AI検索とGoogle検索の使い分け:違いからひもとく情報収集・分析力のための5つのスキル

◾️ 【経営者必見!】AI検索とGoogle検索の比較

AI検索の登場で、情報の探し方が大きく変わりつつあります。特に、マーケティング活動では、正確な情報を得て施策に反映することで成果に大きな違いが出てます。

この記事では、従来のGoogle検索とAI検索との違いは何か、実務でどう使い分けるといいのかについて、解説していきます。

      目次
  1. ◾️ 【経営者必見!】AI検索とGoogle検索の比較
  2. ◾️ AI検索とGoogle検索の特徴と違い
  3. ◾️Google検索とAI検索の使い分け
  4. ◾️Google検索とAI検索の使い分け事例:プレゼン資料作成時
  5. ◾️ 検索の進化に対応できるビジネスパーソンのスキルとは?
  6. ◾️ まとめ

◾️ AI検索とGoogle検索の特徴と違い

AI検索とGoogle検索の特徴をそれぞれ説明します。

Google検索の特徴

Googleは膨大なデータベースを元に、ユーザーが検索するワードに基づいて"関連性の高い"順に"一覧で"表示をします。

たとえば「マーケティングのトレンド」と検索すると、そのキーワードが含まれる記事やブログ、ニュースサイトのリンクがズラっと並びます。

企業のウェブサイト、画像、動画、ニュース記事、位置・地図情報など、幅広い形式で情報を提供してくれるのが最大の特徴です。

一方で、数多い検索結果の中からユーザーは自分で1つを選び、そのリンクをクリックして詳細を調べる必要があります。

AI検索の特徴

一方でAIでの検索、例えばPerplexityとかマイクロソフトのBingなどは、質問に直接答える形で情報返してくれます。例えば「読みやすくて後味のいいミステリー小説ってある?」と聞けば、おすすめのミステリー本をリストアップしてくれるだけでなく、その理由や口コミも教えてくれます。まるで会話をしているような感覚で情報を提供してくれます。

AI検索とGoogle検索の違い

Google検索は「どこにどんな情報があるかを教えてくれる」のに対し、AI検索は「情報を直接整理して答えてくれる」という違いがあるのです。

例えば、旅行に出た時に泊まるホテルの近くでお寿司屋さんを探したいとします。

Google検索は「ホテル近隣美味しいものマップをレビュー一緒に見せてくれるイメージ」で、AI検索はホテルの「優秀なコンシェルジュ」に聞くという感覚です。

Google検索では「仙台駅前、寿司屋」と検索すれば、多くの寿司屋の情報が出てきます。その中から、どの店が本当に自分に合うのか、自分でレビューを読み、比較し、判断する必要があります。でも、地図情報が出るので自分がいるところからの距離もわかるし、クチコミも出るので評判もわかります。

一方、AI検索は、まるで友達に聞くような感覚で「仙台駅前で地元のネタがある美味しいお寿司屋さんを教えて」と聞くと、「あなたの好みに合いそうな店はこの3つです」と答えをくれる。 さらに「口コミではこの店のマグロが評判だよ」とか「この店は並ぶけど、行く価値あり!」と補足して周辺情報をつけてくれます。

Google検索は『情報の一覧をくれる』のに対し、AI検索は『判断のヒントをくれる』のが大きな違いなのです。

◾️Google検索とAI検索の使い分け

AI検索とGoogle検索の特徴.png

Google検索とAI検索の2つの違いを知ることが重要です。なぜなら、仕事の目的や状況によって使い分けることで、より質の高い検索結果を出すことができるからです。また、時間や労力の節約にもなるので、より創造的な仕事に割く時間を作ることができるという利点もあります。

この2つの違いを踏まえて、どのシチュエーションでどちらを使うといいのか、を考えてみます。

Google検索が向いているシーン

Google検索が向いているのは、 幅広い選択肢から自分で調べたいときや、広めの視点で情報収集したい場合です。具体的には以下のようなシチュエーションです。

  • ニュースや最新情報を探す時
  • 商品比較や価格調査
  • 公式サイトや信頼できる情報源を探したいとき
  • 口コミやレビューを比較したいとき
  • 地図や交通ルートの確認

AI検索が向いているシーン

AI検索が向いているのは、 言葉の定義とか、はっきりした答えが欲しい時や、 複雑な質問にすぐに、シンプルな回答が欲しい場合です。具体的には以下のようなシチュエーションです。

  • 詳細なアドバイスが欲しい時
  • 会話形式で深掘りしたい時
  • 複雑な質問や、複数の情報を組み合わせた回答が欲しい場合
  • 学習や研究など幅広い文脈理解が必要な時
  • 最新の情報でなくても、知りたいことの答えをすぐに知りたい場合

◾️Google検索とAI検索の使い分け事例:プレゼン資料作成時

プレゼン資料を作成する際、AI検索とGoogle検索を適切に使い分けることで、効率的かつ質の高い資料を作ることができます。以下に具体的な使い分けの事例をまとめます。

1. 情報収集の初期段階

Google検索:

プレゼンのテーマに関する幅広い情報を収集する際に便利です。例えば、「業界最新トレンド」や「競合他社の動向」を調べたい場合、Google検索で関連ニュースや記事を網羅的に探すことができます。

AI検索:

特定の質問に対して具体的な回答を得たい場合に活用します。例えば、「2025年のマーケティングトレンドは?」と質問すると、AIは要点をまとめた回答を提供してくれるため、初期段階で方向性を絞りやすくなります。

2. アイデア出し

AI検索:

プレゼン内容のアイデアや構成を考える際に役立ちます。例えば、「新しい製品紹介プレゼンの構成案を教えて」と聞くと、具体的な提案や流れを提示してくれます。また、スライドタイトルやキャッチコピーの候補も生成可能です。

Google検索:

過去の成功事例や競合他社のプレゼン資料を参考にしたい場合に利用します。「プレゼン資料 サンプル」などのキーワードで探すことで、実際の資料例を見ることができます.

3. データや統計情報の取得

Google検索:

信頼性が高い公式情報や専門家の記事を探す際に有効です。例えば、「日本市場2025年統計」などで検索すると、多角的な視点からデータが得られます。

AI検索:

必要なデータが具体的であれば、AI検索で「2025年、日本市場の成長率は?」と質問することで、関連する統計情報を直接提示してくれます。ただし、引用元の確認が必要です.

4. 資料作成中の効率化

AI検索:

資料内で使用する文章や説明文を生成する際に便利です。「マーケティング戦略について簡潔な説明文を書いて」と依頼すると、自然な文章が得られます。また、スライドごとの要約文や箇条書きも作成可能です.

Google検索:

資料中に使用する画像やグラフ素材を探したり、具体的なデザイン例を見る場合に活用します。「マーケティング戦略 グラフ」などで視覚的な素材を見つけることができます.

5. プレゼン内容の精査

Google検索:

多角的な視点から情報の正確性を確認したい場合に利用します。例えば、「AIが提供した統計情報」を複数のサイトでクロスチェックすることで信頼性を担保できます.

AI検索:

質問形式で深掘りしながら議論内容を整理する場合に役立ちます。「この統計データからどんな結論が導き出せる?」と聞けば、論理的な分析結果も得られる可能性があります

◾️ 検索の進化に対応できるビジネスパーソンのスキルとは?

今後、この2つ検索スタイルはどのように進化していくのかを考えてみましょう。

Google検索の未来

GoogleもAI技術をどんどん取り入れています。例えば、『生成型AI』という技術を使って、一部では要約結果を直接表示する機能も始まっています。ただし、まだ誤情報のリスクもあるので改善が必要です。

AI検索の未来

AI検索はさらに進化して、リアルタイムデータへのアクセスや予約・購入機能なども追加される可能性があります。また、人間らしい会話能力もより自然になるでしょう。

必要な5つのスキル

AI検索とGoogle検索に必要な5つのスキル.png

この変化を踏まえて、ビジネスパーソンには以下のような力が必要になります

1. 情報の信憑性を見極める力

AI検索は、生成AIを活用した回答を提供するため、必ずしも正確とは限りません。特に、「AIの回答=正解」と思い込まない姿勢が大切です。

データソースを確認し、複数の情報を照らし合わせて判断する癖をつけることが重要になります。

2. 検索の使い分けを意識する

先ほどまとめたように、AI検索とGoogle検索にはそれぞれ得意・不得意があります。
まとめ情報、要約、クリエイティブな発想が必要な場合に強いAI検索と、一次情報や公式情報、専門的なデータを探すのに適しているGoogle検索を、自分の仕事の状況に応じて、適材適所で使い分ける力が求められます。

3. 「質問力」を鍛える

AI検索は、入力する質問の仕方、すなわちプロンプトの質によって回答の質が大きく変わります。適切なプロンプト(=指示)を出せる力を磨くことが、情報収集の精度を高めます。たとえば、「建築部品製造業界の成功事例を詳しく教えて」と聞くよりも、「2023年以降に成功した建築部品製造業界の事例で、顧客獲得の戦略がわかるものを教えて」と聞く方が、より実践的な答えを得やすくなります。

質問力を上げるには、マーケティングの基礎を固めることと、基礎を応用して"自分ごと"としてトピックスを掘り下げる仮説力を鍛えることが効果的です。

4. 自分だけの視点を持つ

AIは大量のデータから答えを導きますが、それは「一般的な答え」にすぎません。他社と差別化するためには「自社プロダクトにAIの情報をどう活かすか」がカギになります。

そのためには、単なる情報の受け手ではなく「自分ならどう活用するか?」を考え抜く姿勢が大事です。

5. テクノロジーに適応し柔軟に活用する

AI検索やGoogle検索は、今後以下のように進化することが考えられます。

  • AIが検索結果をパーソナライズする
  • 音声検索やチャット形式が主流になる
  • 情報が動画やインタラクティブコンテンツに変わる

テクノロジーの進化に対して、「難しそう」「使いこなせない」と感じて避けてしまうのは危険です。変化を拒むのではなく、「どう活用すれば自分の仕事がより良くなるか?」を考える姿勢 が求められます。具体的には、以下のような具合です。

  • 新しい検索技術を積極的に試す(例えば、音声検索や画像検索も活用する)
  • 社内での情報収集やナレッジシェアにAIを活かす(議事録作成、リサーチ、自動要約など)
  • 「AIの時代だからこそ、人間にしかできないこと」に注目する(創造性、戦略立案、対人コミュニケーションなど)

◾️ まとめ

これからの時代、検索はAI・Googleに関わらず、単なる「調べるツール」ではなく「思考を深め、ビジネスの判断を支えるツール」に変わります。

検索技術の進化を恐れず、学び続ける柔軟なマインドこそが、ビジネスパーソンの武器になるといえるでしょう。

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執筆者

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役 理央 周(りおう めぐる)
家電メーカー、石油会社、大型車両メーカー、高機能フィルムメーカー、建築部品メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、顧客視点の顧客文化にするマーケティング社員研修を提供。 2013年より2024年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で24冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典 

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