Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

満足保証返金キャンペーン:試し買い促進で価格競争から抜け出すために

満足しなければ返品 というプロモーションが続々と実施されているとのことが、今日の朝日新聞に書かれていた。


返金キャンペーンをやる理由                 

実施企業は大手が多く、西友(生鮮食品部門)、P&G(ジレットのカミソリ)、グリコ(チョコレート菓子)、ロッテリア(ハンバーガー)、ソニー(スマホ用ヘッドフォン)が満足保証キャンペーンをやったとのこと。消費者の主観で返金されるかどうかを決めるということで、一般的には「返金が多くきたら困ってしまう」と考えそうであるが、これらの企業の回答は「返金数は想定よりも少ない」とのことだった。

なぜこのようなキャンペーンをやるかという理由は、多くの場合「ちょっと買ってみよう」という「試し買い」を促すためである。
人は新商品や新しい考え方のサービスなどを初めて購入する時に躊躇する。
初回購入の時の心の壁を取り払うのが「試し買い促進」の販売促進になるが、多くは割引をしたりサンプリングをしたりという伝統的な手法がとられてきた。記事には専門家の意見としてこのような手法は消費者に飽きられてきていりため、新しい新規顧客取り込みの手法だという。


やはり値引きはNG                       

私も講座などでは「新規顧客獲得のための値引き」は原則NGです、と伝えている。
その理由は、価格競争になると営業利益が減り、ブランド資産を確保するための「見た目の価値」が下がるからである。クーポンなどもある意味同様である。

その意味においては、この「満足しなければ返金するので一度試してくださいね」おちうキャンペーンはありだと思う。

さらに記事にはそれ以外にも「顧客満足に関して確認することができた」「社内の品質管理の徹底や社員の意識付けのため」との回答もあるとのこと。

記事には一部消費者が「自社商品に自信がないからやっているように見える」「気を引きたいだけ」といった意見があるとのされている。消費者も情報が多く流通している中で、賢くなっているのだ。「効果が出なければ全額返金」という悪徳商法もあるとも指摘している。

販売促進をはじめとして、顧客や消費者とのコミュニケーションにおいては、目的が明確でなければならないという当たり前だが忘れがちなことが重要なのはいうまでもない。

このようなキャンペーンを実施する際には、目的を明確に実施することが成果につながるのである。





マーケティング コンサルタント
理央 周


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