【営業リーダー必見!】営業のモチベーションを上げるマーケティング的なKPIとは?
◾️ マーケティング部が不要の組織とは?
「マーケティング部が不要の組織」がもしあるとしたら、どのような組織でしょうか?
ここで少し視点を変えてみます。
会社の顔である営業マンが元気に働いている姿を想像できますか?
笑顔で顧客に対応し、新しいアイデアをどんどん提案する。
そんな営業マンがいる会社は、きっと活気にあふれているはずです。
なぜ営業マンのモチベーションが重要なのか?
それは、彼らが会社の成長を直接的に引っ張るからです。
営業組織を活性化するための成功循環モデルに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
→ 営業の活性化のためには心理的安全性を上げよう〜売れる営業組織のための成功循環モデルと学習する組織
営業マンが元気になれば、顧客満足度も向上し、ひいては会社の業績アップに繋がります。
しかし、多くの企業では、営業マンが売り上げ目標に追われ、疲弊しているのが現状です。
そんな中、私は一つの仮説を立てました。
マーケティング部が不要の組織とは、
全員がマーケティングに精通している組織だ
という仮説です。
考えてみたら、全員がマーケティングをわかっていれば、わざわざ部署にする必要はありません。
少し極端な話ですが、マーケティング部門が不要になるくらい、社員全員がマーケティングに精通するには何をすればいいのでしょうか?
◾️ 営業組織のマーケティング的な売れない問題とは何か?
多くの組織では、コロナ禍明けから次のような問題を抱えています。
✓ 既存の営業手法が通用しなくなってきた
✓ 顧客との関係性が希薄になっている
✓ 新しい商品やサービスが売れない
そして多くの企業は、営業手法を改善するために、セールストークを見直したり、ロールプレイをしたりと、営業力のアップに務めます。
しかし、根っこにある本当の問題は、営業マンのモチベーションが下がっていることにあります。
そして、営業部門のリーダーたちは、自分がこれまで成果を出してきた手法を再現しようとします。しかし、経験したことのない変化が起こっている今、新しい問題は、経験で解決できないのです。
また「もっと頑張れ」「目標達成のために努力しろ」といった叱咤激励は、一時的にモチベーションを上げるかもしれませんが、持続的な成長には繋がりません。
上司から言われてやる外発的な動機づけはなく、自分からやろうと思う内発的な動機出なければ、モチベーションは上がらないのです。
◾️どうすれば営業のモチベーションは上がるのか?
では、どうすれば営業マンのモチベーションを上げ、さらに長く維持できるのでしょうか?
「モチベーションを上げよう!」と号令をかけ、気合を入れてもモチベーションは上がりません。
動き、成果が出て初めてやる気が出るのです。営業の場合は特に、
行動が売上や利益などという成果につながった時に初めて、モチベーションが上がるんです。
したがって、行動の成果を感じられる仕組みを作ることが重要なのです。
具体的には以下のような取り組みが重要です。
KPIの再設定
売上以外の指標を設ける
例えば、顧客の満足度や購買・契約の継続の意向を測る手法を使う(=N P S=ネットプロモータースコア)、提案の回数、商談の質の内容の良し悪しなどです。
途中成果を可視化する仕組み
チームが進捗を共有し、日々の達成感を得られる場を作る
週次の成果報告会やピアレビュー、上司部下の間の1on1なども効果的です。
営業チームにマーケティング思考を注入
顧客ニーズを理解する調査手法や、提案の組み立て方を研修で学ぶといった具合です。
マーケティング思考とは、ただ商品を売ることやセールストークを磨くことではありません。顧客の心を捉え、共感を得て、自社の商品やサービスを選んでもらうための戦略的な活動です。
マーケティングを導入することで、
- 顧客視点での改善点を発見する
- 顧客のニーズを深く理解する
- 競合との差別化をはかる
- ターゲット顧客に合わせたメッセージを発信する
- データに基づいた意思決定を行う
といったことを実践していくのです。
これらの活動を通じて、営業マンは単なる売り手から、顧客の課題を解決するパートナーへと成長していくことができます。 また、マーケティングは、営業マンだけでなく、企画部門、開発部門など、組織全体の社員が身につけるべきスキルです。 全員が顧客視点を持つことで、組織全体の効率化が図られ、イノベーションが生まれやすくなります。
実際に、マーケティングを導入して成功した企業は数多く存在します。
ある製造業の企業では、マーケティングの知識を全社員に浸透させることで、顧客満足度が向上し、リピート率が大幅にアップしました。
また、あるIT企業では、マーケティングに基づいた新規事業を立ち上げ、
短期間で大きな収益を上げました。
これらの事例からもわかるように、マーケティングは、企業の成長を加速させるための強力なツールなのです。
最後に、もう一度言います。
「マーケティング部が不要の組織とは、全員がマーケティングに精通している組織」
です。 マーケティングは、特別な部署で行うものではなく、組織全体で取り組むべきものです。 全員が顧客視点を持つことで、組織はより強く、より成長することができるのです。
執筆者
石油会社、家電メーカー、大型車両メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、法人営業にマーケティングを注入する社員研修を提供。 2013年より2023年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で23冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典
営業を活性化させたい、新しい営業手法を取り入れたい、マーケティング思考を会社に入れたい、など、
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