帯にあるように、「たくさんあって迷っちゃうは、実はしんどい」ということは、顧客心理の真の姿だと常々感じていた。そもそも、人は7つ以上の選択肢があると、心理的に選ばなくなってしまうと言う説もあるようだ。(選択のパラドックス シュワルツ氏)
ITが浸透して、便利になり、店に行かなくても買うことができる、とか、自宅まで届けてくれるというような便利さが、私たちの生活では当たり前になった。
顧客の満足度をさらに上を回ろうという企業努力によって、これでもかこれでもかとサービスを提供する時代になった。
このような状況において、企業同士が競争していくと便利さをさらに改善しより便利に、より買いやすく、より顧客が選べるチョイスを増やそうという努力を企業は続ける。
この本では、このような企業努力を続けていくことだけが、本当にいいのか?選択肢が多いのは本当に顧客にとって自由で幸せなのかと問題提起をしている。
ITによって、新しい買い方が増えてくると、買い物に対する目的が変わると著者は言っている。特に面白いのは、揃える買い物から、憧れる買い物を経てら、今は賢い買い物する時代だとの視点だ。
これらの「選ぶことが面倒」という心理に対し、マーケティング的にどうアプローチをすべきかを、「枠を作る」というフレームワークを用いて説明している。また、それぞれのアプローチについて企業の事例を用いているのもわかりやすい。
マーケティングを体得する際に、学術書を読んでみるのももちろんいいが、この本のように再現性高い本で自分の仕事に当てはめることが重要だ。
マーケティングは、フレームワークでもなければリサーチでもない、広告を作ることだけを指すわけではないし、製品開発のみを指すわけでもない。
市場を捉え、顧客心理を読みとり、彼らの先手を打つことで、自社の未来を作ることだ。
その意味でも、やはり顧客が何を考え、何をしたいのかを把握することが必須になる。
この本のアプローチは、まずそのステップの初期段階に使えるものだと思われる。
その意味で、一読の価値ある1冊だ。
マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)
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