Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

顧客ブランド養成講座
収益を好転させるマーケティングとイノベーション

カテゴリ:「広告宣伝・販売促進」の記事

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即買いされる技術キャッチコピーは売りが9割コピーライター弓削徹さんの著書

営業やマーケティングの実務担当者が、
ホームページやチラシ、カタログなどを作るときに、
意外と悩むのがキャッチコピー。


一方で、本来悩むべきところとは、
「違うポイント」で悩んでいる場合も多いのが事実。


「文字数が多くなってしまった」
「漢字が多くなってしまう」
「かっこいい言葉が思い浮かばない」
といった具合です。


しかし、マーケティングコミュニケーションにおいて、
まず考えなければならないのが、
自社だけが顧客に提供できる強み、
すなわち"ウリ"ということになる。


この本の帯にもあるように、
自分の製品やプロダクトやサービスの強み、違い、
すなわちウリをどうやって見つけるのか、
それをどう伝えるのか、
が、本来まずさいしょに悩むポイントだ。


著者の弓削徹氏は、
製造業に特化したマーケティングコンサルタントであり、
かつ、コピーライターの経験もある二刀流で、
どちらもいける方だ。


以前書かれた「キャッチコピーの極意」という本が、
使えるコピーライティングの本ということで有名なので、
この本も読んでみた。


こちらの本は、サブタイトルにもあるように、
自社製品やサービスのウリを、どう見つけていくか、
そしてそれをどうキャッチコピーとして表現していくか、
について、ステップを踏んで書かれている。


マーケティングを学ぶ段階で、
本を読んだりセミナーにいったりすると、
まずは、「強みを書きましょう」、
「違いを出そう」とよく言われるはず。


しかし「そうは言ってもなかなか難しいですよね」
というのが、多くの人の本音だろう。


同時に、自社の強みはあまりにも自分に近いところにありすぎて、
実務担当者には見えてなかったり、
気づいていなかったりすることも、よくある。


このような実務家たちの悩みや盲点について、
「ここを押さえましょう」
「この点に気づきましょう」というポイントを押さえて、
段階的に説明しながら、
キャッチコピーの書き方を説明しているのが、
再現性が高いと言える。


例えば、まずニーズがあり、
次に、より具体的な「ウオンツ」になる。
そしてウオンツを持っている人たちの中で、
どうしても欲しい、必要だ、
と考えている人がいると著者は説く。


すなわちニーズは市場の大きさ、
ウォンツはその具体的な欲求、
そして著者がいう、"切実"すなわちデマンドとは、
買う直前や、意思決定をする前に、
価格がいくらだとか、
実際にその製品やサービスを購入した後に、
自分にとって効用があるのかどうかということを考えることになる、


それを著者は「切実」と呼んでいるところがわかりやすくていい。


ひとことに「ウリ」といっても、
製品の機能的な特徴や、
スペックについての優位性を考えてしまう人多いが、
著者が言っているウリとは、
顧客が使用時や後に感じる価値や効用、
すなわちベネフィットを指す。


そこを著者は、製品の効用や、使用感や効果を見つけ、
それをウリとせよと言っているのだ。


このコンセプトをベースに、著者はこの本の最後に、
ワークシートをつけている。


このワークシートは、いくつかの部分に分かれているのだが、
中でも良いのは、まず自社のウリについて、
棚卸しをすることを勧めているところだ。


研修やセミナーでワークシートを使う講師の方も多いが、
受講者からすると、
「いきなりウリを見つけてください、と言われても、
そう簡単にはできないよ」と言うのが本音だと思う。


まずはすべて棚卸しして、そこから整理整頓をしていく方が、
抜け漏れやダブりもなく、
また自分の頭の中の思考の見える化にもなる。


その意味でも、再現性の高い1冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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マーケティング・コミュニケーション第3講:英語で大学院のマーケティングを教えるということ

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今日は、関西学院大学 専門職大学院 経営戦略研究科、
国際経営コースでの「マーケティング・コミュニケーション」第3日目。

まずは、先週の宿題の「ケロッグ スペシャルK」のケーススタディを、
グループで発表。

4人1組のグループで、
顧客価値、ターゲット像、戦略立案と、目標設定、
について5分の発表。


今日で3日目にしては、学生たちもこなれてきていて、
ポイントを押さえたプレゼンができるようになっている。

毎回感じるのが、多様な学生たちの様々な視点。
国際経営コースは、講義を全て英語でやるため、
留学生が大半。
年齢や性別、国籍、文化的な背景や職務経験がバラバラなので、
学生同士が、お互いに刺激しあえるのがいい。

「そうくるのか!」と、思いも寄らないことに、
気づいて発表してくる意外性が、ボクには新しい。

コミュニケーション戦略。

自社ブランドの状況によって、顧客とのコミュニケーションにおいて、
すべきことは変わってくる。

市場に認知されていなければ、浸透することが必要だし、
浸透していれば、そのカテゴリーで一番に思い出してもらえることが必要。

また、ブランドについて詳しく知ってもらうことをしなければ、
差別化はできないし、
正しい顧客層にあたっていなければ、成果につながらない。

こういった内容を5分にまとめてプレゼンをさせることで、
簡潔に、いうべきポイントをまとめ伝える訓練にもなる。

もう1つのテーマは、ポジショニング・マッピング。

市場において、自社とライバルブランドがどのような競争状況にあるのかを、
見える化して、次の一手につなげる。

市場機会を見つけたり、新しい市場に移動したりする、
チャンスにつなげていくための、手法だ。

このあたりは、マーケティング戦略の心臓、と呼ばれることもあるくらい、
大事な考え方。

ポジショニングのマッピングは、戦略フレームワークとして長く使われている。
消費財のマーケターの中には、もう使いませんよ、
という人もいる。

しかし基本、という意味においては、
これを知っていなければ、自社の立ち位置を掴むことはできない。

学生たちはいつも、マッピングの軸の取り方に苦労するが、
最初は、顧客が感じる価値と、価格に感じる価値とで、
マッピングの軸を決めることから始める。

ポジショニングには、正解がなく、
いろいろと、軸を変えて試してみるうちに発見ができる。
その訓練にしてもらうのだ。

来週の宿題は「レゴ」の市場でのポジショニングと、
メッセージ開発。

グループワークで、どんな意見が出るのか、
今から楽しみです。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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マーケティングを身につける時に学ぶこと〜お客様が買うまでの心の動き

今日は関西学院大学 専門職大学院(ビジネススクール) 国際経営コース、
での春学期の講義、「マーケティング・コミュニケーション」2日目。

関西学院大学 経営戦略研究科 

テーマは、以下。
ー 消費者の意識決定の仕方

マーケティングは、「どうやって売るのか」という手法ではなく、
「人」について考えるアプローチ。

なので、まずは市場にいる消費者、生活者が、

  • 自分に必要なことに気づき、
  • 情報を調べ、
  • 買う前に自社やライバルの製品やサービスを評価し、
  • 買い、
  • 使い、
  • クチコミをする

という一連の心の動きをおさえることから始める。

ー セグメンテーション

市場にどんな人たちがいるのか、
を、属性、地域、心理、行動の4つカテゴリーの中にある、
「セグメント」に区分する

ー ターゲティング

上記の各カテゴリーの中から、自社製品やサービスに響きそうな「セグメント=区分」を選び出し、
1つの塊(=ターゲット層)にする。
具体的には、
「都心に住む20代の、健康志向のOL」
といった具合。

こういった考え方をよりはらに落とすために、
ケーススタディをやる。

今日は、アマゾンプライムのTVCMを、
グループディスカッション。

ZOOMでは、ブレイクアウトセッションができるので、
12名を3チームに分けて実施。

3チームに顔を出すたびに、彼らの真剣なディスカッションを聞ける。


関西学院大学 経営戦略研究科の国際経営コースでは、
全ての講義を英語で行うため、
今期の私の講義を受講する12人中、10人が留学生。

彼らからの様々な角度から、多様な意見が出てきたのが面白かった。

また、20分のショートディスカッションなのに、
1チームはその短時間で、スライドでプレゼン。
なかなか、やるな、という感じ。

1つのCMを分析しても、3つの全く異なる視点からの意見は、
教授のぼくにも、インパクトがあった。

そして、異なる意見を出したクラスメートと、
真剣ににディスカッションできている。
学び取りたい、というポジティブな姿勢がそうさせているようだ。

この辺りも、学生から学べることがとても多い。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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マーケティングコミュニケーションの講義での留学生たちとの日々が始まった

今日から、教授をしている、関西学院大学 経営戦略研究科(ビジネススクール)の、
国際経営コースでの春学期の講義が始まりました。

前半は、「Marketing Communication」
顧客とのコミュニケーションです。

今日、初日の講義は自己紹介から。
学生たちそれぞれの、専攻、これまでの経験、
そして学位取得後の短期と長期のキャリアプランを知っておくことで、
講義を、個々の学生にカスタマイズした内容にするためです。

次に、コースの全貌を説明。
最初に全体像を理解させ、今から7週間で自分が何をするべきか、
何を得ることができるのか、
どのようにクラスに貢献できるか、を腹に落とさせることが目的です。

私のクラスの進め方のポリシーも説明。
とにかく、アウトプットすなわち、自分の意見を言うことを重視。
意見をいうことで、自分のため、教授のために加えてクラスメートのためになります。
そして、リーダーシップ をとること。
社会に出ると、いやでも組織の中で、また対外的にも「人と関わる」ことになります。
管理することではなく、リードすることを、学生のうちに学んでもらおう、という狙いがあります。

初日には、評価基準も説明します。
私は、レポート提出と、チームプレゼンテーションに加えて、
講義での発言など、いかにクラスに貢献したかも重視します。


県をまたいでの通学になるため、私は今期もリモートでの講義。
学生たちも慣れてきたもので、スムースにコミュニケーションが取れます。
今期も、多士済々で、バックグラウンド、国籍、年齢など多様性にとんだメンバーが集まりました。

そして、今日の講義はまず、
マーケティングコミュニケーションの定義。
私の講義では、マーケテティングの理論での用語について、
クラス内で共通認識を持つために、毎回定義をしていきます。

抽象的であいまいなことを、あいまいなままで進めていくと、
最後まで、あいまいなままで終わることを避けるためです。

次に、消費者心理の動きと、購買での意思決定について。
AIDMA、AISASといった「売るため」のフレームワークを学ぶ前に、
マーケティングで最も重要な、顧客の心理についてはら落ちさせます。

消費者、生活者が、ニーズに気づき、商品を知り、興味を持ち、
評価をし、比べて、買い、使い、口コミをするという、
一連の心の動きを理解しないことには、
良いメッセージも作れないし、最適なメディアを選ぶこともできないのです。

そして、今日の事例はアップルの「ハローマック」キャンペーン。
カジュアルな服装でクリエイティブな装いのマック役の方と、
ネクタイにスーツ、真面目そうでぽっちゃりしたPC役の方の、
掛け合いのCM。

製品やサービスの詳細やスペックはほとんど出てこないけど、
シニカルでユーモラスな比較広告をみて、
学生たちに、このCMの目的、狙い、戦略を想像させディスカッションする。

毎回思いもよらないや、想定していなかった回答が出てくるのが楽しい。

この国際経営コースでは、全て英語で講義をするため、
9割が外国からの留学生、
ということもあり、まさに多様性のど真ん中。
私にも大きな刺激になる。

これから7月まで、自分の息子と同年代の若者たちと切磋琢磨する季節に。
楽しみです。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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脱値引き合戦 どうしたら価格競争から抜けられるのか?ブランドに付加価値をつけるヒント

私が料理をやるってこともあって、先日充実した朝食のためにホットサンドプレートを買いに行った。

家電量販店の、調理用品グッズのカテゴリーの中に、ほぼ一律ホットサンドメーカーがありそこには10商品以上が並んでいた。

ディスプレイされていたのは、現物と価格だけ。
そこでは、商品のデザイン見た目ルックスと、価格しかわからないのだ。

価格は、3000円くらいから始まって、高いものでも10,000円前後くらい。
大半が3000円台の価格帯の、ほぼ横並びの価格だ。
これでは、初めてホットサンドメーカーを買おうとする私には、どれが1番自分に向いているのかわからない。

もちろん、口コミサイトを見れば星がいくつとか、使い勝手のよさとか、
価格との相対性など、多くのコメントを書かれているが、どれも似たようなものだ。

そんな中で、私が購入したのがこちら。
Toffyのホットサンドメーカーだ。

決め手になったのは、この商品のすぐ横に置いてあったレシピのカタログ。

表紙はこんな感じ。
イラストで書かれた商品とホットサンド、ドリンクが感じいい。
ロゴも凝っていて、デザインブックのよう。

中を開けると、製品そのものの使い方が、写真とともに書かれている。

そして何よりも、おいしそうな写真とそのレシピが様々載っているのがいい。

私は、ホットサンドといえば、ハムにチーズを挟み、キャベツをのせて、マヨネーズとマスタードを塗って焼く、というものだと思い込んでいたが、こうやってみると、ホットサンドとひとくちに言ってもかなりの種類があることが分かる。

しかも、どの写真も美味しそうで、思わず作りたくなるのだ。

今回私がホットサンドメーカーを選ぶ決め手になったのは、このレシピ・カタログだ。

私はホットサンドメーカーを買いに行ったのだが、
欲しいのは、ホットサンドメーカーそのものではない。

本当に欲しいのは、美味しいホットサンドがある、「楽しくて充実した朝のひと時」なのだ。
この点を店頭でコミニケーションできていたのは、この機種ただ1つだった。

基本的に、企業が売りたいものと、顧客が買いたいものは異なる。
この場合でいえば、売りたいのはホットサンドメーカーだが、
顧客が買いたいものは、
「美味しいホットサンド」だったり、
「ホットサンドがある充実した朝ごはんのひと時」だ。

マーケティングをしていると、どうしても「売らなければ」と考え、自社製品の特徴や価格の安さを強調しがちだ。
もちろんそれらは、顧客が買う上で重要な要素だが、それだけでは他と比べられて最後は「安い方」に決められてしまうことが大半だ。

製品を買ってからの「顧客が体験する様子」を、写真やキャッチコピーなどのイメージでコミュニケーションすることで、顧客はまず自分がこれを使ったらどうなるのか?を想像する。その後、機能やスペックを確認するのだ。

単なる機能の比較による、値引き合戦から抜け出るための、いいヒントになった。

さて、このホットサンドメーカーで充実した朝をこれから送ろうと思う。

(Toffy ホットサンドメーカー)

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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