先日、待ち合わせで入った表参道のカフェ、モントーク。
出版社の編集者さんが捜してくれたカフェなんだけど、表参道に面している割に中はとても静かでいい感じ。店の前には看板や店のサインなんかも全くない。
FourSquareの情報にあったように、ラグジュアリー・ブランドのショップが立ち並ぶ表参道において、アンチテーゼのように静かにたたずむ感じが落ち着ける。
雨の日だったのが、逆にとてもいい感じで窓の外を見渡すことができた。
ありがちな通りに、流行の店とか同じトーンの店を出しても、それは当たり前にしかならない。
ちょっとした違和感もあり、さらにとても重要な美味しさと落ち着ける店内の雰囲気が重要だということを再確認できたカフェだった。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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小売店が店内を改装する時に考えるべき点は多くある。
「全体のトーンはどうするべきか」
「基調にする色が何色がいいか」
「レイアウトはどうしようか」
などといったことを、資金と相談しながら決めていくことになる。
改装する時に気をつけること
毎月準レギュラーとして出ているZIP-FM「モーニングチャージ」の番組にある「トヨタ ハイパーチャージャー」のコーナーで、リスナーの方からこんな質問をいただいた。
店の内装の基調となる色について、嫁さんと意見があいません。
私はちょっと鮮やかな、えんじ色にして上品な高級感と清潔感を演出したいと思っています。
(年齢・所得、ともに高めの客層とも合うと思うのです・・・)
しかし、嫁さんは、そんな色じゃ商品の色が分からなくなるので、ありえないと大反対。
どうやって、この論争に結論を出せばいいでしょうか?
店舗改装の戦略立案までのステップ
この方のお店、どうやら服屋さんのようだが、旦那さんの言ってることと、奥様の言ってること、どちらが正しいのだろうか?
正解は奥様でもご主人でもなくお客様が欲しい喜ぶ内装にすべきである。
一番来てほしいお客様が喜ぶ内装はどんなのだろうか、と妄想でいいから顧客視点でまずは発想していくことが必須である。
主観だけでは十分ではなく、客観的に見ることが重要になる。
ちなみに、客観はお客様が観ると書く素晴らしい言葉で、私の好きな言葉でもある。
店のイメージの問題で意見が対立した時は、どうやってすすめるべきかというと、まずはお客様を想像することから始めればよい。
たとえば、ターゲットが45歳女性で兼業主婦の人が着る服屋さんだとしたら、そういう人たちが行きそうなところに行ってみて感じ取ってみること。いわゆるトヨタが言うところの「現地現物」である。
方向性を決めたらあとはその道のプロに頼むこと。女性がターゲットであれば、女性インテリアデザイナーの方などに相談することで、テイストをフィットさせていくというステップをふめばよい。
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理央 周
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毎月準レギュラーとして出ているZIP-FM「モーニングチャージ」
出ているのは毎月第4月曜の朝で、この番組にある「トヨタ ハイパーチャージャー」のコーナーに、7時45分くらいから出ている。
ZIP-FMでは「エントリー」というサイトを設けていて、ここに「理央さんに聞いてみよう」ということでマーケティングに関する質問ができるようになっている。
名古屋市昭和区にあるうどんやさん
今回は、こんな質問をいただいた。
「うどん屋をやっています。
2号店を出したいと、ずっと狙っていたエリアに、他のうどん屋が出店してきました。
特徴として、「お値打ち価格、だけど安過ぎず」、「チェーン店ではない」。
それに「名古屋では珍しい関東風」といったように自分の店と、個性がかぶっている様子です。
自分もすっかり店を出すつもりでしたが、ここは、いったん引っ込めて様子をみたほうがいいのでしょうか?」
このメールを読む限り、まだ出店計画を中止できる段階のようだが、ボクは、
「まだコンセプトがはっきりしていなさそうなので「練り直してできる限り早く」出せるにはどうすればいいのか?を考えるべきですね」
と答えた。
いったん中止して相手の様子を見る場合のメリット、デメリットを考えてみたい。
様子を見るメリットは相手の戦略や様子を見たあとで自分だけのメニューなどを開発できること。デメリットは、先行者利益を与えてしまうこと。その地域での「うどん屋」としての認知度があいての方が先に高くなってしまうことにある。
強引に同じタイプの店をぶつけていくメリット、デメリットというと、
「同じうどん屋というカテゴリーで違うタイプならともかく、同じタイプのものをそのままぶつけるメリットは無いに等しい。後発にとってはデメリットだらけである」
一番やってはいけない事は何かというと、「価格競争」
利益も減るし、ブランドマネジメントで重要な「見た目の価値=Perceived Value」も下がってしまう。もっとも避けるべきである。
飲食店は何で勝負をすべきなのか?
「では何で勝負していくべきか?」
やはり、どんなうどんで誰を幸せにしたいかをまずは考えるべきである。
うどん屋に行く理由は、値段や味だけではないはずである。
先日このブログでも紹介した、名古屋市天白区植田山の鮨や、ふじわらさんでは、カウンターの下に小さい電熱線が引いてありほっこりした。
顧客が満足し、次にもう一度来たいと思うのは味に加えて、雰囲気やおもてなしなど総合的なものになる。したがって、勝負は価格だけですべきではない。
*そのときの記事は⇒ こちら
こういう場合でも、自分の構想は変えないべきですか? それとも柔軟に対応すべきなのだろうか?
うどんへのこだわりはそのままで、お客様に喜ばれることを取り入れる心だけは、臨機応変に常に探り改善していくべきである。
■行列ができる飲食店になる3つの秘訣■
1.まずは自社だけのメニューを開発する
2.誰をどうやって幸せにしたいかを徹底的に考える
3.常に改善していく
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理央 周
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名古屋の天白区植田山にひっそりとある隠れ家的寿司屋、ふじわらさんで会食をした。
友人たちがこぞってすすめるお店なので期待も高かった。
中庭を抜ける玄関に着くと、一月ということもありしめ縄で出迎えてくれる。
小さめの個室とカウンターは最大9席。
掘りごたつ形式になっていて、足下を電熱で暖めてくれるのが嬉しい。
お料理はおまかせで、最初はこちらのお寿司。
ウニの上にキャビアが乗っている。
おつまみは、たこの柔らか煮とあわびや、お造り、かぶらを煮たものなどどれも優しく上品な味。
メインのお寿司は、ネタに切れ込みが入っているのも特徴。
また来たくなる飲食店には3つの特徴がある。それは、
まずは美味しいこと。あと、そこにしかないメニューがあること。そして居心地がいいこと。
特に居心地に関しては、大将と女将さんのご夫婦がとても仲良くされていること。
そして3人娘さんがいるうちの次女の方がカウンターで造ってくださり、彼女もとてもいい雰囲気を出されていることが言える。
ふじさわさんには,この3つがすべてそろっていた。
名古屋地区で、大事な人とゆっくりおいしいお寿司を食べたい方、
やすらいで美味しいものを食べたい方には特におススメです。
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「買いたがる脳」を読んでみた。
マーケターとしてのこの本からの気づき
副題に「なぜそれを選んでしまうのか?」とあるように、ニューロマーケティングの考え方をもとにした、理性的ではなく「感情的」な買う時の判断について書かれている。
と同時に、脳科学研究者の著者がその知見を説明することで、消費者として賢い買い物ができるようにすることにもある。
ボクたちマーケターの多くは、これまでの理論やフレームワーク,そして数字を用いてロジカルに物事を考える傾向が強い。しかし、生活者がモノを買う時はどうかというと、必ずしても論理的に,三段論法を用いてモノを買う意思決定をするとは限らない。
中学3年生になるうちの娘を見ていても、
「あ、これカワイイ〜」
と言って買いたくなることもしばしばなのだ。
マーケティングに限らず、このような情緒的で一見説明しづらいことをなんとかまとめていくのが科学や学術のすべきことなんだけど、消費行動の特に「脳の中身」が何を考えてどのようなステップでモノを買うに至るかをこの本はまとめている。
たとえば、裕福なエリアに住んでいる少女は「多分賢い」と思い込んでしまう、という実験結果があるそうだ。これを脳はパターンを求めると意味付けている。すなわち、人は無意識のうちにカテゴリー化してしまう、ということである。(第5章)
これをマーケティング活動に活用するとすれば、拙著「なぜか売れるの公式」にも書いたようにハロー効果を用い、著名人やその道の第一人者に解説をしてもらうなどしてもらうことで、購買意欲をあげることにつなげられるのだ。これはブランドマネジメントをする際の「見た目の価値」の資産につながる「信じる理由」の一つにもなる。
このように、脳科学をマーケティング活動に応用することは可能になることが、この本には多くの実例とともに書かれている。
ニューロマーケティングを活用するときに気をつけるべき点
もちろんこのアプローチを活用する際には気をつける点(=ダウンサイド)もある。
生活者の消費行動の逆手をとり、「だまして買わせる」という姿勢にならないように気をつけるべきである。
たとえば、第6章「雰囲気の説得パワー」にある視覚への効果の中で、光の当て方によって野菜などを美味しく見せることができるとのこと。
これは,小売業などが用いるVisual Merchandising VMDと呼ばれる考え方などにも応用できる考え方で大いに活用できる。
しかし、この場合気をつけなければならないのが「売り手目線」にならないこと。
たとえば、少し古くなった野菜や、信頼できないところから安く仕入れたものを、よく見せようとして照明でごまかす、ということは本末転倒でやるべきではない。
自社の都合で物事を考えるべきではなく、あくまで「より美味しく見せる」ことを主眼に置くべきなのだ。
ビジネスで一番大事なことは「いいプロダクトを生産し顧客に価値を提供すること」。よく見せることは二の次なのだ。
この点をはき違えると、脳科学ニューロマーケティングも意味がなくなってしまう。
ビジネスにおいて「稼ぐ・儲ける」は目的ではなく、顧客や社会、自社を幸福にするための手段に過ぎない。このことを再認識したうえで読むと、非常に使える本なのだ。
おススメです。
■この本から学ぶこと■
- 消費者がモノを買う時には、論理的でなく感情的に行動する。そしてそれは脳が関係する
- 脳が関係するその行動にはいくつかのパターンがあり、覚えておくとマーケティングに活用できる
- しかし、あくまで顧客主導。自社の都合で考えない
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