「一人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ」を読んでみた。
ツイッターで友人がアップしていたのを発見し、「テキトー母さん」というネーミングに惹かれて買ったこの本。ボク自身、大学4年の息子と中3の娘がいて,彼らがまだちびだった頃のことを思い出しながら読んでいた。
各項目を読んでみると、ボクが親としてやってきたこと、やった方がよかったなと感じたことなどが多く書かれている。
そこでふと、これを社員研修に置き換えて読んでみてはどうだろうと思い読み返してみた。
そうなるとこの本は「リーダー論」になる。ボクにとっては、最近依頼いただくことが多い、営業員の視点を売り手目線から買い手目線に変える、という研修企画に応用できるのである。
テキトー母さんをリーダー職の課長や部長、子供をメンバーの部下として置き換えてみル,という意味である。使える内容はかなり多いし、なによりお母さんならではの「新しい視点」も数多くあった。
- 分かりにくく言わない
- これは当たり前だけれど、部下が理解しなければ行動できないので意味がない。したがって、リーダーは自分自身の肚に落とし理解してから伝える。
- 子育てセミナーを鵜呑みにしない
- 権威が言っていること、他社の情報を鵜呑みにせず自分なりに解釈する
- うそつき母さんにならない~ネットや図鑑に頼ってOK
- ひいては、部下に自分で調べ自分の意見が言えるようにする
といった具合である。
この他にも、
- 短所を長所に置き換える
- 北風と太陽の北風になろう
- 先入観で判断するのはやめよう
といった項目を置き換えても、組織の中でリーダーがすべきことに対する大きな示唆があった。その意味でもおススメの1冊である。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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「クールジャパンとは何か?」読了。
副題に「あなたの商品を海外に売り込むチャンス」とある。
海外では、やはりいまだにクールジャパンとして、日本のアニメや漫画、ヲタク文化などが高く評価されると聞く。とても喜ばしいことだと思う。
しかし、国内ではなかなか景気も肌感覚ではよくなったと感じることは難しい。
そんな中で、この本に書かれている「クールジャパン」への視点は、厳しい中にも日本企業がすべき低減が書かれていて、元気づけられる一面を持っていると感じる。
パッケージがださいと買ってもらえない
アジアは熾烈なグローバルマーケット
ジャパンモールだからできること ビルをまるごとショールーム化は大企業だからできるわけでなく、中小企業でもできる
ファッション誌が売れなくなった本当の理由
といった各内容は、日本のビジネスの中でもファッションやデザインに関しては、
高値付けをして価値を伝えよう
という本来マーケティング活動で、最も重要な価値をどう伝えていくのか、そして「価値の格」と書く価格の設定における考え方が書かれている。
特に、海外での商流において、アパレル業界を参考に直接取引の重要性が書かれている点が生々しくも参考になる。
海外に出たい企業のみでなく、商流を再考すべき経営者にも参考になるおススメの一冊である。
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中川右介氏の「購書術」読了。
著者は、出版社社長で編集者、でかつ作家のとのこと。
この3つの職業からの視点というのが面白い。
ボク自身、著者なのだが商業出版における原価計算や、出版社から書店までの本の流れ、編集者が何を考えているかを再認識できた、という意味でかなり勉強になった。
また、いち読書好きとしては、どのような書店があり、そこにどのような本があり、さらに本が自分にとって何をもたらすか、をさらにまた深堀することができた。
この2つの視点から考えると、新しい視点をボク自身もらえることができた。
したがって、単なる読書術や、作家のなり方、という考え方からもう一段階,次のステップを考えるきっかけになる本だと思う。
裏側を知ることは、楽しいと同時に勉強になる。
その意味でも、作家・著者と読書好きの人におススメの一冊になる。
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久世浩司氏の「リーダーのためのレジリエンス入門」 読了
今、営業の本を執筆しているし、またクライアントからも営業の研修を依頼されているので、とてもいいタイミングでのこの本との出会いになった。
レジリエンスとは、心理学で言うところの「精神回復力」
この本にもあるように、「折れた心」をいかにスピードもって回復させるか、
また、折れることを大前提にして、折れてもすぐに回復できるように心を準備しておくことが重要であると書かれている。
特にリーダーに絞ってそのあるべき姿を、レジリエンスの立場から解説している。
その中でも興味深いのが、全時代的・昭和的な「熱血指導」リーダーと,現代のあるべきリーダーの姿の比較。
「勇気と恐れ知らず」は違うのだ、という点などがそれにつながると感じる。
楽観的なリーダーの強みについて書かれている部分も、他の書籍と違い興味深く共感できる。
「そんなの大丈夫。オレだってできるんだから乗り越えられるよ」
という姿勢でいると、自然にメンバーや部下は信じてついていく気になれるのだ、とのこと。
著者も書いているが、ボク自身もアメリカ人と仕事をすることが多かったので、このタイプのリーダーは多かった。やはり楽観的なリーダーの元だと仕事がしやすく、モチベーションが上がるため、マーケティングのようなクリエイティビティが要求される仕事においては重要な要素になる。
筆者の視点と、実際の体験としての具体例が書かれているところも再現性が高い。
その意味で、おススメの一冊である。
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「メジャーを生み出す」を読んでみた。
副題に、「マーケティングを超えるクリエイターたち」という、マーケターにとって非常に刺激的なタイトルがついているのも気になった。
内容は、11人のクリエイターたち、例えば漫画家や映画監督、ラノベ(=ライトノベル)の作家たちの活動と考え方、売れるまでの道のりなどが描かれている。
90年代くらいまでのメジャーヒットが多く出ていた時代と違い、2000年以降はなかなかモノやサービスで大ヒットが生まれにくい中で、ヒットを飛ばしてきた人たち、になる。
特徴的なのが、この時代の大多数はラノベの作家に代表されるように「自己承認・肯定されること」に対する欲求が強いこと。以前のように、「影響力のある人の意見に追随する」ということは少なくなってきている。オタクと呼ばれている層とはまた一つ違う層が出現していると見ていい。
そんな中で、普通の人に売るにはどうしたらいいのか、という品とが多くこの本に真美けられる。その意味で,この本はやはり「マーケティング」の本、なのである。
この本の冒頭に書かれている、
「この国では長く、マーケティングは特定の集団や世代を志向することととらえられてきた」
とある。
いわゆるSTPの考え方を指しているようだが、ここ最近はそういったフィリップ・コトラーが提唱しているモダン・マーケティングでは追いきれない層が出てきていることも事実である。その意味で、この本に書かれていることはモダン・マーケティングへの「アンチ・テーゼ」なのである。10年前の本だけどブラウン教授のポストモダンマーケティングにも通じるところがある。↓
私の考えはこうだ。
モダン・マーケティングの考え方は、とはいうものの、基礎として必要である。
その基盤を押さえた上で、どこまで柔軟にSTPから離れて「自社のプロダクトがヒットできる層」に見つけ適切に到達し購買を促せるかが「売れるかどうか」のカギになる。
選択肢が多くなると、人は選べなくなる。
モノやサービスがあふれている現代でメジャーを生み出すには困難がつきまとう。
「自己実現」の欲求から生まれうるメジャーということに関して、とても興味深い1冊だった。
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