Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則 マーケター及び実務担当者必読の1冊


副題に、IoT、AI 、ビックデータでマーケティングは激変する!
マーケターが目指すべき最終ゴールは何か。とある通り、
不易流行を地で行く、原理原則を基本としながらも、今私たちが今この場で必要とする最新のメディアや消費者動向を、いかに自社のマーケティング活動に取り入れるか、という難題について本質をついて書かれている。

【マーケティング4.0とは何か?なぜ、必要なのか?】

コトラーは、マーケティング4.0を、
企業と顧客のオンライン交流とオフライン交流を一体化させるマーケティングアプローチ」と定義している。

コトラーはここまで、
マーケティング1.0は、「何を作るか?」という製品中心、
マーケティング2.0は、「誰のために作るか?」という顧客中心、
前著のマーケティング3.0は、「社会と顧客にどう貢献できるか」という価値中心、
と定義してきたため、個人的には4.0というより3.5という感じもするが、
それはさておき、従来のSTPなどのフレームワークだけでは、
昨今のITの進化に伴う、市場の変化に対応が不可能になってきている、
というテーマに正面から取り組んでいる。

SNSをはじめとする、メディアの細分化は、
マーケティングコミュニケーションを一変させた。
コトラーも本著の中で、
マーケティングミックスの4Pは、

  • 共創 Co-creation
  • 通貨 Currency
  • 共同活性化 Commural Activation
  • カンバセ―ション(対話)Conversation

に変化していく、と言っているように、
ITでの双方向性でのコミュニケーションが浸透していったため、
旧来のマスコミュニケーションで認知度を上げ、徐々に製品そのものの良さを使えていく、という手法と組み合わせが成り立たなくなっていることへの、対案になっているのだ。

【私たちはこの本をどう読み解くか?】

コトラーは、名著「マーケティング・マネジメント」を筆頭に、
「混沌とした市場、生活者、消費活動を、フレームワーク化する」
ことに長けた天才的な著者だ。

この4.0においては、その中でも特に「顧客行動」に焦点を当てている。
製品購入に至るまでの消費者心理がどのように動くのか、
という「カスタマー・ジャーニー」について、
従来のAIDMA的なアプローチをさらに一歩進めて、
認知、訴求、調査、行動、推奨の5段階をマッピングし、
各フェイズでできることを、事例とともにあげている。

フレームワーク化されたことを、自社に落とし込む際に、このような事例を上げてあると、再現性が高いのだ。

この本を「自社ビジネスに当てはめるとどうなるのか?」
と、自分化しながら読むことができる。すなわち、
「このフレームワークなら、うちのビジネスにこうあてはめられるな」
と意識しながら読見すすめればよいのだ。


激変する市場に対応できない企業は、生き残れない
市場の先を行かなければならないのだ。

この本は、自社を成長させたいと願っている、

マーケティングを実務として担当している人、
経営企画など、全社戦略にかかわる人、
そしてもちろんだが、経営者と経営陣、
必読の一冊だ。

章立ては、

第一部マーケティングを形作る基本的なトレンド

  • 第1章 つながっている顧客へのパワーシフト
  • 第2章 つながっている顧客に対するマーケティングのパラドックス
  • 第3章 影響力のあるデジタルサブカルチャー
  • 第4章 デジタル経済におけるマーケティング4.0

第二部デジタル経済におけるマーケティングの新しいフレームワーク

  • 第5章 明日新しい(カスタマージャーニー
  • 第6章 マーケティングの生産性の測定指標
  • 第7章 産業類型とベストプラクティス

第三部デジタル経済におけるマーケティングの戦略的応用

  • 第8章 ブランドの誘引力を高める人間中心のマーケティング
  • 第9章 ブランドへの好奇心をかきたてるコンテンツマーケティング
  • 第10章 ブランドコミットメントを乱すオムニチャネルマーケティング
  • 第11章 ブランドアフィニティーを築くためのエンゲージメントマーケティング

マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)


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