Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩むすべての人へ 読了 北野唯我氏著

帯に「なぜ才能が潰されてしまうのか?」とあるように、
この本は、組織の中で画期的なアイディアや、
イノベーション的なアイディアが出ない理由を、
人材におき、人材とその特徴をベースに、
3つのカテゴリーにしてまとめている。

その3つとは、
創造性に富む「天才」、
ロジカルで再現性に富む「秀才」、そして、
共感性が高い「凡人」
とのこと。


この3者は、お互いに牽制しあい、
ときには、無意識のうちに阻害しあって、
いわゆる「三すくみ」のような関係になっている、
と著者は言う。


天才は秀才に興味がなく、秀才は天才が羨ましい。
凡人は天才を理解できず、秀才を天才と勘違いしているため、
「排斥」しようとする、
といった具合だ。


企業にとって注意すべきは、大多数を凡人が占めること、
そして多数決になると、
「天才が出す創造性豊かなイノベーション的なアイディアが潰される」
ことになってしまう、というのがこの本のテーマになる。


私は仕事がら、多くの組織改革にも携わる。
マーケティングの戦略コンサルティングを提供し、
実践するステージに進むと、
人材育成が必要になるからだ。


その際に、戦略が正しくても「正しく実践」し、
「続けなければ」成果につながらない。
当たり前だが、企業は人によって動いているからだ。


数百人、数千人の社員を抱える大企業において、
全社員のレベルを一様に上げていくことはできないため、
職位や砂礫などの階層別や、
営業、企画、経理など機能別にわけて、
人材育成の研修を行うことが多い。


各層で人材の中身、質的な要素に分け、
人材育成計画に組み込むことが重要であることを、
わたしとしても認識はしていたが、
どのように分けて考えていくべきなのか、
について私の中で迷いがあったことも事実だ。


その1つのヒントになるのが本書だと言える。


成果を出すことができる企業の人材の特徴は多様性だ。
しかし、多様であればいいかというわけではなく、
多様な人材が、
「必要なことを、常時・相互にコミュニケーションできる」
企業文化がなければ、
天才も秀才もいるだけの「人在」になり、
「人財」にはなり得ない。


創造性豊な天才のアイディアを潰さずイノベーションにつなげるには、
秀才タイプの構成力を生かした、
「仕組み化」をさせることが必要だ。


また、共感できる凡人タイプを底上げするには、
何をすべきなのか、という点を、
私の場合は、自社の研修に生かすことができる。


その意味で、人材育成案に新しい風を吹き込んでくれた、
使える1冊になった。

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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