昨日、今日と箱根駅伝をテレビで見た。
青山学院大学が感動の初の優勝を飾った。
第91回とのこと、いつからかはわからないけれど、うちでも毎年の恒例行事のようにテレビで見ている。
今まで見なかった箱根駅伝の中継
箱根駅伝だけは亡くなった父や義父も好きでよく見ていたこともあって、家族での正月のテレビの恒例行事になっているが、ボクはもともと、野球やサッカーバスケなど球技が好きで、中でも動きがあるものを好んで観戦する。だから、箱根駅伝に限らず、マラソンや駅伝をじっくり見ることはそれほどなかった。
今年はけっこうのめり込んで観戦したんだけど、その理由はやはり「ドラマ」があるから。
言い換えると、駅伝の各大学のチームの裏側には、多くのストーリーがあるのだ。
息子が陸上部だということもあり、
「A大学のBさんは高校時代よりも大学に入って努力して強くなって」
「C大学の往路は、考えられないくらいのメンバーをそろえてる」
「青山学院の縛りの少ない自由な雰囲気がいい学生を集める」
などなど、彼の解説付きで見ていると、より一層楽しんで見ることができる。
放映するテレビ側も、走っている姿やゴールまでの経路を解説するのみでなく、これまでトレーニングしてきた苦労や、選に漏れて実際に駅伝に出られない選手が出場している選手を応援している様子なども実況している。
箱根駅伝を楽しむには
去年までは、サッカーや野球なんかと比べて、
「単に走っているだけなのに、なんであんなに人気があるんだろう」
と、よく知りもしないで感じていた。
まず、陸上部の息子に教えてもらって気づいたのは「駅伝と経営に共通点があるんだ」という点。
駅伝はチームプレーだということがその典型的な事例。
「2区にエースを持ってくる」ことで言えば、
16人のチームの中で、誰が坂道に強いか、全体を引っ張るのは誰か、精神的に強いのは誰かを総合的に考えての決定になる。また、監督としては往路での結果と他校の順位を見て、復路の走行順を変えることもできる。
また、今回青山学院大学が往路復路ともに完全優勝し、それもぶっちぎりだったのも、
「往路で大きな差をつけてるので、追ってくる相手のことを意識しなくてもいいので精神的にも楽。
監督としても、「追い上げられたらどうすべきか」というような複雑な作戦を立てる必要がなかったはずである。
つまりは、戦略と同じなのだ。
何年も見ていたが、今年になって初めて新しい「箱根駅伝」の楽しみ方を知ったのだ。
きっと、このように思っている人たちはまだまだいると思う。
これは、企業のマーケティング活動でも同じで、「使い方」「楽しみ方」をお客様にきっちりと教えてあげないと、「お客様は分からない」まま通り過ぎてしまうのだ。
「お客様は、企業側が思っているほど、企業のことを知らない」
これが大前提なのである。だから、教えてあげなければならなのだ。
箱根駅伝が、単なる駅伝の中継でなく、綿密な取材をすることで、背後にあるドラマとストーリーを伝えていることが、テレビ局の顧客への約束なのである。ひいてはそれが、自社の事業の定義になるのだ。これは、企業のマーケティングにおいて、自社の製品やサービスの本当の良さと、それを使ったときの顧客の内面的な喜びが、「顧客の価値」になるのだ。
■箱根駅伝に教わったこと■
- 単に中継するだけでなく、ドラマとストーリーを伝える
- それこそが顧客が本当に欲しいものを提供することになる
- 駅伝と経営には多くの共通点があり自社に即した学びと気づきがある
マーケティング コンサルタント
理央 周
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2014年はボクにとって、昨年までに種をまいてきたことが実現できた1年になりました。
マーケティングアイズ株式会社の収益も3期目を迎えかなり好転してきたし、
関西学院、名古屋経営短期大学での教鞭も、自分なりの形を創り出すことができてきました。
そこで新年をむかえるにあたって、2015年の目標を3つ立てました。
■理央 周 2015年 3つの目標■
1. 出版する : 年末まで
2. 海外での講演をする : 9月末まで
3. 新規プロジェクトを立ち上げる : 10月末まで
ちなみに、昨年立てた目標は、
1. 2冊を出版する : 4月と12月
2. 名古屋での新しい学びの場を持つ : 2月から
3. 東京にプラットフォームを創る : 4月から
1に関しては、2冊を11月に、2に関しては名古屋に新しい学びの場をテスト時に設けましたが10月の同時出版で2015年に延期としました。東京でのプラットフォームも同じことですが、その準備としてCPI研究所 長谷川和廣先生のビジネス・サロンで各月で学ばせていただいています。
目標値を立てる時によく使われる言葉に、SMARTという言葉があります。
以下の言葉に沿って目標設定をするといい、という5つの言葉の頭文字を取っています。
□ 具体的な目標値 =Specific を設定する
□ 計測可能な目標値 =Measurable を設定する
□ 達成可能な目標値 =Achievable にする
□ 根拠の明確な目標 =Reasonable に設定する
□ 時間軸を明確にした目標=Time-oriented を設定する
設定する目標には、この5点が入っているべきです。
ビジネスでは目標を達成して、初めて評価されることになります。
この5点を入れ込む最大の理由は、PDCAサイクルにのせるので、
検証を繰り返し目標達成までの経過も同様に重視することにあります。
2015年は、上記の3項目をマーケティング アイズの目標にします。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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「私の体を鞭打つ言葉」読了。
珍しい「哲学アイドル」であり「哲学ナビゲーター」の原田まりる氏の著作。
かなり面白く読むことができた。
哲学とは
これまで哲学は、中学高校の教科書で少し、社会人になってからはほとんど触れたことがないエリアの学問であり、考え方だった。
哲学とは、「世界・人生の根本原理を追及する学問となる」とのことである(Wikipediaにあった広辞苑からの引用より)。
カント、ニーチェ、ショーペンハウエル、、、
著名な哲学科は多く、実存主義、論理実証主義などの考え方も広く伝わっている。
また、日々の生活の中で「生きるとは」ということに関してぼんやりとは考えてもいる。
しかし、体系的に、また自分のこれまでの、またこれからの生き方について、深く考えてみたことはそれほどない。
この本では、原田氏のこれまでの経験を、ニーチェやカントの考え方に照らし合わせ哲学的に考察している。そしてそれは、自分の生き方や、物事の捉え方、結論の出し方に応用できるものであると気づかせてくれる。
たとえば、「不幸は卒業できる」の章では、学生時代、原田氏がクラスメイトや担任に違和感を抱き続けてきたことを、ニーチェの著作「ツァラトゥストラはこう言った」での考え方に当てはめている。
ニーチェが「世界や人生には、決定的、絶対的な意味はなく、様々な苦悩も繰り返される」、「人生は永劫回帰」であると唱えているため、「超人であれ」と言っているとのこと。つまり、繰り返されるだけの人生の中で、生きていく意味は「自分で見つけるのだ」という意味である。
原田氏は続けて「嘆いていても今は変わらない。自分で切り開くしかない」と解釈し、(ここが重要之なのだが)自分でも実践している。
哲学の考えを仕事や人生に活かすには
このように著者の体験に、偉大な哲学者たちの考え方を当てはめて書いているため、簡潔に理解できる。ビジネス書の多くは、理論やフレームワークの説明に終始し、例題やケーススタディーを入れ込むことで、再現性を高めようとするアプローチの本が大半である。
しかし、自分の実体験を哲学の考え方に当てはめてるという逆のアプローチでこの本が進むので、「もし自分の場合ならこうだな」と仕事や私生活で再現ができやすいのだ。
ボク自身、この本から学んだことは「周りに違和感を持たれても自分の信じることをすべき」ということと「みんなと同じでなくてもいい」ということ。
マーケティング活動で自社独自の強みを発見する時のアプローチに似ている。
また、原田氏は「哲学の素晴らしさを世の中に広めよう」としているように見受けられた。ボクが「マーケティングの重要さと楽しさ」を伝えていきたいのと同じなので、その点も多いに共感できたのだ。なので、内容が濃い割に、文体も読みやすく、表現も専門的な用語に偏っていない。
年末年始やリラックスしながら普段読まないカテゴリーの本を読みたいときなどにぴったりの、おススメの一冊である。
■この本の使い方■
- 原田氏が語る、著名な哲学者の考え方をまずは理解
- 次に自分が持っているであろう固定観念や過去の成功体験をいったん捨てる
- 原田氏の経験と哲学者の考えをもとに、自分に当てはめる
マーケティング コンサルタント
理央 周
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「視聴率15%を保証します!」読了。
副題は「あのヒット番組を生んだ発想法と仕事術」とある
著者は,現テレビ朝日(当時のNETテレビ)で洋画の買い付けなど数多くの仕事をしてきて、そのあとに東映アニメーションでも大ヒットアニメを立ち上げられた方。
なので、テレビの草創期くらいからメディアとしてのテレビ業界のまっただ中にいて仕事を最前線でされてきた方なので、書かれている事例が非常に勉強になる。
ヒット番組を作り上げるプロセスや、買い付けた洋画につけるネーミングなど、企業のマーケティング活動に当てはめて読んでいくと、楽しいだけでなくかなり参考にできる部分も多い。
読んでいて「なるほど」と最も感動したのが007を買い付ける際の逸話。
ユナイト映画の副社長が契約の最後の詰めに来日した時に、ひっくり返されるシーン。
詳しくはネタバレするので書かないが、著者がどうしてもと交渉した熱意が克明に描かれている。
ボク自身、根性論や精神論は苦手な方だが、やはり物事を成し遂げるには「熱意」がなければ何事も始まらない、ということのいい事例だと思う。
やはり一つのことを極めた方の言葉は重く、また参考になる。
その意味でも、これから管理職になるビジネス・パーソンの方や、中小企業経営者にお勧めしたい1冊である。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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