BtoBマーケティングでのAI活用とは?ハイパー・パーソナライズ・マーケティング戦略

◾️ 【経営者必見!】BtoBマーケティングでのAI活用とは?
BtoBビジネスの競争環境は厳しくなっていて、単なる価格競争ではなく、どのように独自性を出すかが求められています。その中でAIの活用が、企業にとって大きな差別化要因となる可能性があります。
- 目次
◾️ 顧客との関係性を築くためのAI活用
AI(人工知能)の進化がBtoBビジネスにどのような影響を与えるかを考えてみましょう。
AIは、データの収集・分析を自動化し、高度な意思決定を支援することで、企業のマーケティングや営業活動を変えつつあります。
具体的には、次のようなことを可能にしています。
- 顧客の過去の購買データや行動履歴を分析し、最適な提案を自動で生成する
- 見込み顧客の興味関心をリアルタイムで把握し、適切なタイミングでアプローチする
- AIチャットボットやバーチャルアシスタントを活用し、24時間365日のカスタマーサポートを提供する。
こうしたAIの活用が進むことで、競合との差別化を図ることができます。単に「いい製品やサービスを持っている」だけではなく、
- 時期:どのタイミングで
- 方法:どのように提供するか
- 関係性:どのように顧客と関係を築くか
が、これからの競争優位のポイントになります。
この中で「AIを使った顧客との関係性構築」について、パーソナライズ戦略を紹介します。
◾️ 超パーソナライズ・マーケティング
まずは、超パーソナライズ・マーケティングです。もはやAIは単なるバズワードではなく、日々のビジネスに大きなインパクトを与えています。中でも、BtoBマーケティングに使うべきは、今までのパーソナライズを超える超パーソナライズ、ハイパーパーソナライズ戦略です。
パーソナライズ戦略については以下の記事で紹介しているので参考にしてください。
クリック → パーソナライズ戦略とは?〜AI時代のマーケティングコミュニケーション
ハイパー・パーソナライズ・マーケティング
「ハイパー・パーソナライズ・マーケティング」とは、AIを活用しより正確に素早く分析する"データドリブン"のパーソナライゼーションです。顧客ごとにマーケティングを仕掛けることで、効果的な顧客エンゲージメントを高めていくことが差別化のポイントなのです。
顧客エンゲージメントについては以下の記事で説明しているので参考にしてください。
クリック→ 顧客エンゲージメントとは?成果を出し、売り上げにつながる方法〜顧客離れを防ぐ戦略と施策の事例
BtoBマーケティングにおいて、エンゲージメントを上げるには、顧客を理解することが出発点になります。顧客との対面での商談の限界を、データ分析で補う、というイメージです。精度の高い効果的なパーソナライゼーションをするためには、以下のような、ファーストパーティデータの活用が不可欠です。
- 自社ウェブサイトの訪問者データ
- 顧客の購入履歴
- ユーザーの行動データ
- 顧客の登録情報
- 展示会でのアンケート結果
- セミナーで収集した名刺データ
- セミナーで収集した参加者のコメント
これらの、あらゆるタッチポイントで得たデータを元に、顧客のニーズごとにパーソナライズされた体験を提供することで、シームレスで魅力的なカスタマージャーニーを作り出すことができます。
◾️ ハイパー・パーソナライズ・マーケティングの事例
BtoCビジネスでの事例ですが、Netflixでは視聴履歴だけでなく、視聴時間帯や使用デバイスまでを学習して、サムネイル画像まで個人ごとにパーソナライズしています。同じ作品でも、アクション好きには激しいシーンの画像、ロマンス好きにはラブシーンの画像を表示するなど、クリック率を向上させています。
ある旅行会社では、予約プラットフォームでハイパーパーソナライゼーション戦略を採用し、ユーザーごとの検索履歴や位置情報から最適な旅行プランを提案しました。その結果、コンバージョン率が25%改善し、キャンセル率も10%低下しました
これをBtoBビジネスに応用するとしたら、次のようなパターンが考えられます。車両などの部品をカーディーラーや運送会社に販売する企業の事例で考えてみましょう。
ECサイトを訪問した顧客企業の注文履歴や閲覧履歴をAIで分析し、パーソナライズされた商品レコメンドを提供する。
ECサイトに"AIベースのレコメンドエンジン"を導入し、注文履歴とリアルタイム閲覧履歴を組み合わせて顧客ごとの商品提案や、季節ごとのプロモーション内容の自動生成を行う。
平均注文額や再購入率の向上、顧客離脱率の低下などを期待することができます。
◾️ これまでのパーソナライゼーションとの違い
ハイパーパーソナライゼーションは、AIと機械学習を活用して、顧客一人ひとりに最適化された体験を提供する先進的なマーケティング手法です。従来のパーソナライゼーションと比較して、以下のような重要な違いがあります。
データの深さと範囲:
従来:基本的な顧客属性や購買履歴などの限られたデータを使用
AI活用:リアルタイムの行動データ、位置情報、デバイス使用状況など、より広範で詳細なデータを分析
リアルタイム対応:
従来:事前に定義されたセグメントに基づく静的な対応
AI活用:顧客の行動変化をリアルタイムで検知し、即座に最適化されたコンテンツを提供
予測能力:
従来:過去のデータに基づく単純な予測
AI活用:複雑なパターンを学習し、将来の行動や嗜好を高精度で予測
コンテンツの最適化:
従来:限られたバリエーションの中から選択
AI活用:画像、テキスト、オファーなど、あらゆる要素を動的に最適化
継続的学習:
従来:定期的な手動更新が必要
AI活用:顧客の反応から常に学習し、自動的に戦略を改善
クロスチャネル統合:
従来:チャネルごとに独立したパーソナライゼーション
AI活用:複数のチャネルを横断して一貫した体験を提供
例えば、Netflixでは視聴履歴だけでなく、視聴時間帯や使用デバイスまでを考慮し、サムネイル画像までパーソナライズしています。同じ作品でも、アクション好きには激しいシーンの画像、ロマンス好きにはラブシーンの画像を表示するなど、クリック率の向上に成功しています。
このように、AIを活用したハイパーパーソナライゼーションは、顧客の行動変化にリアルタイムで対応し、より精緻で効果的なマーケティング施策を可能にしています。これにより、顧客満足度の向上や売上の最大化を実現する企業が増えています
◾️ パーソナライズ・マーケティングの重要性と注意点
2025年のB2Bマーケティングトレンドについて、AIの活用でのハイパーパーソナライゼーションについてお話ししました。
大事なことは、トレンドを押さえつつ、いつも顧客中心のアプローチを忘れないことです。
トレンドを追うのも大切ですが、それ以上に大切なのは、自社の強みを理解し、それを最大限に活かすことです。新しい技術やツールは、あくまでもその強みを引き出すための手段に過ぎません。自社の独自性を失わずに、これらのトレンドを取り入れていく。そんなバランスの取れたアプローチが、真の成功につながるのではないでしょうか。
また、パーソナライゼーションと個人情報保護のバランスも需要です。顧客のプライバシーを尊重しながら、どこまでパーソナライズするかを慎重に検討する必要があります。透明性を保ち、顧客に選択肢を与えることが、信頼関係を築く上で重要です。
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執筆者
石油会社、家電メーカー、大型車両メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、法人営業にマーケティングを注入する社員研修を提供。 2013年より2023年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で23冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典
営業チームを活性化したい、AIを営業に取り入れたい、新しいビジネスを軌道に乗せたい、など、
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