美崎栄一郎のヒットの謎解きを読んでみた。
元花王の技術者だった著者が、様々なヒット商品を解説しながら、独自の切り口で「なぜヒットしたのか?」を解剖していく。マーケターのボクとしては非常に興味深く読むことができた。
この本のユニークな構成
著者は、ヒット商品を「ヒットの法則」なる手法で解説する。
手法は事業・着想・技術の3つからなっていて、この本では10のヒット商品が紹介されている。
それぞれの商品が、
- どのような着想で生まれ
- どのような技術を使い
- どのような事業モデルで収益化されているのか
という軸で説明されているのだ。
この切り口が面白く、パナソニックの「目元エステ」であれば、
【着想】ポメラの着想と同じ1点集中型
【技術】1つの熱源で2つの温度帯を実現
【事業】格好良く使えるをアピール
といった具合になる。
この本は誰がどう読み使うべきか?
マーケティング活動の目的は、カッコいい広告を創ることでも、広告宣伝で認知度やイメージを上げることではない。
売れるプロダクト(=製品やサービス)を開発し、企業として収益をかげることである。
広告や販促ははあくまで手段にしか過ぎないのだ。
この本は大企業の事例が多く掲載されているので、もちろん面白く読めるのだが、
同じことをしようと思っても簡単ではない。
しかし、この本は優れた着想ができ、自社だけの強み=技術を生かし、その上で事業としての収益モデルを開発するという「フレームワーク」を事例とともに教えてくれている。
企画マンや技術者はもちろん、営業部、生産技術部などで働くビジネス・パーソンにはその意味でおススメなのだ。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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