準レギュラーで出演しているZIP-FMに来る、リスナーの方からの質問に、
「今、話題の「木質ペレット」を燃料にした、持ち運べるストーブの製造を始めました。
「木質ペレットがあまり身近でない」ということ、
「ストーブを持ち運ぶという発想自体が新しすぎる」ことなどから、
なかなかその良さを伝えることができません。
こういう、新しいモノ、馴染みの薄いモノは、どうやって広めていくのがよいですか?」
2種類の認知度:認知と想起
これはまず、自社プロダクト(=製品、またはサービス)の「カテゴリー」が認知されているかどうかということ。
このケースでは、ストーブというカテゴリーは認知されているけれど、その燃料の木質ペレットがどれだけ認知されているか、というコトが問題になる。
認知には2種類あり、Recgnition=いわゆる認知は「知っているかいないか」、
Recall=いわゆる想起はその次の段階で、「思い出してもらえるかどうか」
前者は木質ペレットを知っていますか、に対し「はい」または「いいえ」、
後者は「ストーブの燃料といえば?」「木質ペレットですよね」になる。
当然後者が欲しいのが、認知されていないと想起されないため、
まずは認知をあげていくことが重要になる。
このケースの場合、確かに木質ペレットは想起はおろか認知されていないので、
それより、他の利点を探しアピールすべきである。
情緒価値と機能価値
その際には「顧客視点」になりお客様になりきって情緒に訴えるベネフィットを考える。
たとえば「持ち運ぶ」ことができることがユニークでアピールできると思われる。
私が実際の仕事で、こういう(斬新すぎる&馴染みが薄い) 課題に取り組んだことがある。多チャンネル化になる前にケーブルテレビのマーケティングをしたときは苦労したもので、
いくら、多チャンネルでデジタルで、といっても視聴者にはアピールできない。
家族で楽しむ、プロ野球を熱血応援などと、シチュエーションを提示して、
「それを使うときの自分」が想像できないと、人はモノを買わないのだ。
やはり、コミュニケーションでは、モノではなくコトをアピールすべきである。
「持ち運びできる 木質ペレットストーブ」、というのがベネフィット=顧客価値、であれば、PRのポイントは、どこにあるか?
ペレットや持ち運びは機能なので、それよりも「情緒」に訴えて「持ち運びできるから勉強部屋の後に寝室にそのまま持って行けて便利」と言った具合に想像できるいするのがいい。
持ち運びができる という点を強調して「どんな使い方にするか」キャンペーンと称してユーザーから募集するとかして、話題性を作っていくと面白い。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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