「本物のリーダーとは何か」 読了。
大学院での講義において、私が学生に求めるものは知識の習得だけでなく、「リーダーシップ」を取ることも重視している。
マーケティングの実務においては、チームを管理する、というよりも、チームを引っ張ることで成果を出すことが重視されるからだ。
この本は、長年リーダーシップを研究してきた著者が曖昧な概念だったリーダー像というものを体系化した本として読んでおくべきと考え読んでみた。
著者は、「リーダーシップは生来のものではない」「愛と同じで存在は知っているが定義し得ない」という。
次に、リーダーシップに欠かせない三要素として、
- コミットメントcommitment
- 複雑化 complexity
- 信頼性 credibility
を上げている。
ちなみに、冒頭の部分で「管理はやめよう」という文章を掲げている。
これは私も好きな言葉で、「アメリカの心」という本にも掲載されているユナイテッドテクノロジーズがWSJに投稿したとのこと。
著者はこの本で、優れたリーダーは4つの戦略を持つという。
それが、次の4つだ。
- 人を惹きつけられるビジョンを描く
- あらゆる方法で意味を伝える
- ポジショニングで信頼を勝ち取る
- 自己を創造的に活かす
それぞれに関して、かなり奥深く掘り下げて分析され、まとめられている
人を惹きつけられるビジョンを描く
- ビジョンなき組織に未来はない
- リーダー=ビジョンをみせ感情的資源〜コミットメント 過去や先達に手がかりを求める
- マネージャ=物理的資源〜資本、技能
- ビジョンに必要な力とは、先見力、洞察力、世界観、立体認知、周辺視野
あらゆる方法で意味を伝える
- アイディアの良し悪しは質だけでは決まらない
- 組織の社会構造の設計をする→形式的、組織的から個人的へ
- ビジョン策定→コミットさせる→定着させる
ポジショニングで信頼を勝ち取る
- 場所を自分で創る
- 一貫性を持ち最後までやり遂げる
- 勇気ある忍耐
自己を創造的に活かす
- 人間的な営みを行えるようにするための自己進化型肯定的自己観を持つべき
- 失敗はものごとをやり遂げる方法の1つに過ぎない
- 自己と結果を肯定することが大事
- 優れたリーダーには5つの能力がある
- 不確実性を認め共有する能力
- 間違いを受け入れ活かす能力
- 未来を見据えて行動する能力
- 円滑な人間関係を築く能力
- 自分を知る能力
- 学習する組織を構築すべき
- 歴史を再解釈
- 実験する
- 類似組織の研究
- 分析する
- 研修教育を行う
- 知識を捨てる
- したがい、学ぶリーダーを作ることが必要
この本では上記4つに関して、研究結果と企業での事例が書かれているため、実際に実務に落とし込みやすく、再現性が高い。
さらに、40年近く前に書かれた本とは思えないくらい、今の状況に当てはまることが多い。
昨今のコロナ禍の中、求められるビジネスパーソン像も多様化・複雑化しているが、この本にある本質的なことに大きな変化はない、と読み取れる。
その意味でも、今考えるべきテーマの中の良書と言える
マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)
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