金など)
  • キーリソース: 事業に必要な資源(人材、技術、ブランドなど)
  • キーアクティビティ: 事業を行うために必要な活動(生産、マーケティングなど)
  • パートナーシップ: 事業を成功させるために協力するパートナー

これを事例で考えていきましょう
例えば、あるコーヒーショップのビジネスモデルは、以下のようになると考えられます。

  • 顧客: コーヒー好き、カフェでくつろぎたい人
  • 価値提案: 高品質なコーヒー、居心地の良い空間
  • チャネル: 店舗、オンラインストア
  • 顧客関係: ポイントカード、会員制
  • 収益源: コーヒー販売、フード販売
  • キーリソース: コーヒー豆、バリスタ、店舗
  • キーアクティビティ: コーヒー豆の仕入れ、コーヒーの抽出、店舗運営
  • パートナーシップ: コーヒー豆の生産者、コーヒー器具メーカー

これらを一覧にするのが、ビジネスモデルキャンバスです。

ビジネスモデルキャンパス ワークシート.001.png

ビジネスモデルを再検討するときには、まず自社の現状を正しく把握することが必須です。
このビジネスモデルキャンパスワークシートの各項目に入れ込んでみて、まずは現状を見える化してみてください。

次に、今はやれていないけれど必要なことを見つけ、各部署と連携して、資金調達・マーケティング・バリューチェーンを刷新していく、という手順で進めていくといいでしょう。

さてどうでしょうか?ビジネスモデルの重要さ、腹落ちしましたか?
あなたも自社の収益を好転させるために、ビジネスモデルをもう一度チェックしてみてください。

この記事の内容を動画で説明しています。こちらも参考にしてください。

マーケティングアイズ株式会社 理央 周

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