Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

顧客ブランド養成講座
収益を好転させるマーケティングとイノベーション

カテゴリ:「CRM・ビッグデータ分析」の記事

1  2  3

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 伊藤公一朗氏 広告費配分の適正化にも使えるビジネスに必要なロジカルな考え方


ビジネスにおいて、数字で物事を語るという事が重要なのは間違いもないことだが、その数字の解釈の仕方、使い方、積み上げ方などなど、使い方を間違えると、結局のところ導き出して結論がごちゃごちゃになってしまうことが多々ある。

データ分析は、その目的を明確に分かっている事、そして何のために使うのかということを理解していないとこのようなことが起こる。

また、データ分析とはそうそう何なのかってことをわかっていないと、今のビックデータ時代においてはミスリーディングのもとになるということを私はこの数年痛感してきた。

本をまず冒頭に、データ分析で大雪になる心行とは、寿司職人の仕事に通じるとして、最低限必要なことを3つ挙げている。寿司に関して、素晴らしいネタを仕入れること、ネタの真実を生かせる包丁さばきができること、素晴らしいにて押し入れてもどのようなカットできるかと言う技能が必要だと言うこと、とのこと。

データにおいてもこれは同じことだと著者は言う。

このように、この本ではそもそも論を中心としてから語られている。

第1章ではアイスクリームの売り上げと広告の関係を用いて、因果関係を見誤ったときに、数千10,000に及ぶような投資が無駄になる1日で映画書いてある。ここで重要な事は、広告と売り上げの関係を、相関関係で見て読み誤る、因果関係で考えないといけない。このケースで言えば、売り上げに影響するのは広告だけではなく、競合の動きや、他に実施したプロモーションなどなど様々なものがある。

このことは、私もマーケティングマネージャー時代に、散々悩まされてきたことだ。

同様に、第2章では、ランダムグループ分けがデータ分析のカギになること、そしてその理由が明快に書かれている

この本には、事例や考え方だけではなく、理論に加えてその背景にある理由が明記されているためはらに落ちやすい。

やはり、ビジネスショー読む上では、このように考え方を理解するだけではなく、実際に自分のビジネスに当てはめてみたとき、どのようになるのかということを想像できる再現性が必要だ。

その意味でもこの本は、すべてのビジネスパーソンにお勧めの本である。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)

その情報、必要ですか? 最新刊!「8割捨てる!情報術」


*このブログの定期購読はこちらから → follow 
us in feedly *記事のブックマークはこちらから→  
このエントリーをはてなブックマークに追加

新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経 営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

まぐまぐ大賞2017年ビジネス部門で2位受賞!売れる理由を学ぶメルマガ

⇒ では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケ ティングに あり!という記事を毎週発刊しています。詳細はこちらから:

まぐまぐ大賞ビジネス部門2016年

関連記事はこちらです:↓

中小企業のIOT活用:ものづくりとモノゴトづくり:メーカーズ進化論

ここのところ頻繁に使われているキーワード「IOT」
Internet of Things の略で、いわば「すべてがインターネットにつながる」ということ。
10年前くらいからある「ユビキタス化」とほぼ同義語なのかと考えていたのだが、
まんざらそうではない、と最近考え直すようになった。

そんな中で読んでみたのがこの、「メーカーズ進化論」

章立ては、

  • モノが売れる
  • モノが作れる
  • モノゴトで稼ぐ
  • IOTとその先の未来

と、いたってシンプル。

しかし、この本の真の意味は「インターネットモノだけではなく、モノ+コト」につながる、と言っている点にある。

この点が面白かったので、掘り下げて書いていこうと思う。

モノが売れる・作れるの章の中で、
モノというのはそもそも「デザインと機能」で成り立っていて、
日本はその「デザインがダサい」ため、世界的な競争の中で埋もれているという。

一方で、IOTが可能にするのは「グローバルニッチ」
つまり、マスでの市場が無くても、付加価値をつけた製品であれば、
多少局地的なニーズのモノだとしても、どこででも販売が可能であるとも、言っている。

「モジュール化」もその一例で、
例えば、テレビは3つのモジュールがあればどこででも作ることができる。

クラウド・ファンディングも同じことで、
ただ単にネットを通して少額投資家を募ることではなく、
販売後の、マーケティング・コミュニケーションまでを考えに入れたうえで投資家を募ることで、
製品開発や企画のためのファンドを集めることが可能になった。

私たち中小企業にとって、IOTの考え方を取り入れ、
デキることが多くあることに気づかされる。

モノやサービスをユーザーが使う際のデータの収集にしても、
消費者の購買行動や、使っている様子から製品やサービスの改善につなげることもできるし、
次に買ってもらうタイミングを計ることもできる。
顧客関係性をマネジメントしてく上でも非常に有効なツールなのだ。

その意味でも、この本はIOTの考え方を広げてくれた名著である。

合わせて読むといいのは、週刊ダイヤモンド10月3日号。
こちらにはよりわかりやすい図解と、事例が掲載されている。

今すでに必須の考え方のIOT。
スピードもって取り入れることが、市場での優位性を得られることは間違いない。

   

マーケティング コンサルタント 理央 周

*このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly

*記事のブックマークはこちらから→ このエントリーをはてなブックマークに追加

「企業間取引 B to Bのマーケティング "営業"のついての最新刊売ろうとするから売れない


新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

売れる理由を学ぶメルマガ⇒ 「なぜか売れる」の公式バックヤード」 では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。詳細はこちらから:

1200x628_01_02.jpg

関連記事はこちらです:↓

中小企業のためのプラットフォーム戦略:顧客との関係性を深めるために

ザ・プラットフォーム ~IT企業はなぜ世界を変えるのか? を読了。

もともと注目していたビジネスモデルである「プラットフォーム戦略」について、
別な視点からも考えてみたかったので読んでみた。

【プラットフォーム戦略の中身と時代背景】

書かれている内容は、

  • プラットフォームとは何か~その定義
  • プラットフォームの共有価値観~アップルやグーグルに事例から
  • プラットフォームは世界の何を変えるのか?~シェアリングエコノミー
  • プラットフォームは悪なのか?~不安喚起など負の側面
  • 日本型プラットフォームの可能性~リクルートや楽天の事例
  • プラットフォーム消費とは~ニコニコ動画やミクシイの事例

といった内容である。

プラットフォームを知り、自社にそのコンセプトを取り入れるために読んでおくべき内容が網羅されている。

そもそも、顧客とは一度以上自社プロダクトを購入・契約したことがある人たち。
その顧客との良好な関係を、持続的に持つことが重要になる。
新規顧客を獲得するには、より多くのマーケティング的なコストがかかるからだ。

その手段として、これまで大半を占めていたのが、コミュニティ形成。
さらに「囲い込み」と言われる顧客層への包囲網である。

顧客に有益な情報を提供する、という大前提であればコミュニティ形成は重要だし評価もされる。
しかし、単なる囲い込みでは、ITが進化し透明性が増す現代においては、
企業側の意図があからさまに「見え」顧客側も心理的に引いてしまう。

なにより、囲い込まれることが好きな人は少ない。
駅のプラットフォームに、好きな時に好きな駅で乗り降りするように、
これからは「オープン性」が高く評価される。
今すでに、なのかもしれない。

好きな時にiTunesでアプリを買ったり、フェイスブックでコメントをする。
その方が強制されるよりも多くの人を惹きつける。

【中小企業がプラットフォーム戦略をとるには】

では、このようなプラットフォームはアップルやグーグル、フェイスブックにしかできないのだろうか?

規模を追い求めない限りはできるはずである。

基本的には、

  1. オープンに自社の価値を提供できる場所を提供する
  2. 顧客に有益な情報やサービスを提供する
  3. リアルとITを融合させる

ことで、顧客へのコミュニケーションをとり続けられる。

重要なのはオープン性とコンテンツの質の高さなのだ。

弊社のコンサルティング提案の軸にもしていく、
これから必須の考え方になるプラットフォーム戦略。
理解するための第1歩としての良書である。

マーケティング コンサルタント 理央 周

*このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly *記事のブックマークはこちらから→ このエントリーをはてなブックマークに追加

「企業間取引 B to Bのマーケティング "営業"のついての最新刊売ろうとするから売れない


新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

売れる理由を学ぶメルマガ⇒ 「なぜか売れる」の公式バックヤード」 では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。詳細はこちらから:

1200x628_01_02.jpg

関連記事はこちらです:↓

進撃の巨人17巻:CRM顧客関係性マネジメントは中小企業の強い味方

進撃の巨人17巻 さっそく購入。
4カ月待っただけあって期待以上の面白さだった。

ネタバレをするといけないので、ストーリーは書かないけれど、
これまでの謎が一部解けると、また次の謎が洗われるという感じ。
月刊誌に連載されているため、ストーリーにインターバルがあるからなのか、
だんだんと面白さ新鮮さがなくなってくるマンガが多い中、
飽きさせない展開がとてもいい。

【CRM=顧客関係性のマネジメント的には】

進撃の巨人は約4か月に一度新刊が発刊される。
なので次は12月9日の予定だし、この17巻は16巻の最後のページに「8月9日発売」と書かれている。

ボクは、1日早くたまたま機能書店で見つけたので、即購入。
駅に娘を夕方に迎えに行った時も、
「進撃の巨人の17巻が出てたけど、お父さんが買うと思ったから買ってないよ」
と家族までが知っている。

もし、あなたが書店の担当者だったら、17巻を売るために何をすべきか?
店頭に大きくスペースをとりPOPを貼る、
その通りです。

さらに、顧客データがあれば、

1~16巻を買った人にすすめる
似たようなマンガを買った人にすすめる
進撃のアニメを買った・借りた人にすすめる

など、より購入に近そうな人にすすめると、さらに購入の確率が高くなる。
こういった考え方を、CRM(=Customer Relationshio Management 顧客関係性のマネジメント)という。

アマゾンのレコメンデーションメールなどは、この手法を活用して送られている。

【中小企業は何をすべきか】

上記のように、顧客の購入履歴や傾向など、巨大なデータの分析をすることを、
「ビッグデータ分析」という。
大企業は、資金と人、時間をかけてやればいいが、
私たち中小企業は何をすべきか?

少ないデータでいいので、同じ考え方を使い分析すればいいのだ。
つまり「スモールデータ分析」である。

昔、タバコ屋のおばちゃんが店頭に来たおなじみさんに、
「はいよ、ハイライトだったね」
と渡していた感覚と同じである。

新規顧客の獲得は必要だが、既存顧客の再購入はより重要である。
さらに、マーケティング的なコストが低くて済む。

CRMは中小企業の強い味方なのだ。

マーケティング コンサルタント  理央 周

*このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly

*記事のブックマークはこちらから→ このエントリーをはてなブックマークに追加


新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

売れる理由を学ぶメルマガ⇒ 「なぜか売れる」の公式バックヤード」 では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。詳細はこちらから:

1200x628_01_02.jpg

関連記事はこちらです:↓

大福帳は江戸時代のビッグデータ分析:操業300年を超える味噌の老舗岡崎のカクキュー

創業300年以上の八丁味噌で有名な、愛知県岡崎市「カクキュー」さんの工場見学で、

江戸時代から脈々と続けられてきた老舗調味料メーカーのマーケティング施策に関して触れる機会があった。

*味噌を熟成・保管する蔵はこのような形で趣十分。歴史を感じさせる。
室温などの調整は無しとのこと。夏でもひんやりしている。

【宣伝物】
宮内庁御用達の制度があった頃から、カクキューさんはこのような宣伝物を掲示していたとのこと。

これ以外にも、地元ゆかりの蜂須賀小六と豊臣秀吉がまだ日吉丸と名乗っていた頃のクリエイティブが使われているかっこいいポスターなどが飾られていた。

インパクトのあるイメージと、コピーの鋭さから、
当時からセンスある広告宣伝をされていたのだと、実感。
現在の規模で操業されているのも理解できる。

【大福帳】

こちらが、当時使われていたという大福帳。
江戸時代から使われている顧客データベース。
江戸時代、商人は店が火事になると真っ先に大福帳を抱えて、井戸に逃げ込み焼けることから守ると言われていたほど重要視していたとのこと。

僕自身、CRMを教えていたり講座などで顧客データベースの重要性を話しているものの、
実際に現物の大福帳を見るのは初めて。
江戸時代からビッグデータ分析をしていた、というのがなんとも興味深い。

近江商人の「三方よし」と同じで、当時の商人たちは顧客の重要性、
特に一度買ってくれたお馴染みさんを大事にするということが商売なんだと知っていたのだ。

*大福帳の意味

そもそも大福帳とは、江戸時代から明治大正の頃まで使われていたという、
「帳簿」の一種で、中には顧客名、何を、いくつ、いくら売ったのかという記録がされた。
いわば、顧客データベースである。

以下が詳しい説明。

〜「世界大百科事典 第2版の解説」より;

江戸時代から明治・大正のころまで一般に行われた帳簿の一種。当時の帳簿は問屋,仲買,小売によって異なり,また営業の種類によって種々の差はあったが,およそ大福帳,買帳,売帳,金銀出入帳,判取帳,注文帳,荷物渡帳の7種に大別された。大福帳は売買両帳および金銀出入帳を総括するもので,本帳または大帳とも呼ばれ,その用法は売掛けを総記するにあった。すなわち大福帳には口座を設けて商品の品目,数量,価格などを売帳から各人の各口座に転記し,その代金収入は金銀出入帳から登録し,これによって差引計算するもので,顧客との取引状況をこの帳簿によってはっきりさせるためのものである。


案の定、大福帳は読んで字のごとく「大きな福」を呼ぶことからきた名称らしい。

〜「大辞林 第三版の解説」より;

〔福分を祝う意〕
商家で,売買の金額を書き入れる元帳。

「顧客データベースが福を呼ぶ」と命名したところからも、
江戸時代から大福帳の重要性を感じていたと言える。

【マーケ的には】

ビジネスを始めたばかりの方や、新製品を開発したり、新規事業を起こしたりする企業は、
えてして新規顧客を獲得したがる。

もちろんそれは必要なことだが、それよりも先に既存顧客に契約・購入してもらうことが肝要。

新規顧客に対しては、自社の特徴と優位性をイチから教えなければならない。
したがって、周知のための広告宣伝や営業努力などの、
マーケティング的なコストがかかるのだ。

であれば、まずは既存客から、そして新規顧客は既存顧客からの紹介を促す仕組みを造る。
一見さんよりもお馴染みさん。
これが商売の基本なのだ。

 

このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly

マーケティング コンサルタント 理央 周

新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

売れる理由を学ぶメルマガ⇒ 「なぜか売れる」の公式バックヤード」 では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。詳細はこちらから: 


1200x628_01_02.jpg


このエントリーをはてなブックマークに追加

 

関連記事はこちらです:↓

1  2  3