なぜ社員研修で成果が出ないのか?OJTだけでは足りない!"オフJT"との組み合わせで成果を出す方法
なぜ社員教育は上手くいかないのか?
「研修をしても成果が見えない」
「学んだことが現場で活かされていない」
「教育コストばかりかかって、効果が実感できない」
こう悩む経営者や人事責任者も多くいます。
なぜ社員教育がうまくいかないのでしょうか?
社員教育は、企業の成長や顧客満足に直結する重要な要素ですが、
効果が出ない、と悩む経営者も多いのが事実です。
上手くいかない社員教育のどこに問題があるのか、
そして、どのように改善できるのかを考えていきましょう。
社員教育がうまくいかないのは、大きく以下の3つの原因が考えられます。
1つ目は、課題が曖昧、目指すところを明確にせずに研修を行うことです。
具体的な目標が設定されていないと、社員が何を学べばいいのかが曖昧になり、
結果として教育の効果が薄れてしまいます。
2つ目は、やらされ感で社員が受講することです。
社長や人事の肝いりで始めても、
社員のやる気がないとうまくいきません。
自分からやろうという"内発的な動機"がなければ実務に活かせないのです。
3つ目は、単発のセミナーや講演に依存しすぎていることです。
一度だけの学びでは知識が定着せず、職場での再現性が低いのです。
効果的な社員教育・社員研修とは?
では、どのようにすれば社員教育を効果的に進められるのでしょうか?
いくつかのヒントを紹介します。
1つ目は、課題をはっきりさせること
経営者や人事部は、課題をわかっていると思いますが、
受講者がわかっていないことが多いんですよね。
なので、まず、研修前に受講者に全体像と到達目標を共有するのが効果的ですよね
もう1つは、課題を具体的に伝えることです
製造業の管理職に初めてマーケティングの研修をするときの事例で言うと、
「今の時代、マーケティングが大事だから、有名な先生をお呼びしました」
「頑張ってやってください」ではふんわりしてますよね
もっと数字や期日を入れて
「3年後にあと30%売り上げを伸ばしたい」
「そのためには今の営業ではできないから、マーケティングの考え方を入れて」
「うちの差別化ポイントと、ターゲットぞうを見直そう」
みたいな感じです
2つ目は、社員一人ひとりの内発的な動機を引き出すことです。
社員が自分から「やりたい」と思うような環境作りを、
事前に設計しましょう
ただ単に、講師の講義を聞くようなスタイルではなくて、
講師からのフィードバックや、
自分の振り返りの機会を合間に入れ込むことが効果的です。
パーソナライズされた教育プログラムも効果的です。
個々のニーズや目標に合わせたプログラムを、
受講者が軌道修正しながら進められるのも効果的です。
そして3つ目、これが実は大事なんですけど、
オフJT(仕事を離れる研修)と
OJT(実地研修)をバランスよく組み合わせることです。
座学と、上司の指導を組み合わせて学ぶことで、
スキルの定着が確実に進みます。
この3点を特に留意して社員教育を進めていくことで、成果を出していくのが効果的なのです。
なぜ、オフJ Tだと効果が出るのか?
オフJ Tとは、職場を離れて行う教育や研修のことです。オフ・ザ・ジョブ・トレーニングの略語で、職場で上司や先輩から指導を受けるO J Tと逆の教育研修です。
オフJTだけの教育は、
レシピ本だけを見て料理をすることに似ています
レシピ本で料理の手順とかどんな材料を使うかは分かりますが、
実際に料理をしてみないと、
自分好みの味にならないし、やり方が身に付かないのと同じです。
オフJTは理論とかフレームワークのような、
知識とか体系的な学びを得られますが、
実践的なスキルはやっぱり足りないんですよね。
オフJTだけでは、実務での応用が難しいんです。
OJTだけの教育は、料理を見て真似をすることに似ています
先輩の料理を見て、その真似をするのは、
切り方や焼き方の技術は身につきますよね
でも、基本的な料理の原理原則とか、
安全性についての知識がないと、
自分ならではの料理はできないし、
失敗や事故につながる可能性もあります。
OJTは実務を通じて学ぶ方法ですが、
理論的な基盤が不足するから、
上司の枠、会社の枠から発展できないんですよね。
オフJTとOJTを組み合わせることは、
レシピ本を読んで基本的な知識を得た後、
実際に料理をしてみることと同じで、
理論と実践のバランスが取れます。
オフJTで得た知識をOJTで実践することで、
社員は体系的な学びと実務経験を両方から得ることができ、
より効果的なスキルアップが期待できます。
理論(抽象)と実践(具体)を繰り返すと、理解が深まり、応用力が高まるし、
実務に合わせて調整ができるようになる、さらに、成長を実感し、モチベーションが向上するんですよね
- 理解が深まり、応用力が高まるし 理論を学んでから実践し、また理論に戻るサイクルを繰り返すことで、知識が深まり、単なる暗記に終わらず、異なる状況でも応用できる力が身につきます。実践を通じて理論の意味がクリアになるため、より効果的に学べるのです。
- 実務に合わせて調整ができるようになる、 理論を学んでから実務に取り入れ、実際の業務で試してみることで、抽象的な理論をそのままではなく、自社の現状に合う形にアレンジできるようになります。この調整のプロセスが、実務に適したノウハウの構築につながります。
- 成長を実感し、モチベーションが向上するんですよね 理論と実践を繰り返すことで、自分が学んだことが実際に役立ち、成長していると実感できるようになります。成果が見えやすくなるため、学びへの意欲が高まり、モチベーションが向上します。
オフJ T(=社員研修)で成果を出すには
このオフJT=研修ですね とOJTの組み合わせがとても大事なので、
もう少し深堀していきますね。
こんな事例があります。
大手IT企業A社の研修プログラム
A社では新しいプロジェクト管理ツールを導入して、
全社員に使いこなせるようになってもらうことが必要でした。
でも研修でツールの使い方だけを学んだ社員が、実
際のプロジェクトでツールを使うと、
現場の進行方法やチームの働き方に合わせてうまく応用できないケースが多発していました。
そこでA社は、この問題を解決するために、
オフJTとOJTを組み合わせた研修プログラムを導入しました。
まず、オフJTの研修でプロジェクト管理ツールの操作や使い方を学んで、
OJTで実際のプロジェクトに導入していきました。
OJTでは経験豊富な先輩社員が指導役となり、
プロジェクトの進行に合わせてツールの使い方を
アドバイスする形でフォローアップしました。
この組み合わせによって社員はツールの基本操作だけでなく、
プロジェクトの具体的な場面でどのように使えば効果的かを学ぶことができ、
ツール活用スキルが大幅に向上しました。
プロジェクトの完了スピードが向上し、
会社全体での生産性も上がったという結果が得られました。
オフJT=研修だけではうまくいかない理由
- 実務での適用が難しい 座学や集合研修(オフJT)で得た知識は、実務に即座に適用するのが難しい場合があります。理論としては理解していても、現場での状況に応じた応用ができないと、学びが効果的に活かされません。
- 知識が定着しにくい 座学での知識は実際に使わないと忘れやすく、時間とともに知識が薄れていくことがあります。継続して実務に活かす環境がないと、学びが一過性になりがちです。
- 動機付けが不足する 集合研修では受動的な学びになりやすいため、内発的なモチベーションが引き出されにくいです。現場での成果が見えにくいため、自己成長の実感も薄くなりがちです。
- 職場での実践にギャップがある 実務とは異なる環境で学ぶため、実際の職場環境や課題とズレが生じやすいです。職場での状況を具体的に考慮していないと、学んだスキルが職場に戻ったときにうまく活かせません。
OJTだけではうまくいかない理由
- 体系的な知識が身につかない 実務での学び(OJT)では経験は積めますが、どうしても、その場その場で、断片的になりますよね 。全体像やフレームワークを一連の流れの中で学ぶことで自分ごとにできるんです。
- 指導者のスキルに依存する OJTの効果は指導者(上司や先輩)のスキルや教育方針に大きく依存します。営業のスキルと指導のスキルは別物です。教える側が適切な教え方を知らないと、社員が正しい方法で学べないのです。
- その場限りの短期的な教えになるから、長期的な成長が見えにくい OJTは日々の業務を通じた学びのため、日常業務に追われて学びが表面的なものにとどまりやすく、長期的なスキルの成長が実感しにくいです。
- 新しい知識やベストプラクティスが学べない 職場での実務に限られるため、最新の知識やベストプラクティスを学ぶ機会が少ないです。現場のやり方がそのまま引き継がれるため、新しい方法を取り入れにくくなります。
オフJTとOJTは、片方だけではそれぞれにいいところ悪いところがあり、
相互に補い合うことで初めて効果的な社員教育が実現します。
オフJTとOJTを組み合わせると効果的な理由
- 理論と実践の両立で定着する オフJTの学びを、OJTですぐやると、知識が具体的なスキルとして定着します。理論と実務のギャップが埋まり、学びが深まるんです。
- 知識の定着と応用力が高まる 集合研修の学びを実際の業務で試すことで、学びが実務に活かされやすくなり、記憶に残りやすくなります。また、OJTで現場に応用する経験を重ねることで、同じ知識でも状況に応じた柔軟な応用ができるようになります。
- 社員のモチベーションが向上する オフJTで学んだ後、OJTで実際にそれを使って成功体験を積むことで、社員が成長を実感しやすく、内発的なモチベーションが向上します。「学んだことが成果につながった」という実感が、さらなる学びの意欲を引き出します
- チーム全体の成長が促進される オフJTで全社員が共通の知識やスキルを学び、その後、OJTで現場の実務に適用していくことで、チーム全体としてのスキルや知識レベルが向上します。個人の成長が組織全体のレベルアップにつながりやすくなります。
オフJTとOJTを組み合わせるとうまくいくことって、
「自転車の両輪」みたいなものなんですよね
自転車の前輪(オフJT)が方向性を示し、道筋や理論を提供します。
一方で、後輪(OJT)は自転車を進ませる力、
つまり実践と応用の力を生み出します。
片方だけでは自転車はうまく走れませんが、
前輪と後輪が揃ってバランスをとりながら進むことで、
スムーズに目的地へ到達できるのです。
オフJTが社員に知識や理論、全体像を示し、
OJTがその学びを実践し、実際の仕事で活かす力を与えることで、
社員教育は効果を発揮します。
このようにオフJTとOJTが連携し、
バランスよく進むことで、社員は効果的に成長し、
組織に貢献できるようになります。
成果ふが出る研修や教区の設計の方法と、具体的なOJTとオフ JTの組み合わせについては、以下の動画でも詳しく話をしています。
ご覧になって学びを深めてください。
マーケティングアイズ株式会社 理央 周