大阪王将の羽根つきスタミナ肉餃子はなぜ売れたのか?:分析を売り伸ばしに活かす方法

「大阪王将」を運営する、
イートアンドホールディングス(HD)の傘下企業が作っている、
冷凍ギョーザの販売数が、
2022年6月に前年同月比25%増と売り伸ばしました。
中でも、「大阪王将 羽根つきスタミナ肉餃子」という、
ニンニクのパンチの効いた餃子が人気とのことです。
この餃子は、主軸商品の「大阪王将 羽根つき餃子」と比べて、
ニンニクを2倍に増量しているのが特徴です。
私も、餃子とニンニクを使った料理はどちらも好きなので、
このニュースを見て、思わず食べたくなりました。
確かに暑い時期にニンニクの餃子を食べると、
スタミナがつく気持ちになります。
意外だったのが、この商品の購買層です。
40~60代を中心に女性の支持が伸びているとのこと。
日経MJによると、王将も男性をターゲットと想定していたそうで、
女性購入者は全体の2割くらいだと踏んでいました。
ところがふたを開けてみると、
女性の購入率は54%だったとのこと。
半分以上です。
お客様の声を聞いてみたところ、
「このところマスクをして仕事に出たりするので、
もしニンニクを食べたとしても口臭が気にならない」
といった声があったそうです。
コロナ前までは、出勤や商談がある時などは、
にんにくの匂いが気になるので、
平日に餃子を食べるのを避けることもありました。
しかし、コロナ禍でマスクをするようになり、
以前ほどは、口臭を気にしなくてもよくなりました。
オンラインでのワークであれば尚更です。
人々の生活様式が変わり、"売れる餃子"の種類にも影響が出た、
ということです。
想定以上に売れた時にはこの事例のように、
「なぜ売れたんだろう」と、
売れた理由を分析をして、
次に活かすことが重要です。
営業やマーケティングの仕事をしていると、
想定通りに売れない時や、なにか失敗したときは、
「なぜだろう」と分析をします。
一方で、思ったよりも売れたりした時にはホッとして、
分析をしないことが大半です。
私も以前はそうでした。
しかし、想定以上売れた時こそ分析をすることで、
「次からも売れる要因」を見つけ出すことができます。
そこに乗じれば、寄り売り伸ばせる可能性が高まります。
王将の事例でいえば、この焼き餃子だけでなく、
ニンニク増量のバリエーションを展開しよう、
といった具合です。
実際に王将は、水餃子やラーメン、チャーハンにも、
ニンニクマシマシのシリーズを出すそうです。
変化の時こそ、売るチャンスは出てくるものです。
ターゲット層の生活や行動、意識の変化や、
売れた数量の変化にいつも敏感でいると、
売れるチャンスをものにすることができます。
そこで発見した"気づき"をもとに、
仮説を立て、次の一手を打つ。
マーゲティングはこの繰り返しです。
「勝った時こそ分析をする」ということの重要さを再認識させてくれた、
王将の事例でした。
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執筆者
家電メーカー、石油会社、大型車両メーカー、高機能フィルムメーカー、建築部品メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、顧客視点の顧客文化にするマーケティング社員研修を提供。 2013年より2024年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で24冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典
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