ウェブとはすなわち現実世界の未来図である 読了
この本を読み、ネットのオープン性についての「気づき」をもらい、また再びオープン性について考えるいい機会にもなった。
第2章「シェアが生み出す新しい資本主義」では、参加者が何者であるか、が問われるとある。
それは、実名で投稿・コメントせよ、という意味でなく、
提供する側にもされる側にも継続的に「信用が担保されているかどうか」が重要になる、
ということ。
新しい資本主義、というのはITの発達でSNSが普及し、
これまで、リアル店舗やホームページでしかできなかったモノやサービスの販売、
あるいはイベントへの集客が「SNS」を通してできるようになったこと、
また、情報を共有する(=シェア)ことが、その商取引をよりスムーズにしていることだと言える。
中小企業や個人事業主が、フェイスブックやインスタグラムを活用する場合に当てはめてみる。
「何者であるかが問われる」ということは、
シェアすることによる商取引上において、単に「売る」「稼ぐ」「儲ければいい」ということや、それらの行為を「あおる」ことがより簡単になった。
しかしビジネスと経営には「永続的な成長」が必要である。
誰でもシェアできる、ということは
「誰が何をやってもいい」
ということではない。
SNSやITはいちメディアでしかなく、活用したとしてもに人間が本来持つべき、
誠意や顧客への想いを無くしては「もともこ」もない。
継続するには、
- 自社・自身が「何」を提供し、
- 提供物が顧客に「何を」もたらすかを、
明確にせよ、
と著者は語っていると解釈した。
第3章にある、顧客の声を可視化するプログラムとして、「マイスターバックス」と、Dellの「アイディアストーム」を上げている点も面白い。
ひいては、日本企業が欧米企業のこのようなオープン化ができない要因の一つに、
不要で行き過ぎたインターナル・マーケティング=上司説得型マーケティングを上げている点も興味深い。
企業の規模が大きくなるにつれて出てくる、いわば大企業病だ。
ウェブの進化によるオープン化が進むんだとしても、必ずしもいいことばかりは発生しない。
このような反ポジティブな現象も起きてくる。
ウェブが一般的になり始め、まずは礼賛され、今は氾濫しすぎて「おいおい、大丈夫か」という風潮も多分に見られる。
ボクもそうなのだが、著者は私たち人間がウェブを活用し、
「ポジティブ」な未来を造ることができる、と言っているように読める。
この点、共感できるし、読み心地がいい。
ウェブ礼賛の第2フェイズにこれからなる中でも、読んでおくべき一冊だと思われる。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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