マーケティング活動とは、
新製品を世に出し、
人々に浸透させ、人気が出て、継続的に売れる、
一連の流れをいう。
その意味では、製品やサービス、
時によっては事業そのものを、
プロデュースすることに他ならない、
と思っている。
この本の著者の方は、
実績のある著名な音楽プロデューサー。
スターを生み出して、育て、ファンになってもらい、
愛され続ける、という流れも、
プロデュースなので、
ヒントになることが多い一冊だった。
一方で、この本には、プロデュースのやり方とか、
こうすれば、ヒットするといった、
手法はそれほど書かれていない。
この本のエッセンスは、
プロデュースする側とされる側の、
人間関係や、考え方、向き合い方、
別の言い方をするとすれば、
プロデューサーのあり方、
が、豊富な経験による事例とともに書かれている。
たとえば、プロデュースの対象者や彼らの生み出すものを見る際に、
「個々ではなく、全体を見る」とある。
ビジネスにおいても、新製品を導入する時においても、
やり方や手法といったHowから入ってはいけない。
個々の手法を考える前に、
まずは、事業やプロジェクトの大きな絵、
ビッグピクチャーを描いてから、
個々に落とし込む。
その意味で、スターのプロデュースも、
マーケティングと共通する。
また、新しいものとは、新しい組み合わせだ、という点も、
マーケティングの新結合による新しい顧客価値に通じる。
なかでも、私が最も共感したのは、
「自分の感性を信じること」という点。
著者は、そんなふうに強く信じられる人は稀だ、
といっている。
信じ続けることは難しいので、
うまくいかない人は、自分の感性に自信を失うからだ、と。
なので、音楽アーティストには、
「感性に自信を持て」と言い続けてきたそうだ。
これは、独立して、フリーランスでやっている人たち、
また、士業やコンサルタントにも言えることだ。
自分をどう売るのか、を考える前に、
自分の経験、知見、工夫など含めた、自分自身の中にある、
クリエイティビティと感性を信じることがなければ、
顧客との信頼性も築けない。
その意味で、たゆまぬ努力によって、
自分の感性とコンテンツを磨き上げなければならない。
プロデューサーとは表に出ることが少ない、
守備範囲が広い仕事だ。
しかも、収益の責任を持つ重大なプレッシャーもある。
しかし、全体を見て方向性を決め、
各分野のプロたちに対して揮をとる、
オーケストラの指揮者のような側面もある。
これは、製造や開発、品質や営業など、
社内の多くの部署とともに、
事業を組み立て、計画にし、実践の指揮をとる、
マーケティングと共通している。
その意味でも興味深い、
とてもためになる一冊だった。
マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授
理央 周(りおう めぐる)
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