投資レジェンドが教える ヤバい会社 を読了。
この本は、ファンドマネージャーであり、
投資家、ベンチャーキャピタリストでもある藤野英人氏が、
投資をする際の「会社の見極め方」を、
「経営者を見ることで会社を判断する」という視点で書かれている。
それを、藤野氏から見た、投資する価値がある会社に共通する70の法則が、シンプルに書かれているのだ。
その視点でそのまま読んでも大変参考になるし、
読み物としても面白いのだが、
私の「経営コンサルタント」の仕事に当てはめて読んでみると、
社長が「この方向に進むとヤバい」という危険防止のチェックポイントや、
「こう直すといいよね」というアドバイスの視点で読んでみても面白く、
また有用に読むことができる。
たとえば、
サラリーマン経営者の会社は成長ができない という法則には、
その意味として、
「間違った意思決定も、責任を分散すれば通せる」
という企業文化が背景にあるため、と書いている。
ということは、責任分散による意思決定のミスを防止する仕組みをつくればいいのだ、
ということに気づく。
また、
真面目なインターネットに取り組む企業は株価上昇が期待できる、とある。
その意味には、
「真面目さを失っているイネターネットの世界で、
地道に手間暇をかけ、肌感覚でネットを使っている企業は伸びる」
と書いている。
ということは、真摯にネットを活用しているのか、
流行りのSNSを、表面だけ、やらされ感でやっていないか、
という視点で企業へのアドバイスを行うことができそうだ。
藤野氏の著作は、「投資家がお金より大事にしていること」でもそうだったが、
企業は人、特に経営者がどのような人なのか、
また、社長の想いや姿勢が本質的なものか、
それらが社内に浸透しているのか、
が、投資判断には重要だと説く。
私も多くの企業のマーケティング施策を分析、アドバイス、
時には社員の方をご指導させていただく中で、
最重要なのはいうまでもなく「人間力」だ。
この人間力というものは、可視化や数値化をしづらいものだが、
藤野氏はその点を、自身の経験で体系化している。
なので、説得力もあり、
読者が自分の仕事に当てはめることができるという、
再現性も高い本になっている。
投資家のみでなく、コンサルタント、士業の方々も、
一読されることをお勧めする一冊だ。
マーケティング コンサルタント 理央 周(りおう めぐる)
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