【図解と事例で解説!】成果につながる3C分析のやり方
◾️ 【初心者必見!】なぜ、3C分析でビジネスが好転するのか?
新規顧客が取れない
価格競争に巻き込まれる
新しい発想の新製品が出せない
このような問題の根っこには「市場の状態が正しく把握できていない」ことがあります。具体的には「顧客・自社・競合」のつかみ方が"浅い"からなのです。
この3者すなわち3C分析がうまくできていないと、ビジネスの方向性を見失ってしまい、成果につながりません。
3C分析についてはこちらの記事で詳しく説明しているので参考にしてください。こちらの記事を先に読んでおくと効果的です。
→ 【図解と事例で説明!】3C分析とは?分析の方法、集める情報、ポイントとステップ
ビジネスがうまくいかない時には、3C分析をもう一度やってみるといいのです。
この記事では、以下について説明をしていきます。
- なぜ、3C分析でビジネスが好転するのか?
- シチューション別の3C分析の問題点
- なぜ、正しい3C分析ができないのか?
- 3C分析を見直す際に行うべきステップ
ここで、3C分析をやる意味をレストランの事例で考えてみましょう。
顧客(Customer)分析は、お客様の好みを理解して料理を作ることが目的です。自社(Company)分析は、 自分の料理の腕や店の強みをしてメニューを決めるためのものです。競合(Competitor)分析は、 周りのレストランのメニューや特徴を知った上で営業するために行います。
正しく3C分析で市場の状況を正しく把握し、ひいては競争力持って、ビジネスの成果を出していくのです。
◾️シチューション別の3C分析の問題点
マーケティングで3C分析が曖昧だと、ビジネスがどうなるのか?をもう少し具体的に説明します。
ターゲットが曖昧になり、訴求が弱くなる
顧客(Customer)の分析が不足しているため、誰に何を売るべきかが不明確になります。その結果、製品やサービスの特徴が全員向けになり、特定のターゲット層に響かない広告や営業トークが多くなります。
例: 「幅広い世代に人気!」という曖昧なメッセージを使い、結局どの顧客層からも反応が得られません。そして、 広告費や営業の労力が無駄になり、効率が悪化します。
差別化できず、価格競争に巻き込まれる
競合(Competitor)の分析が不足しているため、自社の強みや他社との違いが明確にならず、価格で勝負せざるを得なくなります。
例:競合と同じような製品を作り、値引きキャンペーンでしか販売促進ができない。結果として、利益率が低下し、持続可能なビジネスが難しくなります。
自社の強みを見誤り、リソースが浪費される
自社(Company)の分析が甘く、自社の本当の強みを理解していないため、無理に他社の真似をしたり、競合優位性のない分野にリソースを注ぎ込むことがあります。
例: 自社が得意ではない最新技術に投資し、結果的に顧客のニーズに合わない製品を開発してしまう。結果として、 投資回収ができず、経営リスクが高まります。
◾️ なぜ正しい3C分析ができないのか?
多くの企業が3C分析を適切に行えない理由として、以下が挙げられます。
時間と労力の不足
短期的な成果を求めるあまり、分析に十分な時間をかけられない。
データ収集の困難さ
特に競合や市場に関する正確な情報を得るのが難しい。
分析スキルの不足
データを正しく解釈し、洞察を得るスキルが不足している。
客観性の欠如
自社の強みを過大評価したり、弱みを過小評価したりする傾向がある。
そもそも、3C分析はただ情報を集めれば良いというものではありません。多くの人が陥りやすい罠があります。以下に、気をつけるポイントをあげておきます。
情報が偏っていないか?
一つの情報源に偏ってしまい、客観的な分析ができていない。
分析の目的を見失っていないか?
情報収集に満足してしまい、分析結果を戦略に活かせていない。
変化への対応は十分か
過去のデータに固執し、市場の変化に対応できない。
大切なのは、多角的な視点から情報を収集し、分析結果を具体的な戦略に落とし込むことです。そして、市場は常に変化しているので、定期的に分析を見直すことが重要です。
◾️ 3C分析を見直す際に行うべきステップ
以下に、3C分析を見直す際のステップをまとめます。
ステップ1:準備
1)目的を明確にする
3C分析の見直しは目的を明確にすることから始めます。
例:「売上低下の原因を特定する」
「新製品の市場適応性を判断する」など
そのために、何を解決したいのか、具体的に言語化します。
例: 「顧客層が変わったのでは?」など仮説を設定。
2)データを再収集する
顧客(Customer):
新しいターゲット層の行動やニーズを調査。
アクション例:アンケート、インタビュー、購買データの分析。
競合(Competitor):
競合の新しい戦略や動向を調査。
アクション例:競合の新製品や広告キャンペーンをモニタリング。
自社(Company):
自社の現状の強みや課題を再確認。
アクション例:社員インタビューやプロジェクトの振り返り。
ステップ2:分析
1)仮説を立てる
集めたデータをもとに、どの領域に問題があるか仮説を立てます。
例:「顧客層のニーズが変化しているのでは?」
「競合が価格で優位に立っているのでは?」など、仮説を具体化。
2)現状とのギャップを分析する
顧客とのギャップ:
現在の製品・サービスが顧客ニーズに合っているか確認。
競合との差別化:
自社の強みが競合に対して優位性を保てているか検証。
自社のリソース:
自社の資源やスキルが現在の市場ニーズに対応できるか確認。
3)ステップ5:優先順位をつける
見直した結果、やるべきことが多く出てきますが、すべてを一度に改善するのは現実的ではありません。
インパクトが大きく、実行しやすいものを優先する。
例:「新しい顧客層向けの商品ラインを展開する」など。
ステップ6:アクション
1)具体的なアクションプランを作成する
顧客(Customer):
新たなターゲット層向けのマーケティングキャンペーンを立案。
競合(Competitor):
競合と差別化できる特徴を前面に出した広告戦略を立てる。
自社(Company):
内部リソースを強化し、競争力を高めるプロジェクトを開始。
2)進捗をモニタリングし、改善を続ける
3C分析は一度で終わりではなく、継続的に行うべきプロセスです。
データを定期的に見直し、必要に応じて戦略を微調整したり、KPIを設定して成果を追跡します。
◾️ 3C分析見直しの事例
このステップの進め方について、コカコーラのようなBtoCの製品開発を事例に説明します。
1)目標の設定: 新製品の市場導入で顧客層を再確認する。
2)データ収集: アンケートを実施し、競合製品のレビューを分析。
3)仮説構築: 顧客は「環境に優しい製品」を求めているが、自社製品の特徴が伝わっていない。
4)ギャップ分析: 広告で環境性能を強調していない点を発見。
5)アクションプラン: 広告を「環境性能」をテーマに刷新。
6)モニタリング: 広告キャンペーン後の反応を追跡。
3C分析ができれば、自然に売れる仕組みの第一歩が見えてきます。マーケティングは売り込むことではなく、顧客の立場で考え、問題を解決することです。ぜひ3C分析を取り入れ、売れる仕組みを作ってください。具体的な手法や疑問があれば、ぜひコメント欄で教えてください。
執筆者
石油会社、家電メーカー、大型車両メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、法人営業にマーケティングを注入する社員研修を提供。 2013年より2023年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で23冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典
差別化して価格競争から抜け出したい、新規事業を立ち上げたい、新しいビジネスを軌道に乗せたい、など、
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