Marketing i's [マーケティングアイズ]

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カテゴリ:「マーケティング」の記事

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ニューヨーク チェルシーのスターバックスリザーブロースタリー

先日、日本の東京 中目黒にもできた、スターバックスリザーブロースタリーの、チェルシーマーケット前にあるニューヨーク店に行ってみた。このチェルシー地区は「ミートパッキングエリア」の近くで、チェルシーマーケットもある人気のエリアだ。地下鉄の廃線を利用した公園の「ハイライン」の起点になっているし、その終点にはハドソンスクエアにもあり、これから人気も次のステージに上がりそうな、今のニューヨーク、マンハッタンでホットなエリアと言える。そこに目をつけて、リザーブロースタリーを作るスターバックスもさすが、という感じだ。

まず、中に入ると大きな焙煎の炉が目にドンと入ってきて圧巻。

日本は4階建てらしいが、こちらはかなり広いスペースでメインのフロアである1階を中心に、中2階のと半地下が1階から見えるため、合わせて2階半といったところ。

内装はまるで珈琲を、生豆から焙煎、挽いて漉して飲ませてくれる、一つの流れが見られるかのような工場のよう。

内装もシンプルで、照明・ライティングや雰囲気、お客さんたちが楽しんでいる様子もいいし、居心地がいいスペースになっている。

生豆が入っている麻袋なのだろうか、原産地から届いたかのようで見ていてワクワクしてくる。

店内のディスプレイもかなりユニークなので、スターバックスにいるというよりも、映画のチャーリーとチョコレート工場をなぜか思い出してしまい、なかなか面白い。

イートインのメニューのみでなく、このような物販も充実している。持って帰る手間がなければ、買って帰りたくなるようなものばかりだ。

チェルシーマーケットの真ん前にあるからか、お客さんたちは、観光客が中心。カフェというよりも、エンタテイメントパークにいるような錯覚も覚える。

顧客は、美味しいものを食べにくるのだが、一番欲しいのは飲食をしている時に感じる楽しさ。それこそが顧客価値になり、ひいては選ばれる理由になる。

この、スターバックスリザーブロスタリーから学べることは、「顧客が自社製品を使っている時、またはサービスを体験しているときに、楽しいかどうか」に尽きる。小売業であれば、ただ商品を並べるだけになっていないか、顧客のニーズを解消できているか、顧客が楽しめる店になっているかどうか、などなど、チェックリストを作成することで再考できる。

学ぶところの多い、スターバックスリザーブロースタリーだ。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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ニューヨーク ホールフーズ、アマゾン4Stars に見るAmazonのO2O 戦略


今回は、暮らすような過ごし方をすることをテーマに、
毎日2万歩くらい歩き回った。
その中で、思いがけない発見なんかも多くあった。


中でも、アップタウンウエスト地区で、
バンクシーの絵を見つけたことは、
驚きだったし、ラッキーだった。


また、チェルシーエリアから、
ハイラインを北に上がっていったところで、
3月15日に新しくできたばかりの、
「ハドソン・スクエア」にもいってみることができた。
ちなみに、これは偶然で、
「なぜか人の流れが多いな」と、
そちらの方に歩いていたら、
今年上半期、最大級のショッピングモールが、
オープンしたばかり。
これも、いつも何かを求めて歩いき回っている、
好奇心のなせる技なのかと、
自分でも納得していた。

まず、お話ししたいのが、アマゾンの様子。
去年の9月に行った時と比較をしてみたい。


特に目立ったのが、
アマゾンのO2O(オーツーオー)戦略。


O2Oとはオンラインツーオフライン、
またはその逆で、ネット(=オンライン)と、
リアル(=オフライン)の両方でのビジネスを相互に生かす、
例えば、ネットとリアルとで送客し合う、
といった考え方。

ある意味では、オムニチャネルとも共通する。

いうまでもなく、アマゾンのビジネスは、
ネット通販が中心だが、
食品スーパーのホールフーズを買収したり、
(ニューヨークではまだだが)無人レジのAmazon Goや、
アマゾンブックスのような書店を作ったりと、
リアル店舗にも力を入れてきているのは、
このO2O戦略にあると言えそうだ。


では、アマゾンがどうやってこれらのネットとリアルで、
相乗効果を出し、収益をドライブさせていくのかを、
具体的に考えてみたい。

今回は、アマゾン4スターズという、
アマゾンの売れ筋商品を集めたショップができたのでいってみた。


場所は、ニューヨークで人気のSOHOというエリアの、
比較的中心にあった。


店内には、ネットでのアマゾンの売れ筋商品が、
ところ狭しと並べてある。


消費者にしてみれば、
あのアマゾンでの売れ筋商品、ランキングにある商品、
がここに並べられているので、
メーカーではなく、ユーザー目線で、
世の中でヒットしているものを見られると考えるだろう。


すなわち、消費者が買いに来る、
いわゆる来店の明確な理由がある。

一方で、アマゾンはアマゾンブックスという、
リアル店舗も持っている。


ニューヨークに2店舗ある、アマゾンブックスと、
アマゾン4Starsとの大きな違いは、
書籍の割合が少ないこと。


逆に言うと、アマゾン4Starsでは、
日用雑貨や家電、消費財などのカテゴリーの商品が大半だ。
その点でも、アマゾンブックスとの住み分けが、
しっかりとできている、と言えそうだ。


アマゾンブックスと共通していて、
ここでも目立ったのが、AIスピーカーのアレクサと、
電子書籍リーダーのKindleが多く並べられていたこと。


これこそが、アマゾンがアレクサとKindleを、
PCとスマホに続く新たな販路とし、
消費者を囲い込んでいこうという明快な戦略だと言える。

ここでの決済は、レジを通すと言うことではなく、このようなタブレットで全て完結させる。しかも現金を使わず、クレジットカードのみの決済になる。

これらの「ハード」をリアルで体験させ、
ユーザーが買えば、あとは自動販売機のように、
アマゾンの電子書籍や、サービスを購入することになる。


リアル店舗ではあるのだが、
アマゾン得意のリピート商材、
おすすめによる顧客維持の姿勢が、
ここでも保たれているのだ。

半年ぶりに来てみたホールフーズでは、Amazon Primeのマークをそこに掲げられていた。

共通して聞かれるのは、Amazonプライムサービスですか?と言う質問だ。プライムサービスの会員であれば、割引が入れられると言うことになる。明らかに、Amazon Primeサービスへの誘導を狙っている。

また、半年ぶりに来てみた食品スーパーのホールフーズでは、
Amazon Primeのマークがそこここに掲げられていた。


もう一つ目についたのは、
アマゾンロッカーが配置されているホールフーズが、
そこここにあったこと。


アマゾンのサイトで買った品物を、
自宅ではなくホールフーズのロッカーに届けてもらう、
というサービス。
ウォルマートも同じサービスを展開している。


これによって、ユーザーの受け取りが便利になるだけではなく、
ホールフーズに立ち寄って品物を受け取る際に、
夕食の買い物をしたり、買い忘れたものがあれば買ったり、
ついで買いをしたりと、
ここでも、消費者購買の、
相乗効果を見込むことができる。

ホールフーズ、アマゾンブックス、4スターズで共通なことは、
支払いの時に「Amazonプライムサービス会員ですか?」と聞かれる点。
なぜなら、プライム会員の場合は割引になるからだ。


明らかに、Amazon Primeの会員になって、
サービスを受ければ得なことが多いですよ、
というお馴染みさんを増やしていこうとする戦略だ。


リアル店舗に買いに来たお客さんも、
後々はネットで継続的に勝ってほしい、
ということになる。


こういったネットとリアルの相乗効果を狙うのがO2Oという戦略なのだが、
その戦術面においても、
さすがアマゾン、という感じのチャネル包囲網だ。


参考になるのは、当たり前だが、
インターネットとリアルをうまく使いこなしている点につきる。


顧客の利便性を重視しながら、
来店頻度の高い食品を持つホールフードに来店させ、
ついで買いをうながすこと。
いわゆるクロスセルの仕組みになっている。


また、ユーザーにとってみて、
「どこででも買える、受け取れる」という、
チャネルの利便性の高さも見習える。


これも商品やサービスにとっては、
オフィスでオンラインで注文し、
その日のうちに、リアル店舗で引き取って帰る、
という仕組みは、何も大企業ではなくてもできることだ。


さらに、自店舗によってもらえる仕組みも、
大きな参考になる。
マーケティング、商売の原点は、
顧客を「動かす」ことにある。
その意味でも、応用して使える考え方だ。


広告を打つ時に、媒体を組み合わせるのと似ていて、
販路も1つに限ることはなく、うまく相乗効果を出すように、
工夫することが大事なのだ。


また、ニューヨーク在住の流通コンサルタントに聞いた話だと、
メーシーズなどに出していた、
アマゾンのポップアップショップと呼ばれる、
仮店舗も、現段階では引き上げ、
アマゾンブックスと4Stars、ホールフーズに集約しているとのこと。
この集中と選択も重要だ。

チャネルはあればいい、というものではない。
当たり前だが、コストがかかる。
それも設置コストのみではなく、
間接的な人件費など、
目に見えづらいコストもかかるのだ。


顧客中心主義を体現している点、
そのスピード、
そして集中と選択。


学ぶところの多い、アマゾンのO2Oだった。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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ニューヨーク 5番街 ナイキ Nike 5th Avenue

ニューヨーク 、マンハッタンの5番街52stに2018年11月に新しくできたというナイキの路面店がすごいというので行ってみた。やはり世界のトップブランドは、まずニューヨークはマンハッタン、それもラグジュアリーショップの多い5番街にフラッグシップブランド店舗を出す、ということなのか、この辺りにはライバルのアディダスはもちろん、高級デパートを始めユニクロなどもある。

ナイキのこの店舗は、「ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000」という名称の通り、まず店内のディスプレイが斬新でユニークな発想でできている。メインの入り口を入るとこのようなオブジェ風のディスプレイ。シューズやアパレルはかなり奥の方まで行かないと陳列されていない。

入っていすぐにある、この小さめのバスケットコートは、様々なディスプレイに加えて、各種モニター画面や独特のライトで、さながらクラブにいるような雰囲気。

バスケができるスペースを上から見るとこんな感じ。デザインが画期的なだけではなく、

プレイヤーが動くところに光源も一緒に動くなど、まずここからかなりのハイテク、という雰囲気だ。

ななめ上から見ると全体が見えるが、一つ一つのモニターに何が写っているのか、ということよりも、このスペース全体がモダンアートのようで美しい。

これを見ていると、日本で有名なチームラボの作品のような雰囲気だ。


ハイテクは何もディスプレイやVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)のみでなく、購入までのプロセスもデジタル化されている。アプリでほとんど全てができる、という仕組みになっている。

靴もTシャツなどのアパレル類も、サイズや色など多くのSKUがある中で、このように欲しい商品にアプリをかざすだけで、店頭にあるかどうかがわかるのは利便性が非常に高い。




このように、リアルな店舗を単に「物を売る場所」と位置づけるのではなく、店舗を「顧客が楽しく過ごす場所」と位置付けている。これこそが体験型の購買体験の提供だ。そしてもちろん、この店でも販売による収益を上げなければならない。その一つが、購入プロセスの利便性向上、すなわち自分に合った商品を探して、見つけ、サイズと色を確認し、試着して買うに至るまで、顧客はさまざまな事柄を体験する。その過程をできる限り便利にする工夫が、このアプリでされている。

また、アプリをダウンロードし、アプリで買うということは、以降もアプリを通してナイキ側はその顧客とコミュニケーションが取れる、ということになる。顧客維持(=カスタマー・リテンション)につながるのだ。

単に目新しい、人通りが多いところに出店をする、というだけではなく、話題性を作り、さらに継続購入までの仕組みも入れている点が素晴らしい。

ビジネス・パーソンなら一度は体験するといいナイキの「House of Innovation 000」だった。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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値引きでなく選ばれる飲食店 本当の差別化とは 名古屋 ワインバー アローザのチーズ会

クライアントさんにお連れいただき、よく行く東桜にあるワインバーの「アローザ」さん。「チーズ会」に、久しぶりに参加した。

年に数回開催するとのことで、ボクも2回目。
毎回、チーズソムリエの方が厳選した、美味しくて珍しいチーズを、ワインと軽食とともにいただく。

このチーズ会の良さはこのソムリエの方が、懇切丁寧にチーズを説明してくれるところにある。

会は、生ハム、サラミとジャムの前菜から始まる。

お酒の方は、スパークリングワインをいただきながら、今日出てくる、まだ塊になっている生チーズを順番に説明してくれる。

味だけではなく、それぞれのチーズの由来や作られ方、現地での食べ方、どのワインと合うかなど、プロならではの視点で解説してくれる。このように、整理整頓して教えてくれるので、私たちも「ふむふむ」と聴きながら、楽しむことができる。

時間が午後7時からなので、間に軽く食事を挟みながら、会は進む。もちろんこのサーモンやハムなんかも、美味しいし、サイズもちょうどいい。チーズを楽しむ会が大前提なので、その辺の演出も僕たちには嬉しい。

チーズをいただくときは、このようにスライスして、パンと出してくれたり、

アイルランドの塩も出してくれた。この塩が絶品で、ほのかに香りがついているので、パンにちょっと載せても美味しくいただける。

締めは、かなり甘いスイーツと一緒に刻んでクリーム状にしてくれたものを、やはりパンにつけていただく。チーズと混ぜたこちらは、甘すぎずちょうどいいデザートになる。これもワインにぴったりマッチするのだ。

あっという間の3時間だった。

私は美味しいものが大好きだ。自分でも作るし、何より家族や友人たちとの食事は、楽しく元気になることができる。

一方で、常々、飲食店の経営は難しいと感じる。お客さんたちは、美味しいものをよく知っている。そもそも、美味しいものをしっかりと作ることは難しい。また、目玉メニューがないと、なかなか覚えてもらえない。流行のスピードも速いし、価格破壊もある。

ニューヨークなどで食事をすると、日本の飲食店の価格は、破壊的に「安い」と感じる。向こうでは、ちょっとしたカフェでもランチを一人1000円では食べられない。チップも必要だし、そもそもが高い。と感じていたのだが、実は逆で「日本の飲食店が安すぎる」のだと思うようになった。

では、単に値上げをすればいいのか、というとそういう問題ではない。消費者は価格に敏感だし、周りの飲食店と比べられてしまう。

まずすべきは、美味しいこと。当たり前のようだが、顧客は飲食店に「美味しくて当たり前」だと思って来店する。そこはずしてはいけない。私のお気に入りの飲食店のシェフたちは、ここに全力を注いでいる。

同じように大事なことは「居心地がいい」こと。顧客は美味しいものを食べにくるのだが、本当に欲しいのは「楽しいひととき」を過ごすこと。その場所、そのシチュエーションでの思い出に残る、人に話したくなるような体験が欲しいのだ。そしてそれこそが、リピートにつながる。

やはり私のお気に入りのオーナーシェフたちは、味を磨いて当たり前。さらに、食事の出し方、内装、新メニュー、このようなイベントを企画し、楽しんでもらうことに力を抜かない。アローザでのこのチーズ会も1つの体験型、コト消費のワインバーの楽しみ方を提供してくれる。

顧客は、体験を通してリピートする。製品やサービスは忘れられやすいが、体験は思い出に残るからだ。飲食店でなくても、どの業界にも通じることだ。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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メーカーズシャツ鎌倉シャツのセミオーダーで仕立ててみた


シャツを買う、というより作る人向けのサービス。
もともとあったセミオーダーを、よりお求めやすく、ということで各種メディアでも報道されていたので来てみた。

まず、このような生地見本のブックがあり、ここから好きな生地を選ぶ。

価格帯が2種類あり、9800円と15,800円になる。
どちらも、記事の見本の種類がかなり豊富で選びがいがある。
ブックレットの表紙はこちら。

記事を選ぶと、首袖丈等の採寸をする。
オーダーでシャツを作ると、スーツやジャケットの袖からシャツが少し出る位にぴったりとなるのが心地良い。

サイズが終わると、袖や襟の形を選ぶ。




自分の好きな組み合わせにできるのも嬉しい。
今の消費傾向として、このようなパーソナライズカスタマイズとできることが好まれる傾向にある。

出来上がりの様子も、このようにデジタルで見ることができる。これだと、既製品を手に取るようにわかるわけではないが、出来上がりが想像できるのでここでもワクワクすることができる。

そして、出来上がりは2週間後ということで、受け取りに来るだけ。ユーザの情報は、以下のようなデータベースに収まるので、以降は、同じサイズで作るのあれば、来店して記事を選ぶだけで、よりシンプルなステップで、同じようにできる。

カスタマイズ、セミオーダーの手軽さ、リピートの簡単さと言う意味で、参考になる鎌倉シャツのオーダーシャツだった。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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