デジタルマーケティングとオフラインマーケティングの効果的な組み合わせ方
◾️ デジタルマーケティングをものにするには何をすればいいのか？
デジタルマーケティングを始める方がいいのか？
デジタルマーケティングを始めたいけれど何からやればいいのか？
ホームページはあるけれど集客ができていない
今、デジタルマーケティングは企業にとって欠かせない手法です。一方で、
「今から始めるべきなのか迷っている」とか、
「デジタルマーケティングとひとことで言っても幅広くて、どこからどう手をつけていいのか分からない」
と悩む企業も少なくありません。
なぜなら、ビジネス書やネット上にデジタルマーケティングの情報が溢れているので、何が正しいのか、分かりづらいためです。
デジタルマーケティングをものにするには、何をやるか？という手法より先に、
- デジタルマーケティングとは何で、
- 自社のために何ができるのか？
- どう使うと効果的なのか
を腹落ちさせないとうまくいきません。
そこでこの講座では、デジタルマーケティングを理解するために、
- デジタルとオフラインマーケティングの関係
- デジタルマーケティングでできることは何か
- オフラインマーケティングの罠の事例
- オフラインとデジタルの比較
についてお話ししていきます。
◾️ デジタルマーケティングとオフラインマーケティング
まず、デジタルマーケティングが一般的になる前に使われてきた伝統的なマーケティング手法を、オンラインを使わない、という意味のオフラインマーケティングと呼びましょう。
オフラインマーケティングとは、インターネットが普及する前から使われていたメディア、
例えば、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、屋外広告、ダイレクトメールなど、を使う手法です。
ターゲット層に幅広くリーチすることで、ブランド認知を上げたり製品の普及を目指します。
一方でデジタルマーケティングは、インターネットやスマートフォンを駆使するマーケティング手法です。
A I活用、ソーシャルメディア、SEO（検索エンジン最適化）、Eメールマーケティング、
オンライン広告、モバイルマーケティングなどがこれに当たります。
デジタルマーケティングの特徴は、ターゲットとなる顧客層へより効率的に、パーソナライズされたアプローチができることです。デジタル上では、データを取得できるので、効果測定も可能です。
◾️ デジタルとオフラインマーケティングの役割
次に、この２つがマーケティング全体の中で、どのような役割をするかを考えていきましょう
マーケティング戦略は「何を、誰に、どうやって」買ってもらうかの、それぞれ、プロダクトの差別化、ターゲット設定、顧客コミュニケーションです。
その顧客コミュニケーションの中に、オフラインとデジタルがあるのです。
マーケティング戦略とこの２つの関係性は以下のようになります。
ではこの２つの違いを考えていきましょう。
ターゲット層とパーソナライズ
まずは、誰に届けるか、というターゲットの決め方です。
クラシックなマーケティングは広く届けようとするので、ターゲットを絞ることには限界がありますよね。
デジタルマーケティングではその逆に、ターゲットを絞り込んで、より特定したメッセージを届けます。また、データをフル活用できるので、分析しながらターゲットが何が好きで、どう動くのかを把握しながら、よりパーソナライズされたメッセージを発信できます。
コストとROI（投資収益率）
クラシックなマーケティングでは、特にテレビや印刷する紙のメディアの広告は製作費もメディア代もかかります。そしてROIの計測も、難しいのが現実です。
デジタルマーケティングでは、より低コストで始められるので、新規事業立ち上げや、小規模なビジネスに向いています。また、データが取れるので、効果測定も正確にできますし、ひいてはROIも測れるので、キャンペーンの効果をリアルタイムで追跡し調整することができます。
顧客からの反応、エンゲージメント
クラシックなマーケティングでは、企業からターゲット層に向けて一方向でのコミュニケーションになるので、発信したメッセージを見た人からの直接の反応やフィードバックを得るのができません。
デジタルマーケティングでは、メッセージを見た人との双方向のコミュニケーションができますし、リアルタイムのフィードバックも得られます。ソーシャルメディアでのエンゲージメント、いいねやシェア、コメントなどがこれに当たります。
（顧客エンゲージメントについてはこちらの記事を参照ください
→ 売上増、集客アップにつながる顧客エンゲージメント〜顧客満足度、顧客ロイヤルティとの徹底比較）
オフラインマーケティングとデジタルマーケティングの違いを、魚を取る漁に例えてみます。
オフラインマーケティングは「大漁船」に例えることができます。この大きな船で広い海域を一度に漁獲して、多くの魚を捕まえることを目指します。
漁師（マーケター）は、広範囲の網（広告メディア）を使って、さまざまな種類の魚（顧客）を一度に捕まえようとします。でも、狙った特定の魚、マグロだけ、とかを選んで捕ることは難しく、多くの経営資源と労力も必要になります。
漁の結果（ROI）は、帰港してからの総重量でしか分かりません。
一方、デジタルマーケティングは「ルアーフィッシング」での魚釣りのようなものです。
熟練したフライフィッシャー（デジタルマーケター）は、特定の魚種（ターゲット顧客）を狙って、精密にデザインされたルアー（カスタマイズされた広告）を使用します。
彼らは水流や魚の行動を細かく観察し（データ分析）、一匹一匹を狙って釣り上げます（パーソナライズされたマーケティング）。この方法では、どの魚がどのルアーに反応したかを正確に知ることができるから、効率的で戦略的な釣り（キャンペーン管理）ができます。
◾️ 【事例】オフラインとデジタルの効果的な組み合わせ方
オフラインマーケティングだけに頼ると、陥ってしまう「罠」があります。
一方通行のコミュニケーションなので、顧客のニーズやフィードバックを把握しにくくなります。広い層を対象にするため、ターゲット層に合わせたパーソナライズされたアプローチを取りにくくなります。そうなると、焦点がぼやけてしまい、お客様の心に刺さらないメッセージになってしまいます。
また、オフラインマーケティングでは、成果を正確に測定することは難しいので、
キャンペーンの効果が測定しづらいです。
コストも高いので、予算が限られた中小企業やスタートアップ、新規事業立ち上げには、大きな負担となることがあります。
こういう罠にハマらないために、オフラインマーケティングとデジタルマーケティングと組み合わせて、多角的なアプローチでやるのが大事です。
例えば、デジタルマーケティングでクラシックなマーケティングの失敗をカバーする事例について考えてみましょう。
ある消費財メーカーが新製品の市場投入に際して、大規模なテレビ広告キャンペーンを展開しました。でも、ターゲットとなる若年層がテレビを見る頻度が低いため、広告のリーチが不十分で、予想された売上に達しませんでした。
さらに、広告の内容がターゲット層の価値観や関心事に合っていなかったため、製品への関心も高まらない、っていうことがよくあるのです。
この失敗を受け、企業は戦略をデジタルマーケティングにシフトしました。
まず、ターゲット顧客のオンライン行動と好みを分析しました。
この情報をもとに、SNS、YouTube、インフルエンサーマーケティングなどで製品に関するコンテンツを発信しました。特に、影響力のあるインフルエンサーを起用して、製品の特徴や利用シーンを自然に紹介することで、ターゲット層の関心を引きました。
加えて、ターゲット層のオンライン行動パターンを反映し、製品に関するカスタマイズされたメッセージを提供しました。SNSで双方向のキャンペーンを実施し、顧客との直接的なコミュニケーションを撮ったりもしました。
デジタルマーケティングで顧客と双方向にコミュニケーションして、より深い顧客関係作ります。
ソーシャルメディアやオンラインイベントで、顧客の声を直接聞き、即座に対応するとかできますよね。
デジタルマーケティングは、データと分析をしながら、狙った顧客セグメントを狙い撃ちにすることができます。パーソナライズされたコンテンツや広告で、よりお客様と自社の関連性があるメッセージを届けることができます。
デジタルマーケティングではキャンペーンの成果をリアルタイムで追跡し、測定することができまるので、ROIを正確に計りながら、必要に応じて戦略を柔軟に調整することが可能になります。
コスト効率もアップできます。デジタル広告は一般に低コストで実行できますよね。
ソーシャルメディア、SEO、メールマーケティングで、効果的なリーチができて、
コストも下げることができるのです
このように、デジタルマーケティングはクラシックなマーケティングの限界を補完し、より効率的で対応力の高いマーケティング戦略を実現します。このようにデジタル手法を統合することで、全体的なマーケティングの効果を高めることができるのです。
この事例では、デジタルマーケティングを通じてターゲット顧客の行動と関心を深く理解し、パーソナライズされたアプローチを取ることでクラシックなマーケティングの失敗を克服しました。また、リアルタイムでのデータ分析とフィードバックを活用することで、戦略を迅速に調整し、製品の露出と関心を効果的に高めることができました。
◾️ デジタルマーケティングとオフラインマーケティングのまとめ
ではこの比較をまとめていきましょう。
マーケティングでのメディアは大きくオフラインとデジタルに分かれます。
この表は、クラシックとデジタルマーケティングの比較を項目ごとに一覧表にしています。
この図を、あなたのビジネスでのデジタルマーケティングの参考にしてください。
また、デジタルマーケティングを推進していく上で、重要なチェックポイントがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→ デジタルマーケティングを成功に導く５つのチェックポイント
この記事の内容を動画で説明しています。
マーケティングアイズ株式会社 理央 周
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