Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

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カテゴリ:「企業研修」の記事

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スタンフォードが中高生に教えていること 星友啓氏著

企業研修、大学院での講義、講演、セミナーなど、
社会人のための、マーケティング、事業計画作成のために、講義をすることが多い中で、
私がいつも努めているのは、「どう伝えれば、受講者(=従業員、学生、セミナー受講者)のはらに落ち、次¥仕事で使うことができるのか?」という点。

そのために、単に情報を提供することではなく、受講者ひとり一人が考えるきっかけとなることを目指している。
受講者が、レクチャーを聞き、考え工夫をしながら、受講者同士でディスカッションをし、考えたことをアウトプットする、という形式の「アクティブ・ラーニング」というスタイルをとっている。


知識を得ることは重要だが、それでは学校での勉強と同じだし、知識だけであれば書籍やインターネットから自由に手に入る。
社会人の学びは、実践することとセットでなければ意味がない、と私は考えている。

なぜなら、「はじめに」に書かれている「生き抜くためには、次々に生まれる新しいゲームに適応し、作り出せるゲームチェンジの力が必要」というこの本の本質が、社会人の学びには必要だからだ。

この本ではさらに、スタンフォードが中高生に、具体的にどうやって教えているのか、がまとめられている。
このうちのいくつかが、社会人に学びの場を提供する私にとってとても参考になる。

その一つが「反転授業」だ。
反転授業とは、授業中に教えるのではなく、学生に予習をさせ予習でやってきたことを活かす授業にする、ということ。
私が学んだ米国インディアナ大学のビジネススクールもそうだったが、膨大な宿題を課され、講義中はディスカッションのみ。
後になって考えてみれば、このやり方で身につくのは、考えたことを形にしてアウトプットする力と、他人の斬新なアイディアに気づけることだ。

204ページにある、哲学者のジョン・デューイの、
「学習とは、学習者が何かを成し遂げることだ・それは能動的で、学習者自身によって成し遂げられる出来事だ」
という言葉に凝縮されている。

アクティブラーニングのアクティブとは、「活発な」という意味よりも、
「学習者が、自ら、能動的に」という意味なのだ。

スタンフォードでは、この反転授業をオンラインスクールにも取り入れているとのことが、素晴らしい。
私もオンラインスクールを構築しているし、
関西学院大学のビジネススクールでの講義は、2020年春学期以降は全てZOOMでやっている中で、
今も感じることは、双方向でのディスカッションやグループワークの発表が、
対面でのリアル講義と比べて、まだまだやりづらい点だ。

しかし、反転授業を取り入れ、さらに発展させていけばこの問題は解決できる。

その意味でも、もう1点興味深い事柄がこの本には書かれている。
それは、「テスト」は能力評価のためのものではなく、
受講者が学んだことを生かし、考えを広げるためのものだ、という点だ。

確かに、テストでそれまでの研修内容をどれくらい覚えているか、というのはそれほど重要ではない。
それよりも、振り返りで自分の弱点を知ること、
それをどう克服するか、が大事なのだ。
その点をついた、非常に重要なテストのあり方の説明だった。

この本は、哲学者の方が書いている。
スタンフォードでは、根本や意義について深掘りをする哲学の考えが根底にある教育プログラムが組まれているため、このような実際の社会で役立つプログラムになっているのだろう。

その意味でも、教育に携わるものが一読すべき内容になっている。


マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周

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リモート研修、オンラインセミナーでZOOMを使う理由:マーケティングアイズの研修ポリシー

ZOOMセミナー.JPG

マーケティングアイズでは、社員研修、スクール、セミナー、勉強会などを定期的に開催しています。

弊社では、受講者との双方向性での会話、受講者の発言を促していくことで、
"気づき"を得て、"工夫するくせ"をつけてもらうことを 教育事業のポリシーとしています。
こういった、アクティブ・ラーニングの手法を取るため、
これまでは、リアルな場で対面での講義を中心にしてきました。

しかし、コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、非常事態宣言も発令され、
講師と受講者が対面するリアルな場所での、集合研修、開催は、
コロナウイルスの感染拡大が落ち着くまで控えるべきだ、と考えます。

弊社では、以前よりオンラインでのコミュニケーションに関しては、
SkypeとZOOMを使い分けてきました。

Skypeは、「電話」として発達してきたこと、私が長く使っていることもあり、
自分対複数の場合のミーティングで主に使ってきました。
個人的には、自分も入れて3名くらいまでの簡単な打ち合わせ、コミュニケーションにとても向いているツールだと感じています。

ZOOMは、ウエブ・セミナー(ウエビナー Webinar)として発達してきた背景もあるため、
主催者から、多人数への発信の場合に使い勝手がいいと感じます。
実際に、数年前に私にZOOM活用を教えてくれたのは、シアトル在住の講師の方。
アメリカでは、町と町との距離が長く、移動に時間もかかるため、
セミナーに気軽にいくことが難しく、発達してきた、という背景もあるようです。

なので、弊社ではセミナー配信、勉強会、社員研修にZOOMを使っています。
私が代表理事を務める、一般社団法人 最適経営学践協会の月例勉強会でも、
3月実施の会から、ZOOMで配信をしています。

また、社員研修の場合でもかなり使い勝手が良いと言えます。
弊社の場合、愛知県に本社があるクライアント様の四半期に一度の5時間の営業研修においては、
本社勤務の方には会議室で対面で受講していただき、東京営業所のメンバーにはZOOMで参加、
という形をとったこともあります。

ZOOMの使い勝手の良さとして3点あげていきます。

  1. 受講者の名前がビデオにも表示されるため、講師から"当てやすい"こと
  2. スライド(私はキーノートですが、パワーポイントやPDF)を受講者と共有する場合の、双方への見え方が見やすいこと。
  3. 受講者の音声の方を一時的に出ないようにすることができるミュート機能があるため、複数が同時に発言すると聞きづらくなることを防げること。

アクティブラーニングでは、事前の準備、受講者の講義への参加、
ワークシートの書き込みと発表などを受講者にしてもらうため、
このような機能がとても便利です。

そして、ミーティング、セミナーの開き方から、上記の操作まで、ユーザーが複雑な知識がなくてもできる操作性の高さが、ここ数年の広がりにつながっているのだと思われます。

一方で、以前から言われていたZOOMのセキュリティに関しても、問題が露見してきました。

私が自分で調べたところによると、問題の多くは、

  • 部外者がオンライン会議に乱入
  • 不適切な動画などを挿入された
  • 動画内で共有された重要情報、個人情報が漏洩された
  • 以前ZOOMがフェイスブックでのユーザー情報を送信していた

と報道されています。

この問題の原因の多くは、

  • 部外者がSNSなどでURLを知り乱入
  • 共有されている動画においての漏洩

であると考えられます。

したがって、

  • リアルに集まることは感染防止の観点から好ましくないなか、
  • オンラインでの開催は継続していく
  • オンライン会議アプリケーションでは、講師、受講者共に総合的に考えるとZOOMの使い勝手が最も良いため、
  • 弊社側として、最大限のセキュリティ努力をして、ZOOMで開催する

ことにしています。

弊社としては、クライアント企業様、スクールの受講者に向けても、

  • ZOOMのセキュリティ対策をできる限りやった上で開催したいことを伝える
  • 受講者さんの方にもセキュリティ対策をした上で臨んで欲しいことも伝える

たとえば、
弊社では、ウエビナー、個別ミーティング、研修の際も、

  • 弊社の方で基本的にはミーティングを招集させていただき、
  • URL、ID、パスワードを発行し、
  • SNSなど不特定多数がアクセス可能なメディアではなくメールで個別に伝える
  • その際、IDとパスワードは個別のメールで伝える こととしています。
  • さらに、ZOOMのソフトウエアをアップデートする、ことを相互に実施しています。

このように、弊社と受講者、参加者の相互努力で、より良いオンライン会議が実施できると思っています。

コロナウイルスにより、世界は未曾有の危機に直面していると言っても過言ではありません。
弊社も含め、中小・零細企業にとって、過酷な時期、リスクにさらされています。

一方で、私たちはこれまで、多くの危機を乗り越えてもきました。
私たち経済人にできることは、限りなくあります。

経済とは、経世済民。
人間に与えられた特権である、知恵と工夫で乗り切り、より良い社会を取り戻したいものです。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 専門職大学院 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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最新刊「なぜ、お客様はそっちをかいたくなるのか?」~二択クイズでMBAのエッセンスを身につける!

マーケティングとは組織革命である森岡毅氏著 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド

まずこの本には、企業にとって

「なぜ、マーケティングが必要なのか?」
「本当のマーケティングとは何か?」
「どうすればいいのか?」
「その結果が何を生むのか?」

に対する答えが書かれている。

マーケティングは、戦略だけではうまく機能せず、もちろん手法論でもない。

企業活動で、マーケティング担当者1人だけがマーケティングを理解すればいい、というわけではなく、
マーケティングマネージャーはマーケティングのことすべてを、
営業部員であれば、マーケティングの本質的なこと、
たとえば、顧客は何が欲しいのか、どのように期待を超えることができるのか、
を理解して営業活動に動くべきだし、
ファイナンスや経理といった会社のカネ扱う部署においても、
投資対効果を考えて意思決定をするときの「判断基準」として、
その投資が顧客のためになるかどうか、という視点でも数字を計算したほうがいい。
また、人事部においても、顧客視点であることを理解させる社員教育プログラムを組むとか、
あるいは組織体系に置いて評価をの中に顧客への姿勢、視点などを入れていく、
という意味においてもマーケティングを理解しなければいけない。

このような点が、ヒューレットパッカードの創業者が、
「マーケティングはマーケティング部に任せるには重要すぎる」
と言った所以だろう。

マーケティングに特化したコンサルティングや、研修を提供している中で、
戦略や手法の部分を、理論と事例を交えて伝えていくことになる。
そして、経営者や事業本部長クラスの方々は、その点をご理解いただけることが大半だ。

しかし、そこから企業としてマーケティング戦略を立て、
戦術に落とし込み、施策を考えて実践し、PDCAを回していく。
したがって、社内にその考え方をどう浸透させていくことが必要になってくる。

実際に企画をし、戦略を戦術や施策に落とし込むリーダー、マネージャーたちがトップの考える理想のマーケティング企業の姿を理解した上で動けないと、て運用していくことが難しい。

多くの企業が、運用フェイズで「壁」に当たる。
マーケティングは、組織全員で取り組む課題であり、事業戦略のひとつなのだ。
なので、この本で森岡氏が言っている「マーケティングは組織革命だ」と言う点に大きく共感する。

この本では、企業における様々な問題が提示されている点も参考にできる。

「強いマーケティング部さえあれば、マーケティングができるようになると思っている企業が多いが、現実はそうではない。その原因は組織の構造や鹿意思疎通回路がうまくいってないから」
「本来は、作ったものを右から、売れるものを作る会社になればいいなと思い込んでいる」
「消費者とプロダクトは双極性の関係になる」など、多くの金言と事例で説明されている。

この本のもう一つの特徴は、マーケティング的な組織モデルを「人体」に例えている点にある。

「感知、判断、行動というサイクルを、人間がやるように企業内でも「超高速」で回すべきだ」
「人間の脳は動物の本能として、変化を拒むようにできている。すなわち脳が、体にかけるブレーキがイノベーションを生み出せる発想を阻む」
など、難しい言葉をつかわず理解できるように第1部は進んでいく。

これらのことは、P&Gでの著者ご自身の体験と理論が、USJにおいては最初はうまく機能しなかった部分があるところから語られている。その点が、理にもかなっている上に経験に裏付けされているので、読んでいてとても腹に落ちるし、仕事に使える要素になっている。

この本は、マーケティング担当者だけではなく、経営者や起業家、企業の人事部の方々にもぜひ読んでもらいたい本である。

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

☆ 理央 周の新しいプロジェクト「マーケティング・プラス」5月20日より始動!
→ マーケティング・プラスとは?

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テキトー母さんのすすめを「組織のリーダー論」に置き換えてみた

「一人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ」を読んでみた。

ツイッターで友人がアップしていたのを発見し、「テキトー母さん」というネーミングに惹かれて買ったこの本。ボク自身、大学4年の息子と中3の娘がいて,彼らがまだちびだった頃のことを思い出しながら読んでいた。

各項目を読んでみると、ボクが親としてやってきたこと、やった方がよかったなと感じたことなどが多く書かれている。

そこでふと、これを社員研修に置き換えて読んでみてはどうだろうと思い読み返してみた。
そうなるとこの本は「リーダー論」になる。ボクにとっては、最近依頼いただくことが多い、営業員の視点を売り手目線から買い手目線に変える、という研修企画に応用できるのである。

テキトー母さんをリーダー職の課長や部長、子供をメンバーの部下として置き換えてみル,という意味である。使える内容はかなり多いし、なによりお母さんならではの「新しい視点」も数多くあった。

  • 分かりにくく言わない
    • これは当たり前だけれど、部下が理解しなければ行動できないので意味がない。したがって、リーダーは自分自身の肚に落とし理解してから伝える。
  • 子育てセミナーを鵜呑みにしない
    • 権威が言っていること、他社の情報を鵜呑みにせず自分なりに解釈する
  • うそつき母さんにならない~ネットや図鑑に頼ってOK
    • ひいては、部下に自分で調べ自分の意見が言えるようにする

といった具合である。
この他にも、

  • 短所を長所に置き換える
  • 北風と太陽の北風になろう
  • 先入観で判断するのはやめよう

といった項目を置き換えても、組織の中でリーダーがすべきことに対する大きな示唆があった。その意味でもおススメの1冊である。

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感想(3件)

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宣伝会議ターゲット設定マーケティングセミナーでの講師

宣伝会議さん主催のマーケティングセミナーで「今の時代に求められるターゲティング」をテーマに講師をさせていただいた。サブタイトルは、ターゲティングから紐解く、顧客獲得 である。

この講座は、半定例化していて昨日で3回目。
毎回満席で、次回も既に日程が決まっている。
それほど、ターゲティングは重要性が高い、と企業も認識していることが伺い知れる。

ボクのところにくる講演・セミナーの依頼もこのテーマが多い。
さらにコンサルティングや研修の相談に来る企業の方々のヒアリングをしてみると、
大半の企業がターゲット設定を間違えているか、ターゲットを絞っていない。

それでは売れるはずもない。

今回の講座では新しく企業間取引、いわゆるB to Bの内容も取り入れた。
日本の企業の多くがB to B 対法人の取引をしているのに、B to Bのターゲティングの考え方をまとめた本などがないためである。

受講者からの質問でもこの部分が大半だった。
かくもB to Bのマーケティングはともすれば営業よりも軽視されがちであるが、士業などを含め、いまこそB to Bの企業こそマーケティングの考え方を取り入れるべきなのである。


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