【経営者必見!】AI時代を生き抜くための中小企業のためのマーケティング〜ブランド、コンテクスト、テストマーケティング、パーソナライズ戦略
◾️ 【経営者必見!】中小企業のマーケティングとは?
中小企業にマーケティングは必要でしょうか?
大半の経営者の方々はもちろん必要だ!と答えるでしょう。
でも、ビジネス書に書いてあるのと同じようなマーケティングをやればいいのでしょうか?これは、半分イエス、半分ノーです。
ビジネス書やMBAで学ぶマーケティングの多くは、理論やセオリーです。なので、多くの企業がやってきて成果を出していることなので、おおむね正しいことなのです。しかし、そのまま使ってもうまくいきません。
なぜなら、本に書かれているようなマーケティングはおおむね大企業をベースに考えられたことなので、そのままでは経営資源に制限がある中小企業に当てはまらないのです。また、セオリーはあくまでセオリーなので、自社の状況に合わせて使わないと役に立ちません。
◾️中小企業と大企業のマーケティングは何が違うのか?
では、中小企業やスタートアップの企業は、どうやってマーケティングを自社に取り入れればいいのでしょうか?
それは中小企業ができる"ならでは"のマーケティング戦略や手法をやればいいのです
それはどんなマーケティングでしょうか?
まず、大企業と中小企業の違いを整理して、そのうえで中小企業のマーケティングについて考えてみましょう。
大企業は、大きな森のようなものです
いろんな木や植物が密集して育っていて、それぞれが森全体の生態系の一部を形成しています。大企業っていくつかの層に分かれていて複雑な組織構造で、たくさんの部署やチームが互いに連携して全体を支えているのと同じです。
大きな森は自然災害とか季節の変化に強い耐性があります。
同じ様に、大企業も市場の変動や経済の悪化に対して耐性がありますよね。なので、長いめで計画を立てることができます。
変化のスピードは、大きな森ではゆっくりですよね。徐々に成長して、変化していきます。大企業も、組織が大きいが故に新しいイノベーションや方針の変更を実施するには時間がかかりがちです。
その分、大きな森にはさまざまな生物が共存しているので、複雑な生態系になっています。大企業も、多様な専門知識を持つ社員がいて、幅広い製品やサービスを提供できます。
一方で、中小企業は小さな庭園に似ています
限られたスペースの中で丁寧に選ばれた植物が、手入れされています。
中小企業もシンプルで、ある意味直線的でフラットな組織の構造になっています。なので、素早い意思決定ができます。
小さな庭園は季節の変化に応じて植物を入れ替えることができますよね。
中小企業も市場の変化や顧客のニーズに、小回りが効いた素早い対応ができる柔軟性があります。
小さな庭園だと簡単にデザインやレイアウトを変更できます。同じように、人数が少ない分だけ中小企業も新しいアイデアやビジネスモデルを素早く採用し、実行に移すことができるはずです。
庭園では、作り手の個性や好みを反映した独自性を出せます。
中小企業は独自のビジョンや文化を持ち、特定のニッチ市場に特化することができるのと同じですよね。
改めて考えてみたら、こんなに違うのです。
◾️ 中小企業にとっての効率的なマーケティングとは?
この違いを踏まえて、中小企業がマーケティングをするには何をすればいいのかを考えてみましょう。
まず考えるべきは、中小企業ならではの"独自性と機動性"を生かした戦略を考えたいところです。この2点が、規模が大きく小回りの効かない大企業に、できないことなのです。
1. ブランドのストーリー
まずは、自社独自のブランドストーリーを作ることです
ブランドは、その製品や企業のストーリーです。一連の流れで説明することで、より自社や製品について詳しくわかってもらうのです。
コンテンツマーケティングに重要なコンテクストについては、以下の記事で詳しく説明をしています。参考にしてください。
BtoBでの新規顧客獲得につながるコンテンツマーケティングの3C:コンテクストを充実させよう
例えば、あなたの会社の起源とか歴史、ミッション・ビジョン・バリューなどをストーリ仕立てで伝えていくのです。見た人たちはそのストーリーに共感して、ブランドに共感し、徐々に絆をつくっていくのです。
2. 小さく産んで大きく育てる
2つ目は、最初から大きく経営資源を注ぎ込まないことです。特定のニッチ市場をターゲットにし、その市場に特化した製品やサービスを提供します。
大企業ではカバーしきれない細かなニーズに応えることを差別化ポイントにするのです
そこで気をつけるのは、市場が小さすぎないこと。ニッチだけれど、自社にとって利益が出せる需要・市場を探すのです。
3. パーソナライズ〜個別最適
3つ目、パーソナライズされた顧客サービスを提供することです。AI時代の今、多くの顧客層や大衆に向けるメッセージやサービスは、すぐに埋もれてしまいます。誰にも響きません。顧客一社一社、BtoCなら一人ひとりに合わせたパーソナライズされたサービスや製品を提供することで、顧客満足度を高めます。
4. デジタルマーケティング
4つ目は、デジタルマーケティングの活用です。いうまでもなく、SNS、ブログ、メールマーケティングなど、低コストでしかも効果測定もできるデジタルマーケティングは中小企業の強い味方です。
BtoB企業でも、SNSを使ってあなたの会社"らしさ"を反映した人間味のあるコンテンツを出すことで効果を上げていけるのです。
AI時代だからこそ、3つ目に挙げたパーソナライズが大事なのですが、デジタルマーケティングでは、データをうまく使うことによって、お客様ごとにパーソナライズした対応ができるのです。
◾️ 中小企業のマーケティングでの注意点
一方で、中小企業が自社にマーケティングを導入するときに、注意すべき点もいくつか挙げておきます。
1. 集中と選択
ヒト・モノ・カネというような中小企業の経営資源には限りがあります。したがって、手広くやり過ぎないことが大事なのです。流行っているからTikTokやインスタグラムをやろうとか、AIに乗り遅れないように、などあまりに多くのマーケティング活動に手を出しすぎると、1つ1つの活動の効果が薄れてしまいます。大事な取り組みに焦点を絞ることが大切です。
中小企業の特徴は、特定のニッチ市場に特化することです。もちろんとても有効なのですが、あまりにも狭い市場に焦点を当てすぎると、成長の機会を逃す可能性がでてきます。
2. 品質の確保
次は、品質を担保することです。小さな組織では、成長や市場の要求に応える過程で、製品やサービスの品質が低下するリスクがあります。顧客の期待に応えるためには、品質を保ち続けることが必須の条件です。
3. 継続する発信
そして、一貫性のあるブランドメッセージを発信し続けることが大事です。顧客は、あなたのことを忘れがちです。一貫したメッセージを、継続して発信することが重要です。
今の時代、デジタルでの存在感、プレゼンスを上げることは必須です。デジタルマーケティングは一時的ではなく、継続的に取り組むことで初めて効果が出ます。定期的にコンテンツを更新し、顧客との関係を維持する必要があるのです。
中小企業にとって、マーケティングはもはや必須の事業戦略です。また、中小企業だけじゃなく、新規事業立ち上げや、スタートアップ企業、大企業の新製品の導入の時にも使える考え方です。
執筆者
石油会社、家電メーカー、大型車両メーカーなどに、新規事業立ち上げ・ブランド構築のコンサルティングと、法人営業にマーケティングを注入する社員研修を提供。 2013年より2023年まで、関西学院大学 経営戦略研究科で教授を務める。
著書は「売れない問題 解決の公式」(日本経済新聞出版)など国内外で23冊。米国、台湾、香港など海外でも講演。テレビ、ラジオの出演や新聞・雑誌への寄稿も多数。YouTubeでも最新のマーケティング情報を発信中。 本名 児玉洋典
差別化して価格競争から抜け出したい、新規事業を立ち上げたい、新しいビジネスを軌道に乗せたい、など、
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