CRM(=Customer Reklations Management。顧客関係性のマネジメント)は、既存顧客または顧客候補へのアプローチをすることで、顧客満足を上げ購買に結び付けるための考え方になる。
CRM 顧客関係性マネジメントとは?
一般的には、ITなどの情報システムを用いて、リストにある顧客(候補含む)の年齢や性別などの属性や、いつ買いいくら使ったかという購買履歴を元にし、顧客をカテゴリーに分けアプローチをしていく。
大雑把にいうと、今はやりのビッグデータ分析もCRMに必要な考え方の一つになる。
ここで重要なのは、自社の製品やサービスを一度以上購入したことがある人を中心に、アプローチしていくという考え方であること。コンサルタントや研修講師をしていると、多くの中小企業経営者や個人事業主の方々から相談を受けるが、多くの人が間違えているのは「新規の顧客を獲得しよう」とばかりしていること。
もちろん新規の顧客獲得は必須なのだが、優先順位として「既存顧客」が先である。
なぜなら、新規顧客を獲得するには「自社のことと自社製品の両方を一から教えこまなければならない」から。マーケティング的な労力がかかるのだ。
心情的にもいつも買ってくださる既存顧客を大事にすることがおろそかになってはいけない。
CRM 顧客関係性マネジメントの実践
- DM(=ダイレクト・メール 手紙やニュースレターなど)
- メールマガジンや定期刊行している発行物(=私でいえば、月刊電子マガジンなど)
- ポイント・プログラム
- アマゾンなどのレコメンデーション機能
- 行動ターゲティング広告
代表的な手法としては、上記があげられる。
こちらは愛知県の引越会社、引越一番が発行しているニュースレター。売り上げや顧客単価などから換算し、自社にとって重要と思われる顧客に対し送付している。この既存顧客に送付するDMやニュースレターに書く内容に関しては、次の3つのコツがある。
- とにかく顧客にとって「有益な情報」を載せる
- したがって売込みは全体の約1割、しかも一番最後
- 有益な情報は、自社のビジネスに関連すること。お客様の声も入れよう。
ちょっと想像しても欲しいのだが、毎日のようにポストに入っているDMを見たくなるだろうか?大半は見ずに捨ててしまう。
でも一方で、同じようにポストに入っている友人からの手紙や、クレジットカードの明細などは捨てずに開けて中身を見る。この違いはなにかを想像してほしい。
自分にとって有益な情報かどうかを、自分自身のこれまでの体験で「判断」しているからだ。
一番大事なお客様には、お客様にとって役に立つ、価値のある情報を送って「見てもらうことから始めるべきなのだ。「買ってもらう」ことから始めるべきではない。
GoogleやAmazonなどのIT大企業はもちろんCRMの考え方をもとに様々な施策を実践している。
しかし中小企業も、自社での購買履歴や顧客名簿を活用してDMやニュースレターを送ることで、既存顧客へのアプローチは可能になる。
ビッグデータが無くても、スモールデータを分析すればよいのだ。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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