Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

機会損失は売り上げ増の敵:ロサンゼルスのバナナリパブリックにみる工夫

ロサンゼルスへの出張で、ビジネスの合間にお気に入りのファーマーズマーケットに立ち寄った。

敷地の3分の1が、まさにファーマーズマーケットという感じで、フルーツや肉、野菜などの食品や、土産物など現地のモノが売られている。2年前に来た時にも立ち寄った、僕のお気に入りのモールなのだ。

敷地の中には、こんな感じの電車なんかも走っているし、


ガーデンになっている、中央は夜になるとライトアップされて幻想的。
こういった演出も、画一感がありすぎる日本のショッピングモールも取り入れるべきである。

もちろん今時のショッピングモールといった感じのショップもあり、
ラグジュアリーブランドから、カジュアルなものまで、様々。
デパートメントストアもあり、レストランも充実している。

そんな中で、「おっ、これはいいな」と感じたのがこちらのサイン。
バナナリパブリックのウインドウにあったこちら。

訳すと、
「上を見てください。メンズのショップもありますよ」
と書かれている。

ここのバナナリパブリックは1階がレディスのショップで、2階がメンズになっている。
このサインがなければ、ボクもそして他のお客様にも気付かれることはない。

お客様という人たちはよくも悪くも「わがまま」なのである。
私たちが思っているほど、私たちのことを覚えてくれてもいないし、
わかってくれてもいない。

だから、
「教えてあげなければならない」

仕事に没頭しすぎて「売るんだ!」という気持ちが強すぎると、
どうしても「こんなことはお客様が知っていて当たり前」
と思い込んでしまう。

たとえばこのサインがあることで、1日100人が2階に来てくれたら、36,500人。
うち10%が買ってくれたら、3,650人。
一人あたり3,000円使ってくれたら、1,095万円の売り上げになるのだ。

こんなちょっとしたことが、大きな機会損失を招く。
強引な集客や営業よりも大事なことは、
「機会損失」をなくすこと。

そのためのいい一例だった。

マーケティング コンサルタント  理央 周

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