関西学院大学 経営戦略研究科 ビジネススクール IBA、の国際経営コース(IMC)で教鞭をとり始めて、6年目になる。全ての講義を英語で進めるスクールなので、自然と留学生が多くなる。今期の前半は、日本人1名、中東から2名、アフリカから1名、モンゴルから1名、中国から1名の計6名。
教えているのは、マーケティングコミュニケーション、ブランドマネジメントの2科目でこちらは講義。それに加えてIndividual Research 個人小論文の指導。
この日はマーケティングコミュニケーションの初日。
まずは、学生たちに1人60秒の自己紹介をさせる。これは、私が学生一人ひとりのバックグラウンド、専攻、そしてキャリアゴールを把握し、講義の内容を彼らの希望と将来に近づけるために、まずは彼ら自身を知ることが重要だからだ。また、「エレベーター・ピッチ」と呼ばれる考え方をもとに、社会に出ても自分のアピールポイントを手短にインパクト持って伝えることができるようにする練習の一環でやってもらっている。
次に、コースの概要と教える時のポリシーについて。私は、80%をアウトプット、すなわち講義中に、話すこと、書くことを中心にする。大学院生にとって、フレームワークや理論を覚えることは講義前に済ませておいて欲しく、講義中は知恵をひねり、考え、話すことでさらに考えてもらう。なので、絶対的な正解を求めることはしない。それよりも、まずは自分の考えを出すことで、深掘りしていってほしい。
また、これだけ多様なクラスメートの中で、一人が発言すると他の級友たちに大きな刺激になることも同時に期待しているからだ。新しい風は自分の中から吹いてくることは少ない。性別、年齢、文化、国籍が違う友人の考えは以降の彼らの財産になるのだ。
評価基準に関しても、初日に学生たちに伝える。私の場合は、レポートとミニテストだけではなく、チームでのプレゼンテーションとクラスでの貢献度を加味する。
私自身がアメリカのビジネススクールでMBAを取り最も自分自身の財産になっているのが、異文化・多様性の中での様々な意見をまとめ上げる力だ。これも、チームでの相乗効果を狙った、カリキュラムのおかげだと思っている。役割を重視し、チームメートのモチベーションを上げ、成果を出す、というリーダーシップが当時もこれからも重要だと思っているので、評価基準に入れている。
ここまで説明して、講義に入る。
初日は、コミュニケーションの定義から。重要だが曖昧なコンセプトに関しては、まずは意思統一、共通認識を得るために「定義」することにしている。
この日のメインのテーマは「消費者の意思決定プロセス」について。
マーケティングコミュニケーションの目的は、大きくこの3つに分かれる。
- 顧客を動かすこと(顧客行動を変化させること)
- ブランドのイメージ(知名度や高感度を含む)をあげること
- 顧客の反応を知ること
どれも全て、広い意味で「顧客」に対してコミュニケーションを図るので、まずは購買心理がどう動き、その角フェイズで何をするか、という基本中の基本をまずは抑えることから始めている。
使用している教科書はこちら:
これからが楽しみな6名の学生たちだ。
マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)
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