「新時代の営業 変わること変わらないことを1冊にまとめてみた」読了。
この本は、2部構成になっていて、
第一部では、今そしてこれから、営業がどう変わっていくのか、ということ、
第二部では、時代が変化しようとも、営業の仕事の中で変わらない本質的なことが、
それぞれ語られている。
著者の横山氏が、最初に言っている不易流行、
不易とは、環境が変化しても変わらない本質的なもの。
流行とは時代の変化とともに変わっていくもの。
第一部で流行が語られ、第二部で不易が語られている。
営業の方にとって、時代の流れの中で取り入れるべき必要なことを押さえておこう、
一方で、速く劇的に変わっていく環境にいる中でも、
周りに流されることなく、本質的なことを忘れず営業をしよう、
という横山氏のメッセージを読み取ることだと思う。
では、マーケターたちはこの本をどう受け取ればいいのか?
という視点で考えてみた。
私は会社員時代に、マーケティングマネージャーとして、数多くの営業部隊と仕事をしてきた。
そういう中で、売れる営業となかなか上手く売れない営業の違いも多く見てきた。
その理由の多くの場合は、この本の第二部にある"本質"ができていない、ということもある。
ただ、マーケティング部にも大きな責任があった。
それは、マーケティング部の中にいる、ブランドマネージャーにも、
売れる人と売れない人がいるのだ。
その理由の1つは、営業を分かっていない点だ。
市場全体を考えるマーケティングは、"大体こうだろう"という推測のもとに、
全社統一の統一のキャンペーンを考える。
ここまではどのブランドマネージャーも同じ。
しかし、できるブランドマネージャーは、企画立案の時に、
営業の意見を吸い上げるのが上手い。
なぜなら、顧客に一番近いところにいるのが営業なので、
店頭でのプロモーションのアイディアなどは、
マーケターよりも"現実的な案"を出すことができるからだ。
私もブランドマネージャー時代に、売れる先輩に近づこうと、
営業の方々と小売店さんを訪問しては、
売れ具合などをチェックしていた。
起業した今も、顧問先の客先や店頭には同行をさせてもらうし、
著者としても、出版社さんとの書店さん周りを欠かさないのは、
売れるヒントは顧客接点にあるからだ。
マーケティングと営業は表裏一体だ、
と私は考えている。
横山氏と1年に渡り、クラブハウスやYouTubeなどで、
営業VSマーケティングの対談をさせていただき、
より痛感した。
相互理解が深まれば深まるほど、
売れる。
この当たり前のことが、組織ではなかなか上手くいかない。
その意味でも、営業の本質がどこにあるのか、
マーケターが営業のどのポイントを押さえておくべきか、
ということを知るのに有益な一冊だ。
手法よりも、営業の原理原則、あり方を、
マーケティングなどの企画部門が知るために、
お勧めできる一冊だ。
マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授
理央 周(りおう めぐる)
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