ITの浸透により、定額制の継続課金すなわちサブスクリプション課金がそれに伴って一般的になってきた。
この本では、そのサブスクリプションをマーケティングに活用する考え方について、とても明快に書かれているので読んでみた。
まずイントロダクションのところで、サブスクリプションマーケティングは価値の育成(バリューナーチャーリング)であると定義している。
Part 3の、戦略の実践のところにも明記されているが、サブスクリプションは、決して顧客を食い物にするものでは無い。すなわち、消してダークサイドのマーケティングでは無いのだということに意識しなければならない。
Part1には、アマゾンの事例が書かれている。まさにアマゾンは、価値のあるコンテンツ用意して、顧客のニーズに即座に対応し、顧客に利便性を提供することで、顧客価値を生み出している。サブスクリプションに価値を付加していると著者は言うのだ。
ビジネスの主役は、顧客であるということを考えたときに、とても理にかなっている考え方だ。この、本質をけして外してはいけないというところからスタートしているのが良い。
これ以降、マーケターとして顧客を獲得し維持し、継続して顧客に価値を提供する仕組みを作る際に気をつけなければいけないことが、とても具体的に書かれている。
収益の推移を追いかけないと、レベニューギャップに陥ること、カスタマーローンチの考え方で、新規顧客に価値をわかってもらう手法など、企業の事例を紹介して、とても具体的に書かれているので、自分の仕事に生かすことができる。
考えてみれば、サブスクリプションに限らず、継続して顧客に価値を提供することで長く自社の製品を買ってもらうという事は、今に始まったことではない。ITのおかげで以前よりも、シンプルな形で課金できるようになっただけだ。
顧客に価値を提供し、忠誠心を持ってもらいブランドを構築するということは、基本中の基本だ。
そのことを思い出させてくれる良書だった。
マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)
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