業界を破壊するものを意識すべきである。
2017年1月7日の日本経済新聞スポーツ欄に、
「球団、米社と相次ぎユニホーム契約」 という記事が載っていた。
楽天やヤクルト、ソフトバンクなど数球団が、ユニホームサプライヤー契約を、
デサント、ミズノやゼットなどの国産メーカーから、米国マジェスティック社に変えているとのこと。
もともと、国産メーカーのビジネスモデルは、
プロに一級品を提供して、アマチュア競技へのブランド構築を図り用品販売につなげる、というものだっ
た。
しかし、マジェスティック社は、ユニフォームなどのレプリカ製作で稼ぐ、ことが強みとのこと。
プレイヤーではなく、ファンが狙いだ。
球団側からすると、野球だけでなくグッズからファンになってもらうきっかけになる、
というのが変更の動機だろう。
(以上 日本経済新聞 より抜粋)
プロ野球向けの用品メーカー業界に起こった「業界構造の変化」の中で、
新しく参入してきた黒船が、旧来のビジネスモデルを破壊した、と言える。
GMSは、小規模小売業者を、
アマゾンを筆頭にするEコマースの台頭は、街の書店に大きな影響を与えた。
企業は常に「業界を破壊するモノ」に備えなければならない。
その準備のために、
- マクロ経済の変化に敏感であること:為替含む
- 経済以外の重要事項をチェック:世界・国内の、政治・法律の変化
- 自社を取り巻く環境の変化:業界構造や競合関係
さらに、
- マーケティング的な視点で「自社が供給する製品の需要は誰が作っているのか?」
を常に意識すべきである。
すなわち、BtoBの企業でも、顧客である企業の顧客、
すなわち、BtoBtoCまで考える、ということになる。
このケースでいえば、用品メーカーの顧客は球団という法人だが、
需要は、球団が創り出しているわけではなく、「ファン」が創り出している。
この視点を持っていることで初めて、
自社の顧客に対して、適切な価値を提供できるようになる。
では経営者として何をすべきか?
経営に関わる者として、明快な方針を打ち立てられるよう、日々準備しておくべきである。
もう1点は、
経営幹部および幹部候補生に、経営の基本と必要な情報、
そして経営学としての理論武装をしておくことで、
変化に敏感で、かつ、すぐに対応できる姿勢を保たせることに他ならない。
マーケティング コンサル タント 理央 周(りおう めぐる)
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