Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

顧客ブランド養成講座
収益を好転させるマーケティングとイノベーション

カテゴリ:「ビジネス書書評」の記事

前の5件 13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23

いたいコンサルすごいコンサル 経営において次のステップを目指す社長にもコンサルタントとしても役に立つ本

究極の参謀を見抜く10の質問 と副題にある通り、コンサルタントとして必要な資質と要素を10の質問にまとめてある。

私は、起業前まで企業内でマーケティング・マネージャーで、
起業後の今はコンサルティングを提供している。
したがって、コンサルティングを受ける側と、提供する側の両方の視点で、
この本を読むことができた。

この本は大きく2通りのビジネス・パーソンが、それぞれの視点で読める。

つまり、事業主としてクライアントサイドとして、
「どういうコンサルタントを雇うべきか?」という視点と、
コンサルタントが、
「どういうコンサルタントを目指すべきか?」
という視点である。


この本は、大きく3部構成になっている。

まず、プロローグとしてコンサルティング業界を4つの世代に分けている、
大前研一氏や堀紘一氏がコンサルティングを、日本に輸入してきた時代から、
ビジネスとして浸透し、現在では「過多」の状況になっているという変遷がまずは説明されている。

これにより、コンサルティングがどういうものか、を把握することができる。

本編は、帯にも書いてある通りいたいコンサルなのか、すごいコンサルなのかを見抜くための10の質問に、それぞれ答えている。

そして最後の章に、コンサルティング業界の内憂外患として、どういう人が成功するのか、数字感覚やケーススタディー、成功プロジェクト失敗プロジェクトの事例などがまとめられている。

この10の質問が本質をついていてとても興味深い。
それぞれの質問を聞く理由は、以下の内容を知るためである。

提案をしてきたコンサルタントが、

  1. 業界構造に精通しているか
  2. 最終提言を第0日に30秒で語れるか
  3. どんな数字も自由自在に作れるか
  4. アクション至上主義か
  5. 定石がすらすらと出てくるか
  6. 直言できるか
  7. 組織の空気感がわかるか
  8. 成功報酬を歓迎するか
  9. 長いプロジェクト経験が多いか
  10. パートナーがしっかりと時間を使うか


これらは、一見あたりまえのように聞こえるが、
クライアントサイドからすれば、非常に重要なことなのである。

コンサルタントを雇う場合に、事業主にとって「無駄な投資にしないため」である。

同時に、この10をチェックポイントとし、
自社として抜け漏れはないか、
自社が提供していることが、クライアントの価値に直結しているかを確認できるのだ。

コンサルタントが参考にすべきは、
バリューチェーンの各フェイズにおいて「プロフィット・プールを描けているか?」
と、自問自答してみるとか、
「仮説に実効性があり」、「クライアントが正しくアクションできるか?」
と、提供物をレビューしてみるのにいいだろう。

長くコンサルタントをやってきた著者が書いているだけあり、
「コストを因数分解する」というくだりの事例も生々しく、
その分、有用性がある。

質問5の「すらすらと定石が出てくるか?」も面白い。
定石とは、理論やフレームワークのことだが、
それらは「生きていないと意味がない」と著者は言う。

定石を知っていることは、必要条件だが、十分ではない。
クライアントサイドにいる経営者は、その道のプロである。
経験値や、生の情報を数多く持っている。
コンサルタント側はその意味で「情報が不足している弱者」なのだ。

しかし、勘、経験、度胸というKKDに頼っていると、
道を大きく踏み外すリスクもある。
その意味で、定石を知った上で、どこまで突き抜けられるかが、
最低限のリスクでの、最大限のリターンに繋がる。

事業主としてもクライアントサイドの経営者は、
「耳が痛いが重要なことをしっかりというコンサルタントなのか?」
「テーマ、期間、検討範囲が明確になっているか?」
「何をすべきかというアクション・プランまで提案されているか?」
といった、コンサルタントからの提案に対するチェックリストに使える。

私自身の仕事にも大いに参考になった。
クライアントサイドからも、コンサルタントサイドからも、
勉強になり、実践できる内容の良書だった。

 

マーケティング コンサルタント 理央 周(りおう めぐる)


最新刊 「なぜ、お客様はそっちを買いたくなるのか?」 
 

*このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly *記事のブックマークはこちらから→ このエントリーをはてなブックマークに追加

新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

売れる理由を学ぶメルマガ⇒ では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。詳細はこちらから:

まぐまぐ

関連記事はこちらです:↓

老いる東京、甦る地方 お金と人の流れが変わる!上り経済から地方回帰の下り経済へ

あなたの地元が稼ぐ町に変わる
人が集まる物語、仕掛けを満載
と、帯にあるコピーに惹かれて読んでみた。

僕自身、東京の一極集中に対して名古屋に住んでいる身からするととても大きな違和感を感じていたので、興味深く手に取ってみたのだ。

各章の構成は、

第1章都会が疲れた高齢者の顔になる日
第2章雄大な自然、世界遺産に潜む罠
第3章平凡な風景が時報の稼ぎ頭に?
第4章実例・非常識な地方活性化
第5章駅前が日本経済を動かす
第6章 お金は空と海からやってくる
第7章陸海空モデルで稼ぐ

となっている。

ビジネスにも考えられる活用の仕方がたくさん載っている。例えば第3章の高山市の取り組み学環今年の作り方においては、2005年以来周辺9つの町村が合併してできた子である高山が9万人の人口でありながら非常に多くのインバウンド放置日外国人客を読んでいるのが事例がある。

まず面白いのが松本高山金沢国際観光ルート整備推進協議会発足させ東京京都大阪と言ういわゆるゴールデンルートだけではない日本の歴史的な文化的魅力を楽しんでもらおうと言う欧米人向けのルートづくりを辞退の枠を超えて推進してきた。

高山だけで外人を呼ぼうという発想ではなく、広域連携で、新しいことを発信しようということらしい。これを昇竜道と名付けたところが目新しい。


これらの都市には、神社仏閣、祭りなどの伝統行事があるので、観光要素という、自分たち独自の強みを生かし、その点わプロモーションしたのが目新しい。

さらに、言葉のバリアフリー化が顧客視点である。英語、中国語だけではなくイタリア語ロシア語アラビア語にまで11カ国語に対応している。

こういったインフラを整えた後に、見たい・体験したいと思うところを、外国人たちに、勝手に見つけてもらおうとする発想をしたらしい。これは逆転の発想である。

例えばモニターツアーを催して、外国人に来てもらい、エリアに何が足りないか、何に魅力を感じるかを自由に発言してもらったそうである。これこそリサーチではなく行動観察による顧客候補の潜在ニーズの発見へのアプローチである。


田園風景や坂道が多い飛騨方面などに、日本が誇る電動アシスト自転車をレンタサイクルとして貸し出したのも好評だったそうだ。

このような高山の努力は、地方都市が自分の地域を活性化することについてはもちろん、我々中小企業も自社を盛り上げていくために大いなる参考になる。

マーケティング コンサルタント 理央 周(りおう めぐる)


最新刊 「なぜ、お客様はそっちを買いたくなるのか?」 
 

*このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly *記事のブックマークはこちらから→ このエントリーをはてなブックマークに追加

新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

売れる理由を学ぶメルマガ⇒ では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。詳細はこちらから:

まぐまぐ

関連記事はこちらです:↓

時間の使い方を科学する 心理学のアプローチの仕事術

時間の使い方を科学する 読了。

ボク自身、3冊の時間術の本を書いていることもあり、
実験心理学という、ボクとは違う専門分野を持つ著者の方に惹かれて、
何か新しい発見があるのではないかと、
興味ふかく読むことができた。


時間をずらすだけで成果が変わる
思考は10時から14時、記憶は16時から20時
というサブコピーも面白い。


特に、サーカディアンリズム リズムという、
そもそも人間の中にある、24時間周期の身体変動と、
人間が感じる時間の関係に相関がある、
という考え方が面白い。


ボクの場合、仕事に優先順位をつけ、
時間軸と合わせる、というアプローチなのだが、
著者の場合は、身体のリズムから効果的な時間の活用を説いているのだ。

第5章にある、重い腰を軽くする というのも興味ふかい。
人間の心理として、
「先送り」「現状維持でOKというバイアス」がある中で、
目標達成する時間的期日が近くなる程、
モチベーションが上がり、
態度も積極的になるとのこと。
目標紅梅というらしい。


夏休みの宿題のようだが、
従って、少しずつやっていくことで、行動も積極的になる、
「思い立ったが吉日」
「案ずるより産むがやすし」
となるのこと。

これ以外にも、「気が散る」のは注意捕捉といい、
対象物が有限とのことなので、
逆に注意が散漫になりそうなことを、
集中したいときには、排除すればいい。


仮眠も、15〜20分が睡眠惰性という観点から最適であるなど、
人間の時間特性をないがしろにしないことが重要だという。

章立ては、
第1章 感じられる時間の長さ
第2章 サーカディアンリズムと現代人
第3章 時計の時間、社会の時間
第4章 なぜ人は大事な時間の前に掃除をするのか
第5章 時間を作りだす技術
第6章 予定通り進まないときの対処法
第7章 作業効率を高める時間管理術
第8章 感じられる時間を操作する
第9章 充実した時間お作り方
第10章 有限な時間と有限な人間


やはり、自分とは違うアプローチに触れると、
自分が既に持っている知識をさらに上質にしてくれる。


人間の心理と行動特性から、有限で貴重な時間を管理してみる。
その意味で、オススメの一冊である。

 

 「仕事の早い人が絶対やらない時間の使い方」含む私の時間術3部作です ↓

 

マーケティング コンサルタント 理央 周(りおう めぐる)


最新刊 「なぜ、お客様はそっちを買いたくなるのか?」 
 

*このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly *記事のブックマークはこちらから→ このエントリーをはてなブックマークに追加

新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

売れる理由を学ぶメルマガ⇒ では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。詳細はこちらから:

まぐまぐ

関連記事はこちらです:↓

仕掛学:行動変容~人を動かすアイディアの作り方 マーケティングの基本は人を動かすことである

「ついしたくなる」にはシカケがある というなかなか面白いコピーがタイトルにある。

まず最初に、今年読んだビジネス書の中で、最も面白く、また仕事に使えるという意味での、有用性と再現性が高い本である。

著者は、仕掛けは、人の行動を変える奥義であると言う。また、行動の選択肢を増やすものということもできると言う。

仕掛けを定義する3つの要件として、「公平性」、「誘引性」、「目的の二重性」を挙げている点が興味深い。この3つの要件を満たすものを、仕掛けと呼ぶ。一般の仕掛けより、かなり限定されている。

ここで、最も注目したいのは、行動変容を強要するのは仕掛けではないと定義している点である。これは、マーケティングとセリングの関係と同じで、顧客の期待を超えるものを提供することを常に考えていると、売り込む必要がなくなるということのと同じなのだ。

仕掛けの仕組みとして、カテゴリーを明快に分類しているのも非常に面白い。大分類として、物理的トリガーと心理的トリガーがあり、そこからさらに、中分類小分類と分けられているため、この考え方を自分のビジネス、ボクの場合で言うとマーケティング活動や顧客・ターゲット層とのコミニケーションに再現を持って使うことができる。

仕掛学とは、こちらから強制するものではなく、行動変容させるという点に大きく共感した。その意味でも、顧客視点に立ち、曲様を動かすという意味でのマーケティングに共通する考え方だと思う。

マーケティング コンサルタント 理央 周(りおう めぐる)

最新刊 「なぜ、お客様はそっちを買いたくなるのか?」   

*このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly *記事のブックマークはこちらから→ このエントリーをはてなブックマークに追加

新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

売れる理由を学ぶメルマガ⇒ では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。詳細はこちらから:

まぐまぐ

関連記事はこちらです:↓

スティーブ・ジョブズのイラスト伝記 「世界を変えたすごい男! 」ジェシー・ハートランド

アップルとかスティーブ、ジョブズと聞くと、ついつい手が出て読んでしまう。

こちらの正統派の伝記本はもちろん、

こちらの正統派(?)のマンガ本、

そしてちょっとコミカルな、こちらのマンガ本、

さらに、もちろんだけれども日本のスティーブ・ジョブズの伝記的な映画も見ている。

と、このように同じ「スティーブ・ジョブズ」というひとりの人物について書かれている、
1冊の書籍、3冊のマンガ、2つのDVDを読んだり、観たりしてきても、
どれもが違う。

解釈がさまざまなのだ。

ジョブズが、どんな場面で何を言ったのか?ということはほぼ同じだが、
激情家のジョブズが発する激しいの言葉を、
ある本では、怒りととらえたり、ある本では叱咤激励ととらえている。

消費者の一歩先を行く目と、
重要なことには妥協しない、「起業家としての」姿勢を、
ジョブズから学び取りたいボクにとっては、
これらの異なる解釈はそれそれに面白い。

その意味で、どれもおススメなのだ。

           

マーケティング コンサルタント 理央 周(りおう めぐる)


最新刊 「なぜ、お客様はそっちを買いたくなるのか?」 
 

*このブログの定期購読はこちらから → follow us in feedly *記事のブックマークはこちらから→ このエントリーをはてなブックマークに追加

新規事業・ビジネスモデル開発を目指す経営者の方はこちら:→マーケティング アイズ

 では、ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケティングにあり!という記事を毎週発刊していきます。初月は無料。詳細はこちらから:

まぐまぐ

関連記事はこちらです:↓

前の5件 13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23