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誰よりも狙われた男:フィリップ・シーモアの傑作サスペンス

「誰よりも狙われた男」を観た。


けっこう好きな俳優、昨年亡くなったフィリップ・シーモアが出ている、ということもあり興味深く観た。


ストーリーはこんな感じ:

ドイツの港湾都市ハンブルク。同国の諜報機関でテロ対策チームを率いるベテラン捜査官ギュンター・バッハマンは、一人の青年が密入国したという情報を手に入れる。青年の名はイッサ・カルポフ。イスラム過激派組織の一員として国際指名手配されている人物だった。

政治亡命を訴えるイッサは、人権団体の若手弁護士アナベル・リヒターと知り合い、彼女を介して銀行家であるトミー・ブルーとの接触を図っていた。その後の調べで、イッサの目的はトミーの銀行にある秘密口座であると知ったドイツの諜報機関は、CIAの介入を得ることに成功し、いよいよイッサの逮捕に乗り出す。しかし、ギュンターはイッサをあえて泳がせて、更なる大物の逮捕を狙っていた。
*Wikipediaより

ボクは元来、007のようなスパイものやCIA、KGBなどが出てくるアクションものに目が無い。
なので、スピード感があり、敵地に潜入して捕虜を救い出すというような展開を期待していたが、
全編、淡々と物語は進んでいく。

ところどころでの、各国を代表するスパイたちの細かな表情の変化が、最後のどんでん返しの「伏線にならない」ところが面白い。

右手で握手をしながら左手で殴り合う、「外交」のさらに裏側で暗躍する人びとは、

きっとこういう風に物事を進め、自国の有利な展開に最終的に持っていくのだろうと思う。


(ここから、ややネタバレですが)
しかし、「なんのためにそれをするのか?」と聞かれたシーモアが、
「世界の平和のため」と答えるところ、
それが最後には、どんでん返しを食うのだが、
裏切った各国のスパイたちの基準の中ではそれが「平和」であるところが、
なんとも言えず物悲しい。

宗教やイデオロギー、歴史が複雑に絡み合うストーリーを観ていて、
日本にいるボク達には、頭では分かっても、到底心底から理解することが難しいこの物語の背景。
とても興味深く観ることができた。

キャストもなかなかよく、フィリップ・シーモアは、いつもながら安定していながら、ピッタリの役柄。それにしてもボクよりも年下とは、、、

ウィレム・デフォーも相変わらず、カッコいい。あえて言うなら、弁護士を熱演している「ミッドナイトインパリ」などのレイチェル・マクアダムスが、綺麗すぎて少し現実味がなかったかも、、、まあでも、ファンとしては出ているだけでいい、という見方もある。

マーケティング コンサルタント
理央 周

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