【ビジネス書】13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海 田中孝幸氏著 仕事の範囲を広げるには異質なことを取り入れてみる
■ この本の特徴
タイトルにある様に、この本では地政学の知見を持つカイゾクという人物が、13歳くらいの兄妹からの質問に地政学の見地から答えていく。
カイゾクはメンターで、兄妹はさながら塾生といった感覚だ。
それを「地球儀」をみながら説明するので、読んでいるこちらも「目で見ている」ように、地政学の全体像を俯瞰して理解できる。その意味で、極めてわかりやすく地政学をひも解いているのだ。
それも、数字や国の境目などという物理的で目に見える事象のみでなく、「なぜ地政学が重要なのか?」というWhyが書かれているので、「地政学を知ると人生や仕事にどう生きるのか」というSo Whatが腹落ちしやすい。
■ ビジネスパーソンとして必要な要素
地政学を使う仕事についている人はともかく、多くのビジネスパーソンにとって、一見仕事とは無関係に見える。
一方でこの本は"間接的"に多くの知見を与えてくれる。
仕事に活かす読み方は、
1. 地球上で起こっているいいことや問題を俯瞰しその背景を理解する
2. この本の内容の行間を読み取って自分の仕事に当てはめてみる
の2通りある。
1点目は「視野を広げる」ということだ。
仕事をしていると、どうしても自分の仕事の範囲の中で物事を考えてばかりになる。自社や業界を深く知ることは得意になるが、その周辺で起きていることが見えなくなる。
"業界脳"に陥ってしまうのだ。
まず第1章に書かれている「物も情報も海を通る」というタイトルに、なるほどと納得した。
私の場合は、マーケティングは人を見る考え方なので、
地政学で文化を知ることは、その意味では同じ。
ターゲティングは線をひくことで、
地政学と共通する
そこから中を見るインサイト
地政学も境界線の背景には、政治や文化、民族がある
モノリンガルはモノカルチュラル
内向きになる原因
大国ほど多い
狭い視野はもったいない
その意味でも多くのビジネスパーソンに有益な1冊だ。