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カテゴリ:「ビジネス書書評」の記事

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コンサルティングの極意:コンサルタントとして必要な心構えとノウハウを超える意識の持ち方

「コンサルティングの極意」を読んでみた。

帯に書いてあるのが、
顧客、上司、部下から「相談されるプロの教科書」
とあり、さらに「クライアントからコンペ無し手で選ばれる関係になる」とあるのも、
自社、また自分をマーケティングしていくことで、営業努力や価格訴求とは別な次元で選ばれるようにする、という内容である。

それを実現するために「10の力」として書いている。

最初の3章の読み方〜コンサルタントとしての基礎

最初の3つの、「聞く力」「献身力」「先見力」は、他でもよくいわれていることに一見見えてしまう。しかし、その内容は私のようなフリーランスのコンサルタントが持つべき「心構え」をして、重みがあり再現性が高い。

例えば、「依頼人」として理解されている「クライアント」をローマ帝国の例をあげて、
「後援者」と呼ぶ方がふさわしい、と言っている。
依頼人だと定義した瞬間に、仕事を出す人・受ける人、という関係にしかならなくなってしまうため、私自身も違和感を覚えていたのだが、これですっと腑に落ちたのだ。

これらの話しに普遍性と再現性がともにある理由は、著者がコンサルタントになる前に、
パルコという事業会社で働いた経験が、コンサルティングとクライアントサイドとが、
双方で何が必要な要件なのかを理解されているからなのだろうと推測できる。

4章以降の読み方〜コンサルタント力の応用編

4章目以降には、著者の経験がますます反映された内容が色濃くでてくる。
私にとって、第4章からはコンサルタントとしての応用編、という感覚で読み、そのまま使える知識になった。

第5章の「巻き込み力」で、コンサルタントの仕事の目的を「人を動かすこと」と定義している。
まさに、その通りでクライアントが動き初めて成果につながるのである。
したがって、「紙に書いた言葉だけでは人は動かない」とあるこの章には、コンサルタントとしてどう動けばよいか、必要な人たちとコミュニケ―ションをとり、そしてクライアントをいかに動かすか、のヒントが多く書かれている。

共創力の章では、コンサルタントから提案だけで済んでいたのは20年前まで、
今はクライアントとともに創り出すのだ、とある。
そして、コンサルタントは洗濯をする時に泡を立たせる洗濯板で、
尖がったしかし必要な情報を提供することでクライアントに驚きを与えねばならないこと。

好奇心を持つことで、知識を陳腐化させないこと
学び方そのものを学ぶべきということ
ロジカルシンキングだけでは足りなく、クリエイティビティと同時に保有すべきこと
ブランド構築は「時の結晶」であり、分かる人にだけ分かってもらえばいい、ということ

などなど、コンサルタントのあるべき姿が、実際の体験に基づいた形で説明されている。
しかし、単なる一個人の成功哲学に終わっているわけでないのは、
フレームワークや、多国籍企業との仕事によって培われた、
普遍的な事実が含まれているからなのだと感じる。
したがって、広く顧客から相談される人、つまりコンサルタントとしてのみでなく、
この本に何度も出てきたように、「プロフェッショナル」として必要な考え方と行動の仕方の、
多くのヒントを読み取ることができる。

さらにいえば、コンサルタントとして「どう稼ぐか」というよくあるような本に書かれているスキルよりも、もっと重要で不可欠なことが書かれている。これを活かせるかどうかは読み手の問題なのだ。

まさにその意味においては、コンサルタントのみでなく、
営業担当者や、中小企業経営者、個人事業主が読み実践することで、成果につなげられる1冊である。


マーケティング コンサルタント
理央 周

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デュアル・マスという消費傾向と行動:中小企業のためのターゲット設定

博報堂生活総合研究所が発刊している「デュアルマス」という本にある考え方が面白い。

3つの2極構造で生活者を群衆(=クラスター)に分けている。
通常のターゲティング・クラスタリングの中でも、面白い視点だと思う。

ちなみにこのクラスター分析とは、「女子力男子」「おひとり様「草食系男子」などといった消費行動や生活スタイルを分析しある程度の傾向が見られる「塊」として、名付けているものである。

1.ちょっと先の生き方

まず最初に紹介されているのが、

  • 一人でこれからも生活していきたい独衆
  • 誰かと生きていきたい属衆

とのこと。
独衆がこれからのマジョリティになるそうだが、属衆もまだまだ多いとのこと。
面白いのは独衆で、男女で好むものやコトが異なるという。独衆の男性は、パートナーはともかくご近所など人とのつながりを大事にするそうだが、女性はお一人が好き、という傾向だそうである。

2.経験が分ける考え方
バブル期を経験しているかどうかで、大きく消費行動が変わるということ、
そしてそれはここ数年で、数的に半分ずつくらいになるという点も興味深い。

  • AB=アフターバブルと、
  • BB=ビフォアバブルでは、

バブル時代を体験しているかどうかで、価値観が大きく異なるというのが視点である。ちなみにボクは52歳、ということで完全なBB世代になる。

ABは、Innovation的なモノや考え方に惹かれるし、 BBは匠の技に代表されるPremiumを追い求めるとのこと。

3.モノ選び

モノの選び方としても2極分化しているとのことで、

  • 感覚で選ぶピン衆
  • 考え抜いて理屈で選ぶロジ衆

があるという。

この3つの「デュアル・マス」、消費者インサイトを考え、自社製品・サービスが売れるかどうか(=市場性)をはかる時にも使えるし、広告宣伝・販売促進のコピーやイメージの表現にも適用できる考え方である。

大企業と違い、中小企業や個人事業主は自社内で戦略をたて、実践していくべきである。
その際に、自社の顧客像が固まっていないと、広告表現や媒体選択がぶれてしまい、販売促進や広告への「投資対効果」が悪化する。

売れるものも売れなくなってしまうのだ。

こういった考え方を知っているかどうかだけで、ターゲットに刺さる表現もできるし、よく見ている媒体を選べる可能性も高くなる。

マーケティングはかくも重要なのだ。

    

*博報堂生活総研 原田曜平氏の著作。クラスター分析による消費者像の具体化、どれも参考になります。


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営業担当者が客先に行く前にすべきこと:Harvard Businewss Review12年12月号

ハーバードビジネスレビュー2012年12月号「強い営業」を今更ながら読んでみた。7冊目になる次の新刊のテーマが「営業」だからである。

特に巻頭特集のLIXILグループ 藤森義明氏の考え方が素晴らしい。
優秀なリーダーと優秀な営業担当者には共通点がある。
それは、ビジョンを明確に持っていること。
そのビジョンを的確な表現でコミュニケーションできることである。
さらに、ビジョンをビジョンで終わらせず実行する力がある。
このステップを踏むことで、顧客も共感し、自社の製品やサービスがコモディティ化することを防ぐという。

このプロセスこそ、営業活動を成果につなげる道筋だと納得できた。

会社員時代にボクは、マーケティング部に属していたため、顧客のいる最前線の営業の担当をした経験がない。しかし、優秀な営業担当者は成果をだすこと、そして彼らは「知らない間に」契約を取ってくることをボクは感じていた。藤森氏の言うプロセスが明確だからで来たことなのだと納得した。

藤森氏はさらに、どんなに素晴らしい製品でもいつかはコモディティ化するのが世の常である。そのために、「特別な関係」と「特別な価格」に頼ってはいけない、と説く。
「いつもお世話になっているので、キミから買うから」
「そんなに安いのであれば御社から買うよ」
では、他社にすぐに真似されてしまう。

やはり、顧客が本当に望むこと、それも今は気づいていないが教えてあげたらほしがる潜在的なニーズを掴むことが重要なのは、営業だろうがマーケティングだろうが同じである。

顧客を中心に置き、常に顧客の期待以上のもの・コトを提供するにはどうすべきかを考えるDNAを持つ組織にすることが必須、ということをここでも学ぶことができた。

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理央 周


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アドラー流たった1分で伝わる言い方:コミュニケーションの悩みを解決

「伝わる言い方」読了。

仕事において、最も苦労するのは「コミュニケーション」
一生懸命仕事をしているし、なんとかうまく仕事としてまとめたいのだが、なかなかうまく行かない、という時にやはり障害になるのが対人関係だと常に感じている。

しかし、相手をコントロールすることがなかなかできないため、やはりこちらから相手に対し、いかに自分が伝えたいことをしっかりと伝えられるかが、自分の方からできることになる。

この本の特徴は、話し方のOKとNGの両方の事例をあげている点、それに加えてなぜそう伝えると相手にうまく伝わるかと言う理由が書かれているので、自分に適応させやすい。再現性が高いのだ。

たとえば、ほめるより勇気付けをするコトが重要と言う。
なぜなら、ほめるは上から、勇気づけは横からの目線であるからとのこと。
相手が部下であろうが、業者さんであろうが、ビジネスの上では対等なパートナーである。勇気づけを横から目線でしてもらう方が、相手のモチベーションが上がることが言うまでもない。

また、「ダメだし」より「よい出し」がよいと書かれている。しかしすぐにはでて来ないからあらかじめ準備をしておくとのこと。ボク自身、勝利の女神は用意周到な人に微笑むと考えているので強く共感した。わかっているようで、なかなかできないことなのだ。

これら以外にも、原因追及よりも提案、自分の問題に踏み込んでくる相手にNoをいう といったフレーズはすぐにでも使える考え方である。

アドラー心理学の本は多くでているが、再現性が高い本にあたることは少なかった。
やはり著者が数多くの企業研修の現場で実績を出してきたからだと思う。
その意味でもおススメの一冊である。


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ムダな会議をやめ成果につなげる4つの原則

日経MJ3月4日の記事「打ち合わせ短くても成果」より。
密度高める4つの原則、とある。

  1. 打ち合わせの必要性を見極める
  2. 参加者を絞り込み役割を明確に
  3. 議題ではなく目的を強く意識
  4. 時間は短く早く終わる努力を

とのこと。

4項目ともうなづける内容だった。
ボクも以前は組織にいて、毎日のように会議があった。
多くの会議は形骸化し、会議で決める内容よりも、会議を開くことそのものが目的に成り下がったりする。そんな会議ならない方がマシである。


ITがすすんだ今となっては、イントラネットなどで済む、と考えて会議を省く傾向にあるのも事実だ。しかし、面と向かって打ち合わせることでより質の高いアウトプットを出せることもあるので、一概に打ち合わせはすべてムダだ!と割り切ることも意味がない。

経営資源の中で、一番目に見えにくく代替不可能で、過ぎ去ったら戻らないのが時間。
会議を有効にさせ、成果につなげることと合わせての会議の時間管理にもつながる有益な4か条だと言える。


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理央 周


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