営業で成果を出せる組織の心理的安全性の上げ方:マーケティング思考で成功循環モデルに心理的安全性を入れるステップ
◾️ なぜできる営業ほどマネジメントに悩むのか?
営業チームのリーダーってこんな悩みを抱えてますよね
1. 目標達成へのプレッシャー
2. チームのモチベーションが下がっている
3. メンバーの良さをどう引き出そうか?
営業のスキルがある人やスーパー営業マンがリーダーになった時ほど、
こういう悩みを感じるようになります。
感性豊かな"できる営業"は、直感的にお客様のことを理解できてしまいます。
なので、リーダーになった時に、
「なぜ部下たちはこんなことが、できないのだろう」と悩みながら、
チームを指導していくのです。
なぜ、できる営業ほどチーム運営に悩むのでしょうか?
それは、営業に必要なスキルと、チームをマネジメントするスキルは、
まったく違うものだからです。
1人で切り開く営業と、チームの底力を上げることには、
それぞれまったく違うことが必要なのです。
◾️ 営業チームを活性化する"成功循環モデル"
チームをうまく動かしていきたいときに取り入れるべき考え方の1つに、
成功循環モデルがあります。
成功循環モデルとは、ダニエルキム氏が提唱した考え方です。
「結果の質」「思考の質」「行動の質」「関係の質」の4つが、
相互に影響し合い、全体として成功を循環的に生み出す仕組みを説明したものです。
それぞれの内容は、以下になります。
関係の質:信頼や協力の深さ
思考の質:創造的で戦略的なアイデアの質
行動の質:実行力や取り組みの質
結果の質:得られる成果やアウトプットの質
これらはどれも互いに影響し合い、「良い関係」から「良い思考」を生み出し、「良い行動」を促し、最終的に「良い結果」につながると説明されます。このプロセスを意識し、どの要素が不足しているかを特定して改善することが、成功への鍵なのだ、
という考え方です。
◾️成功循環モデルの回し方
一方で、この成功循環モデルに共感し、自社に取り入れようと思っても、
いきなりは難しい、というのが現実です。
こういう時は、プロセスを分解して構造化するといいのです。
図を使って、成功循環モデルをどういうステップで進めていくといいのか、
を説明していきます。
まず共通の目標をチームでわかりあう〜ビジョンから始めます。
こうなろうよという共通認識を設定します。
まずは関係性から見直していきます。
関係性を良くしていく第一歩は対話の場を作ることです。
対話とは、営業会議とか仕事の場での何かを決めるための議論ではなく、
チーム内での双方向の対話を増やすのです。
小さいことから始める、例えば、メールでチームメンバーに伝える時に、
メールを送ったら一声かける、とか、
トラブル的な電話をしている部下がいたら、終わったら一声かける、
などという声掛けから始めていくのがいいでしょう。
その後に、1on1での対話を徐々に増やしていく、
習慣化して継続するようにしていきます。
思考の幅を広げるのには、増えた対話の延長線上で、
それぞれの考えや思いをシェアする場、を作るのが効果的です。
お茶会や飲み会、意見交換の場など、これも営業会議のような正式なビジネスの会議、報告の場ではなく、感じたことなんかを交換する場、です。
これ最初は難しいと思うので、とりあえずやってみる、
くらいに肩の力を抜いて取り組むのが効果的です。
このように風通しが良くなると、対話も活発になってきます。
そして、動きや行動の幅が広がってきた、
と実感したら2つ、注意してみてください。
1つは、相互での評価をすること、
これは上司としての営業成績の評価、とかではなくて、
変わったとこがいいよね、とか、
あるいは部下からもそれを聞く、というイメージです。
次に、ここが大事なのですが、
ミスやトラブルが発生した時に、許容する、
という"文化"をチーム内に醸成することです。
誰のせいだ、と責任をはっきりさせる、のじゃなくて、
次に発生しないようにするにはどうすればいいの?
という根本治療をする体質に持っていくのです。
例えば、100個発注するところを200個発注したみたいな時に、
なぜだ!誰だ!と責めるのではなくて、
なぜ100個多く発注したのか、システムにエラーはあるのか、
人は間違えるのが前提だから、ダブルチェックの仕組みを入れようよ、
という意見が自然に出てくるのが理想です。
そして、結果が出始めたら次のステップに行くための、
成長を支援する仕組みを作ることです。
成功循環モデルは、手法ではなく企業文化を変える事業戦略の1つです。
これは、会社側からの支援も必要なので、全社的な取り組みにしていく必要があるのです。
成功循環モデルについては、以下の動画でも説明しています。
マーケティングアイズ株式会社
理央 周