Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

「調べ方」の教科書:マーケティング計画作成のためのリサーチ・分析・戦略立案の必読書

調べ方の教科書

「電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書
あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術」読了。
正確には"2回目の読了"になる。

2周読んでの感想は「やはり実務で使える」ということ。
まずは、マーケティング活動で必要な調べ方を網羅していることで抜け漏れなく学べること、
そしてその上で、抽象的なことを「定義」している点だ。

たとえば、「問題と課題の違い」を定義していること。
私も研修などで感じるが、多くのビジネスパーソンがごっちゃにしているが、
間違えたまま、また、あいまいなまま進めていくと、
最後まであいまいなままで終わり、身につかないのだ。


たとえば、リサーチなどの調べ方の「手法の説明に終わっていない」という点も同じ。
マーケティングやビジネスにおいて、調べることが大事だし必要なのは、みんなわかっている。
一方で、調べる、といっても、
リサーチや情報収集、分析など「調べる」ということはとても幅広いし、
その分、やり方、手法は星の数ほどある。

なので、リサーチや分析のやり方を1つ1つ教えてもらっても、
「う〜ん、いいことを聞いた」で終わってしまい、
仕事で使えないことも多い。

著者はその点を踏まえて、「リサーチや調査から入らない方がいい」
とまず定義している。

「売れないから調査してみよう」とか、
「新しい商品を出すのでとりあえずリサーチだ」ということではない、と言っている。

このような根本的なことを踏まえて、
各論を展開しているので、ぶれずに読み進めることができるし、
これから新製品を出そう、とか、戦略を固めたい、
と感じているビジネスパーソンにとって、使える内容になっている。


もう1つは、型としてのフレームワークが具体的な事例とともに紹介されているので、
読者が自分の仕事に当てはめられる、という再現性の高さだ。

それをP65の「調べ方の3つのステップ」で、
1."なんとなく"の感覚で仮説を立て
2.仮説検証サイクルを回す
3.ターゲットとセールスポイントを決めて打ち手GO!
という「型」を提供している。

PDCAという有名なフレームワークがあるが、
P,のところの計画を立てる前に、
"調べ"なければならない。

なぜなら、計画というものは全て仮説だから。
なので、仮説の精度が高いほど、検証結果の精度も上がる。
しかし、市場は厳しいので、そうそう当たることはない。
なので、PDCAサイクルはスピード持って回し、
できる限り早く、良い検証結果を出したいところ。

その意味でも、このフレームワークのおかげで、
PDCAの本当の意義が理解できるのだ。

これらのフレームワークを、多くの事例とともに紹介しているので、
「ああ、これってうちの会社に当てはめるとこうなるんだな」
と、再現できる。

私も教育に携わるものとして、
この本をビジネスパーソンにお勧めしたいし、
学生たちにもぜひ読んでもらい、
調べるということの本質を掴んで欲しいと思っている。

私がお勧めするこの本の活用方法は、
1回目にざっと読んで調べ方の全体像を掴む
2回目に、自分の当てはめられそうなところをピックアップして深掘り。事例とともに読んで仕事で再現できるかをチェック。
そして、そのあとも調べ方でわからない点が出てきた時に、辞書のように使う、
といったところだ。

さっそく、関西学院大学の図書館の「先生からの推薦」の1冊とさせていただいた。

久しぶりに出た読み応えのある1冊だった。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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