昨年末に、木村氏の西洋美術史の講演を聞いてすっかりファンになってしまい早速読んでみた。その時は、クリスマス前ということもあり、宗教画における歴史との関係と言うテーマだった。
木村氏の講演いや著作には、絵画の背景にある歴史的事実やそのさらにまた背景にある社会的な状況を照らし合わせて説明してくれるため、絵画をただ単に美術品として見るだけではなく、歴史の中の1創造物として見ることができるため、より楽しくまたさらに深く味わうことができる。
この本でもそうだが、絵画におけるヒエラルキーの構造とか、フランスが美術大国になった理由とか私たちが、ざっと並んできたいわゆる世界史と言うもののをより深く興味深く考えまた見つめ直すことができる。
章立てはこちら
- 第1部 神中心の世界観はどのように生まれたのか? ギリシャ神話とキリスト教
- 第2部 絵画に現れるヨーロッパ都市経済の発展 ルネサンスの始まり、そして絵画の時代ね
- 第3部 フランスが美術大国になれた理由 偉大なるフランス誕生の裏側
- 第4部 近代社会はどう文化を変えたのか? 産業革命と近代美術の発展
西洋美術にしても、文化にしても、この本をそのまま仕事やビジネスに繋げることかどうかは重要ではない。この本に書かれている歴史的な背景と美術が生まれた因果関係に大いに学ぶところはあるし、特に木村氏の洞察力による芸術への新視点によって自分の歴史観を変えることができる点など、読むことによる勝ちは大きい。教養は、有益な知識を積み重ねること。ビジネスパーソンとして大きな財産になる一冊だ。
マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)
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