「センスは知識からはじまる」読了。
マーケティング活動、というかどんなビジネスや仕事においても「センス」は必要である。
一般的に、センスとは感覚的なもので、もって生まれた才能と思われている。
実際にボク自身もそうだった。
センスという言葉はあいまいな、また広範囲を指す言葉なので、受け取る側の解釈もバラバラなのだ。
【センスとは?センスの良さとは何か?】
著者はまず、「センス」を「数値化できない事象を最適化すること」と定義している。
したがって、「センスのよさ」とは、
数値化できない事象の良しあしを判断し最適化する能力
と定義している。
これにまず衝撃を受けた。
まさにその通りである。
マーケターとして長年広告をはじめとするクリエイティブを扱ってきた。
広告案開発の段階で、ボスは、
「今回のキャンペーンは〝センスのいい"CD(=クリエイティブ・ディレクターを指名しろよ」
などと、指示を出す。
「もちろんです!」
と調子よく答えながら、「カッコいい、トンガったアイディアを出すH社の鈴木さんだな」
などと、あいまいな思考で仕事をしていた。
マーケターはどちらかといえば、数字を扱うサイエンスの領域でまず仕事を開始する。
クリエイターはそれを受け、アートの領域で広告のコピーとイメージ部分を開発する。
ここで、双方の共通理解が必要になる。
この共通理解を最大化するのが「センス」なのだ、と著者は言っている。
【センスを磨くには?】
センスを磨くにはどうすればいいのか?という問いに対し、著者は「知識を集積せよ」という。
また、
知識は紙で、センスは絵だ
とも言っている。用意する紙が大きければ大きいほど、大きな絵が描ける、という意味である。
この意味は、「すべての仕事は価値を創造していくことで対価を受けるから」とのこと。
そのために、必要な知識を集積し、そこから予測できることこそが「センス」なのだという。
たしかに、イノベーション的な発想というのは、既存のモノどうしの掛け合わせである。
著者も書いているように、イノベーションにつながるセンスの良さも、
「知識と知識の掛け合わせ」
ということができる。
【センスを阻害するもの】
したがって、センスを磨くこと、センスのいいアイディアを出すことを邪魔するものは、
思い込みと主観性
であり、好き嫌いではない。
したがって、不勉強でいるとセンスも磨かれることはない、という。
私も拙著「ひつまぶしとスマホは同じ原理でできている」(日本経済新聞出版社)に書いたが、
画期的なアイディアが出ないことを阻害する思考停止には2つの要因がある。
「固定観念」と「過去の成功体験」なのである。
一歩下がる「客観的な視点」こそがセンスを生む、という点にも大いに共感する。
センスこそが、私のようなフリーランスの仕事では特に価値を生む。
価格競争、値引き合戦から脱却できるのだ。
その意味で、コンサルタント、起業家、士業という枠の外の、
すべてのビジネス・パーソンおススメ、というよりも必読の一冊である。
マーケティング コンサルタント 理央 周
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