イノベーションとは、新しい価値を創造すること。
価値を創造し、運用して成果を出してこそ、初めてビジネスとしてのイノベーションは成り立つと言える。
この本では、その意味でのイノベーションの
- 本来の定義
- 開発創造のフレームワーク
- そしてやってはいけないことと、やるべきこと
が、とても簡潔にまとめられている。
そして何より、イノベーションそのものを起こし実践するのは「人」だと言うことをはっきりとうたっている点が本質的で、再現性が高い内容になっている。どのような人材が、必要で、どのような考え方を持ち何をしていくべきなのかをまとめている点だ。
私がチェックしたすぐにでも使える「役立つキーワード」は、少なくともこれだけある;
- 新結合は、手段であって目的ではない
- イノベーションとは、本業革新や新規事業による社会的、経済的価値の創造だ
- イノベーション活動は、大きく構想と実行の2つのプロセスに分けられる
- イノベーションを阻む5つの課題がある52ページ
- 答えはオフィスの中にはないスペーススティーブンブランク4
- 価値仮説を構成する三要素は、対象者(顧客)、対象者の環境、対象者の体験
- イノベーション人材に求められる3つの能力とは、デザイン思考力、ビジネスモデル構築力、リーンスタートアップ推進力
- デザイン思考5つのステップは、共感、問題提起、創造、プロトタイプ、実証
- リーンスタートアップとは、学習から構築から計測を繰り返し行うための方法論
また、144ページにある、あなたの会社はイノベーションを起こせる会社かどうかという4つの質問のチェックリストはすぐに使える内容だ。
弊社も、新規事業の創造や、新製品開発のコンサルティングを依頼されるが、
どの企業も、課題は「人材」だ。
それも、能力の問題ではなく、経験の問題が大半。
大手製造業に見られるのは、「新しく事業開発をしたことがない」という人材が多い。
そして多くが、とても有能な人材だ。
ここで壁になっているのは「うちの会社ができること」から出発する点にある。
プロダクトを出す、のではなく、何が市場で求められているのか、という顧客の需要の探り出しから始めるべきだ。
それを発見できるのは、ITでもAIでもなく、人間の洞察力。
この点を深掘りし、見える化しているのがこの本である。
製造業に限らず、新規事業創発、売り上げ低迷に悩む営業部長、人材に悩む人事部長など、
多くの職種に関わるビジネスパーソンにオススメの一冊だ。
マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)
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