早稲田大学ビジネススクール教授でもある根来龍之氏の著作である、「プラットフォームの教科書」 読了。
帯に、デジタルエコノミーの勝者と敗者を分けるもの、とある通り、主催している、マーケティング寺子屋の塾生をはじめ、
中小企業にも、使えるこの「プラットフォーム戦略」という考え方。
現在においては、知っておかなければならない戦略手法のひとつだ。
この本を読んでみて、まず感じたのは意外なところまでプラットフォーム戦略が広がりつつある、という点。
私たちがプラットフォーム戦略と聞くと、まず思い浮かぶのが、フェイスブックやアマゾン、アップルなどの巨大なIT系企業群だ。
しかし、今ではテレビやラジオ、コンビニや電子マネー、ゲームやクレジットカードなど、多岐にまた広範囲にわたって広がっている。
企業経営者としては、
「プラットフォームが重要なことは分かるが、何から手を付けていいのかわからない」
というのが率直な感想だと思う。
この本では、カテゴリー別、また企業別に、
- プラットフォーム戦略とはなにかという定義に、
- 企業に何をもたらしてくれるのか、また、
- どんな種類のプラットフォーム戦略があり、
- 業種や企業ごとに、戦略構築し実践されているのか、
が、シンプルに整理整頓されているため、理解がしやすくまた、自社の経営に当てはめる上での再現性も高い。
私が特に使える、と感じた点は、
- 構造がレイヤー化されるため、すべてを自社でやらなくてもよいという選択を取れる
- シェアリングエコノミーに重要なことは信頼と信用
- プラットフォームとバリューチェーンの違いとどちらを選択すべきか
といった3点。
経営資源に制限がある中小企業にとって、大企業のビジネスモデルを参考にすべきではあるがそのまま適用することはできない。
応用して適用していくうえで、非常に参考になるのが上記の三点だ。
章立てはこちら:
第1章 プラットフォームの基本
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- プラットフォーム革命
- レイヤー構造化
- ネットワーク効果
- クロスプラットフォーム
- デバイス転換
第2章 プラットフォームの広がり
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- シェアリング
- IoT
- WTAの布石
- プロフィットプールの攻防
第3章 プラットフォームの戦略
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- エコシステムのマネジメント
- 攪乱要因
- マルチホーミング
- 5つの対抗策
- 包囲戦略
プラットフォーム戦略の考え方は、これからますます重要になる。
基本を知り、自社に当てはめるには最適の一冊である。
マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)
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