今朝の日経新聞の朝刊に、超PayPay祭、
「PayPayお買い得市」の折り込みチラシが入っていた。
PayPayでお支払いいただくと最大30%相当が戻ってくる、
または20%が戻ってくる、
そしてお酒類も抽選で最大1500円相当が戻ってくるといった内容のプロモーションの告知だ。
内容は「こんな商品が対象商品です」と、
対象商品の写真と商品名の一覧があって、
キャンペーンの詳細が書かれている。
PayPayはキャッシュレスでお金が支払えるアプリのサービスだ。
スマホでなどに入れておいて、クラウドへの入金なども含めて、
ほとんどのことをインターネットで完結できる。
PayPayはインターネットのサービスなのにも関わらず、
新聞折り込みという「紙の媒体」で、
今回は告知をしたのだ。
ちょっとマーケティングに従事していると、
「インターネットのサービスを売っていくのだから、
ターゲットはインターネットの使用者でしょ。
だからインターネットで告知をすればいいよね」
と、考えがちだ。
確かに、理屈は合っていそうだ。
また、今はインターネットをやっていない人はいないので、正しそうだ。
しかし、ネットは意外と不便なメディアで、
電波、電源、デバイスがないと見流ことができない。
さらに、ネットは見る人が自分から観にいく媒体なので、
いつも自社の発信を見てくれるとも限らない。
なので、この期間限定のPayPayのプロモーションも、
ネット上だけで展開していると、機会損失になりかねない。
PayPayがこのように新聞折り込みにもをメディアとして使う、
ということは、新聞を読層にもPayPayを入れて欲しい、
あるいは他のキャッシュレスサービスから乗り換えてほしい、
という意図があるのだろう。
または、30%キャッシュバック的なプロモーションについては、
この機会に売り上げを上げたい。
そして、その告知はPayPayのアプリ上だけではなく、
紙の媒体でもやりたい。
その時に、新聞折り込みをよく見ているであろう層、
例えば主婦にリーチしたいと考えていることが推測できる
昔の言葉で言うところの、クロスメディア、
いわゆる統合型マーケティングコミュニケーションで、
接触率を上げて、見てもらえる可能性を上げていく、
という取り組みだ。
ネット全盛の今、コストも手軽さもある、
インターネットの媒体に、
私たちはプロモーションを頼りがち。
しかし、顧客視点で見てみると、メディアに触れる時には、
ネットだけとは限らない。
マーケターが陥る罠、マーケティング・マイオピア。
近視眼、近くのものしか見えていないので、本質を見失うことに例えられる。
マーケティングのコミュニケーションを設計する時には、
まずは、明確なターゲット設定をすること。
ペルソナまで落とし込めればなおいい。
必ず、ターゲット層の心理状態を把握すること。
今でいうところの、カスタマージャーニーを、
顧客行動レベルで考えること。
そしてそこから、顧客が見るであろうメディアをピックアップする。
カスタマージャーニーは、製品やサービス開発以外にも、
使える考え方なのだ。
気づきをもらえた、PayPayのチラシだった。
マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授
理央 周(りおう めぐる)
New! 売れない問題を根っこから解決する「売れる仕組み」を
動画で身につける
⬇︎ ⬇︎ ⬇︎ ⬇︎ ⬇︎ ⬇︎ ⬇︎ ⬇︎
「できる!マーケティングまるごと講座」on Udemy
コロナ禍の今、会社を"中から"変革したい経営者の方
社員を「戦略リーダー」にしたい経営者・人事責任者はこちらから: