Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

脱値引き合戦 どうしたら価格競争から抜けられるのか?ブランドに付加価値をつけるヒント

私が料理をやるってこともあって、先日充実した朝食のためにホットサンドプレートを買いに行った。

家電量販店の、調理用品グッズのカテゴリーの中に、ほぼ一律ホットサンドメーカーがありそこには10商品以上が並んでいた。

ディスプレイされていたのは、現物と価格だけ。
そこでは、商品のデザイン見た目ルックスと、価格しかわからないのだ。

価格は、3000円くらいから始まって、高いものでも10,000円前後くらい。
大半が3000円台の価格帯の、ほぼ横並びの価格だ。
これでは、初めてホットサンドメーカーを買おうとする私には、どれが1番自分に向いているのかわからない。

もちろん、口コミサイトを見れば星がいくつとか、使い勝手のよさとか、
価格との相対性など、多くのコメントを書かれているが、どれも似たようなものだ。

そんな中で、私が購入したのがこちら。
Toffyのホットサンドメーカーだ。

決め手になったのは、この商品のすぐ横に置いてあったレシピのカタログ。

表紙はこんな感じ。
イラストで書かれた商品とホットサンド、ドリンクが感じいい。
ロゴも凝っていて、デザインブックのよう。

中を開けると、製品そのものの使い方が、写真とともに書かれている。

そして何よりも、おいしそうな写真とそのレシピが様々載っているのがいい。

私は、ホットサンドといえば、ハムにチーズを挟み、キャベツをのせて、マヨネーズとマスタードを塗って焼く、というものだと思い込んでいたが、こうやってみると、ホットサンドとひとくちに言ってもかなりの種類があることが分かる。

しかも、どの写真も美味しそうで、思わず作りたくなるのだ。

今回私がホットサンドメーカーを選ぶ決め手になったのは、このレシピ・カタログだ。

私はホットサンドメーカーを買いに行ったのだが、
欲しいのは、ホットサンドメーカーそのものではない。

本当に欲しいのは、美味しいホットサンドがある、「楽しくて充実した朝のひと時」なのだ。
この点を店頭でコミニケーションできていたのは、この機種ただ1つだった。

基本的に、企業が売りたいものと、顧客が買いたいものは異なる。
この場合でいえば、売りたいのはホットサンドメーカーだが、
顧客が買いたいものは、
「美味しいホットサンド」だったり、
「ホットサンドがある充実した朝ごはんのひと時」だ。

マーケティングをしていると、どうしても「売らなければ」と考え、自社製品の特徴や価格の安さを強調しがちだ。
もちろんそれらは、顧客が買う上で重要な要素だが、それだけでは他と比べられて最後は「安い方」に決められてしまうことが大半だ。

製品を買ってからの「顧客が体験する様子」を、写真やキャッチコピーなどのイメージでコミュニケーションすることで、顧客はまず自分がこれを使ったらどうなるのか?を想像する。その後、機能やスペックを確認するのだ。

単なる機能の比較による、値引き合戦から抜け出るための、いいヒントになった。

さて、このホットサンドメーカーで充実した朝をこれから送ろうと思う。

(Toffy ホットサンドメーカー)

マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)

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