28歳、自分の息子くらいの年齢の経営者が、「毎日のように新橋のサウナに通ってます」「サウナ、水風呂、リラックス」の三点セットがいいんですよとのことを熱く語られて、サウナ道に興味が出て、さらに他の経営者仲間にも聞いてみたところ「え、サウナ流行ってますよ!」「いってないんですか?」などと、まるでいっていないことが罪悪かのように言われて驚いた。なんでも、サウナの熱さから水風呂に行き、その後リラックスしている段階で何かのホルモン(? うろ覚えですが)が出て、閃きがおりてくる、とのこと。彼らは異口同音にこういうのだ。
私は人前に出る仕事ということもあり、おなかがぽっこり出るのがまずく、数ヶ月前からスポーツクラブのメンバーになり、週2、3回は筋トレ、ランニングマシン、水泳などなどしっかりとやっている。このスポーツクラブにもサウナがあるので、「あ、じゃあクラブのサウナに行けばいいんだよね。でも水風呂がないからシャワー浴びればいのか」というと、すかさず「それは邪道です!」と始まる。なんでも、水風呂にドボンと入ルカらいいのであって、冷やせばいいというものではないらしい。サウナの温度と同じように、水風呂も決まりがあるとのことだ。
サ道は奥が深い・・・とのことで、この本を読むのにも気合が入った。
サウナ好きで有名な著者のタナカカツキさんも、最初はサウナがそれほど好きではなかったとのこと。しかし、周りに言われてサウナに行っているうちにだんだんと良さがわかってきた。サウナの温度や入り方にもルールのようなものがあり、常連さんたちはそれを暗黙のうちに守っているとのこと。作法、のようなものがあると発見するくだりがなかなか面白く、基本的にタナカ氏は一人でサウナに行くとのことだが、まるで漫画の「孤独のグルメ」を思い起こすような感じで本は進んでいく。
私もスポーツクラブにいくが、なにも筋肉ムキムキになりたいわけではない。心身ともに健康になりたいのだ。確かに通い出してからは、食べるものにも気を使うようになり、タンパク質を多めにとる、野菜を1食に必ず入れる、コンビニで何かを買うときでさえ成分表示を確かめるようになった。また、何よりいいのが気分転換というかリラックスできるというか、精神衛生上とてもいいのだ。
私の仕事柄、本を書いたりクライアントの企画を考えたりなにかと机の上での仕事が多い。しかし、机の上だけではアイディアも煮詰まってしまうし、眠くなったり飽きたりしてしまう。スポーツクラブにいくのはランチ後の午後2時から6時の間と決めているのだが、この時間原ランチがお腹にたまり1日で一番眠くなる時間帯なのだ。そのときに体を動かすと、余分な昼寝も避けられるし、健康にもいい、さらに気分が変わることで煮詰まっていたアイディアに違う方向性が思い浮かぶこともよくある。「自分がスポーツクラブに行って健康的なことをしている」という意識もあって、気分がいいのだ。
サウナは、これに共通すると思う。何よりも、緊張を緩和させることができるのがいい。画期的なアイディアは、固定観念や成功体験に邪魔されるが、違う環境に自分を置くとその壁を取ることができる。企画力をあげ画期的な発想を生み出すためには、頭を捻る、ディスカッションをするだけでは不十分。みずから環境を作り出すことも必要だ。サウナはその効果的なツールだといえる。
現状維持は敗北だ、がマーケティングの基本だ。その壁を破ることができる1つのやり方がサ道。その意味で、ビジネス・パーソンにはオススメの一冊だ。
マーケティング プロデューサー
理央 周(りおう めぐる)
*この記事のブックマークはこちら→
*共感したら、ツイッターへ!こちらから→ Tweet to @businessjin
最新刊「なぜ、お客様はそっちをかいたくなるのか?」~二択クイズでMBAのエッセンスを身につける!
社員を「戦えるリーダー」にしたい経営者・人事責任者はこちら:→社員教育.com
まぐまぐ大賞2016年ビジネス部門で5位受賞!「売れる理由」を学べるメルマガを書いています:
⇒ 理央 周 の 売れる仕組 み創造ラボ 【Marketing Report】では、
ヒット商品に共通する「仕掛け」はマーケ ティングに あり!という記事を毎週発刊しています。